丹生川上神社下社の巨杉
話を吉野にもどす。
6月1日は、下市町にある丹生川上神社下社の例大祭だった。そこに参列したわけだが……。祭りに関しては省略するが、驚いたのは列席者が500人を越し、しかも帳簿を見ると高知だったり岐阜だったり神奈川、兵庫……とかなり遠方から参列している。観光バスも来ていた。
なぜ驚いたかというと、この神社の祭り、決してそんなに有名ではなく、最近までローカルで質素に執り行っていたからだ。神社そのものは、古事記にも登場するような古い格式を誇る神社で、たしかに価値はあるのだが、古社名刹の多い奈良では目立たなかった。
それが3、4年前から急に賑やかになった。どうやら宮司が変わったことがあるらしい。
どのような広報活動をしたのか知らないが、急に注目されたわけである。そして最近では上社、中社、下社の3社巡りも企画したりしている。
おかげで地元の人も駐車場の案内やら焚き出し(弁当などを配ってくれる)やら大変らしい。でも、全国区になり来訪者が増えるのは歓迎だろう。
奈良って、売り出すのが下手な県民性だけど、その気になれば、まだまだ売り出すネタはいくらでも眠っているのね。
おそらく参拝者の魅力は、例祭後に拝殿の奥の急な階段を登り、本殿まで行かせてくれることだろう。我々もなんとか登らせていただいた。ただ、あまりの人数増加のためか本殿入りさせてもらえるのは崇敬会の会員だけだったが……。
ちなみに丹生川上神社の上社(川上村)、中社(東吉野村)、下社(下市町)と3つあるのは、記紀に記載にある神社がどれか特定できず、明治時代に3つも候補が出てきたことによる。下社が一番最初に認定されたが、発掘調査によると上社が一番古く飛鳥時代より祭事が行われていたらしい。昔から3立していたわけではなく、もめないように全部認定したのである。
いずれも巨木のある神社だ。
下社は、独特の造り。拝殿から山を駆け上る75段の階段がつづく。
拝殿よりの急階段を右手より見る。奥に見える本殿の中に2本の巨木が見えるだろうか。
これは幹回り5・5メートルと5・8メートルあるというご神木である。
ほかにも境内には、ケヤキなどの巨木が林立している。
階段の両側にも巨杉が並んでいる。これらの木を取り込んで階段を作っているのが素晴らしい。
ここに登らせてくれるのも素晴らしい。
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