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森と林業の本

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2013/06/24

岩食む樹

生駒山中に、鶴林寺というお寺がある。

今は、鬼取という集落内に本殿や庫裏などはあるが、元は(江戸時代)、もっと山を登った奥、山頂に近い懸崖の地にあった。今は、旧鶴林寺として拝殿ほかいくつかの施設が残されている。

もともとこのお寺は役の行者と関係が深く、鬼取という地名も役の行者が前鬼、後鬼をつかまえたことに由来する。その途中には、巨岩がゴロゴロしていて、そこに梵字(サンスクリット文字)が刻まれていたりする。

散歩がてら、そこを訪れた。

修験っぽい神秘さが漂っていたが、気になったのは境内にある木だ。

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岩を飲み込むように伸びているのだ。

結構な大木だから、長い年月をかけて岩を包み込んだのだろう。

それも一本だけではない。



気がつくと何本もある。

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これはカエデの巨木だが、これまた岩を食んでいる。

また巨大な藤蔓がとぐろを巻いていたり、樹木の凶暴さを感じる。

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周辺にはいくつもあり、岩のひび割れから生長して、岩を割ったものや、岩肌を這うように樹が生長したもの。

ちょっと数えきれなかったが、その姿が禍々しくなった。

 

境内から出ると、石垣だけが残る棚田の廃地もあるが、その石垣だって。

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かつての棚田は、竹林になってしまい、もはや人の手がはいらぬようになっていたが、その石垣を突き抜ける樹木も、なにやら怪しさを漂わせる。







岩と樹に誘われるように森の中へ……足を向けて行きかけた。道は消え、岩がごろごろした一帯にとげのある草木が生い茂る。その奥に何があるのか。。。

が、ふと我に返ってもどる。ここで遭難はなりませぬ。だって、半袖で草木をかき分けるのは危険すぎたのさ。ちゃんと、判断力は残っていたのよ。

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コメント

怪しいほうの谷山ワールドですな。。
入り込んだら大変。
木に絡まれて吞まれてしまうとか、
大量のコビトにたかられてしまうとか、恐ろしいことが。。

蛸が岩を掴まえて、空中に持ち去る・・・そう、凧になって。

(エイリアンが運んだ円盤をエイリアンごとUFOが上空から引き上げる・・・映画を見たことがあります。そんなSF風映画の題材になりそうですね)

私だって、いつも野放図に「遭難」しているわけではないのです。いくら「森においで」と呼ばれても、断ることもあるのよ。エヘン。

怪しの森ですなあ。蛸が凧になっても困るけど、樹に気を感じたら、要注意。

誰か、この奥に一緒に行きたい人、いませんか~。。。

 自然配植技術では岩を抱く根と岩を貫く根に大きく分けて樹木を判断しております。ケヤキ、モミジは抱く、サクラ、マツは貫く等々。
 このような考えは大学では学ばなかったです。

おお、そんな樹木の分類があるとは思わなかった。

たしかに岩を抱くように根を伸ばすのは、ある種に限られますね。どんな樹木でも一緒じゃない。
でもその前に「自然配植技術」なんてのも知らなかったな(^o^)。

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