魅せる!大阪木材仲買会館
大阪の新しい木造建築物を紹介しよう。
大阪市西区にある大阪木材仲買会館である。大阪木材仲買協同組合の建てたオフィスビルだ。
3階建てのコンクリートと木造の複合構造をしている。
肝心なのは、耐火集成材「燃エンウッド」を使っていること。
いわゆる木造ビルへの足掛かりにしようと開発されたものだ。
表面の燃え代層と、モルタルによる燃え止まり層を挟み込んだカラマツ集成材だ。
が、専門的な木造構造は別として、建築素材としての魅力は全館にわたってこだわった見せる部分だ。
たとえば、玄関を入ってまずは、
ヒノキの格子に20数種類の銘木の板が張られてある。
展示とともに、耐震壁にもなっている。
が、これだけではない。
会議室の壁は、こんな状態。
では、細く伸びた木の部分は何かというと……。
拡大すると、こんな感じ。わかるだろうか。
細かな筋が入っているのが見えるだろう。小さく尖った山が列を作っている感じ。
これは、材と材をつなぐフィンガージョイントをそのまま壁にしてあるのだ。これは、吸音効果も上げるという。
まあ、ほかにも様々な意匠が凝らしてあって、それを発見するのが面白いほど。
全部紹介しきれないが、最後にこんな窓を。
よく見ると、木目が。
これを木オニキスガラスというそうだ。
かんながけした屑のような透けて見えるほと薄い木材を、二重ガラスの間に挟み込んだものなのである。なんとも凝った品……。
これらの施工は、竹中工務店。腕によりをかけて、木材の可能性を追った建築だと感じる。単に耐火耐震などの木造ではなく、木材によるデザインにもこだわったようだ。
たしかに和風ではない、現代風の木造建築を演出したかのようだ。木造建築ファン、必見。
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今度見に行こう!
姫路に行くときに・・・。
投稿: 海杉 | 2013/07/06 15:10
姫路からは、結構遠いけど……(^^;)。
大阪木材会館とセットでどうぞ。
投稿: 田中淳夫 | 2013/07/06 21:19