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2013年8月

2013/08/31

「冒険の森」で木の上を楽しむ

「冒険の森」に行ってきた。

と言っても、よくわからないだろう。正確には、奈良県山添村の「冒険の森」という施設である。今春までは「フォレストアドベンチャー・山添」と呼ばれていた。これはフランスのアルタス社のノウハウを取り入れた森林を利用したアスレチック施設と言えばいいだろうか。

実は、以前にも本ブログで紹介している。昨年の春だ。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2012/04/post-bc48.html

今回は、自分で体験してみたわけ。

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いや、思っていた以上に高い。地上5~10m部分を渡り歩く感じ。

いや、渡り歩くというよりは、かなりハードに渡らねばならない。

これは、大人向きだ! ヘタに子供(もしくは意気地なしの大人)が参加して、途中で動けなくなったらどうするかなあ。

もちろん、ハーネスにカラビナで完全武装、じゃない、完全防備しているから、ルール(3点確保のうち、移動時は2点、付け替え時でも必ず1点は固定する)を守る限りは絶対安全だが、守らないヤツはいるだろうなあ。私も、つい間違って最後の一つを外してしまう局面はあったよ。

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これなど、10mほど向こうにあるネットに飛び移るアクティビティー。
ロープで吊るされる感覚で、台から飛び下りる時は、一瞬バンジージャンプみたいな気持ちになる。

安全とわかっていても、結構怖いよ。

まあ、ターザンごっこの要領かな(^o^)。その点では、昔を思い出した。

ほかにもイヤハヤナントモのアクティビティ多数。木の上を楽しむには、もってこいだ。(ただし、アクティビティ近くに枝葉はない。)

面白いのは、男より女の方が楽しんでいること。

私の前のカップルも、完全に女優位であった。

行くなら、女子とだな(⌒ー⌒)。林業女子の初心者も、ここで研修したらよいかも。

私は、存分に楽しみました\(^o^)/。

なお、今年よりジュニアコースとセグウェイツアーも始めた。後者は、西日本初である。

もともとこの地は、名阪国道のサービスエリア計画のために買収された山林だったが、計画は中止に成り、その後は放置されていた。そのためスギ林の中に雑木が育ち、ブッシュ状態の荒れた森になっていたが、この施設によって整備を行ったものだ。

ここで収益を上げたら、周辺の森林の整備にもつなげていくビジネスモデルを描いている。

新しい形の森林利用として、今後はどのように展開するだろうか。

2013/08/30

チューリッヒに木造7階建てビル

スイスのチューリッヒに木造7階建てのビルが誕生した。そして、それを設計したのは日本人の坂茂氏。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0828&f=national_0828_024.shtml

チューリヒの都心、シール川のほとりに木造の7階建てビル「タメディア新本社」が誕生した。木造でこれほどのオフィスビルは世界でも初めて。日本の建築家、坂茂(ばん しげる)の作品だ。スイスの優れた木造技術のお蔭で生まれたという。」

これは昨日のコメント欄に寄せられた情報だが、記事によると、何もスポンサーが木造を要求したわけではなく、「スタッフにとっての快適な空間、持続性、低建設費」という三条件に適合したのが木造だったという。そして世界でも、この規模は初めて、とある。

ところでこの記事には、肝心のビルの写真がない。探すと、この程度の写真は見つかった。建築中の写真もある。木造ではあるが、ガラスも多用して、鉄骨?も使っているのではないか。現代的でお洒落な雰囲気だ。

http://www.ma-che-rie.com/shigeru-ban-tamedia/

http://www.shigerubanarchitects.com/works/2013_tamedia-office-building/index.html

実は私は、このビルの建設を知っていた。というのも、昨年訪ねたスイスの街角で見かけたからだ。しかも、建材の加工現場にも訪問しているのである。

Dsc_0126


これは、エルレンホフという木材系の異業種コンプレックスの現場である。

一つの敷地内に、原木が山積みしてあり、製材所に設計、プレカット、さらにバーク肥料や木質ペレットの工場が合わさり、熱電併給も行っている。

その一角で加工していたのが「日本の坂茂の建築用の部材だ」と聞かれた。曲線が多いが、どのような加工機械を使ったのだろうか。


Dsc_0132


これが完成した部材。

一度組み立ててから、またバラして建築現場に運ぶそうだ。

この奇妙な鳥居のような形の部材が、どのように使われているかは、上記の記事の写真を見てほしい。

ちょっと気になるのは「世界最大」という点。たしかオーストリアで9階建ての木造ビルを建てていたはずだが……。スウェーデンにもあったんじゃないかなあ。
スイスにも、8階建て木造マンションがあった気がする。

もっとも、こちらはCLT(交差集成材)を使ったものだが。坂氏の設計では、集成材であるのは間違いないが、CLTには見えない。(逆に言えば、CLTでなくても、高層の木造ビルは可能ということだ。)

日本で木造ビルが建てられない(3階まで)のは、ひとえに建築基準法の規制のためだ。技術的にはOKだと取材したことがある。

まあ、部材が何でもいい。

私の興味は、建築そのものや構法ではなくて、この建材の価格であり、その原材料の木材仕入れ価格にある。

おそらく原木1立米単価は、日本円で数千円程度、それも下の方のレベルだろう。低建築費が条件だというのだから、建材だけが高価格であるはずはない。

それでもスイス(および周辺諸国)の林業はやっていけるのか。

そこが納得行かない。なぜ、安くてもやっていけるのだろう。
伐出コストが安いから? スイスの林業山は日本の山より険しく見えたし、それほど機械化が進んでいるとも思えない(日本よりは進んでいたが)。それどころか人件費は確実に日本より高い。そして林業系の補助金はない。

もしや、小規模な農家林家からの出荷は、あまり利益を重視していないのか……。木材生産で食っているのではないのかもしれない。

しかし木造ビルを建てたいという欲求と、それが森林地域にどう反映されるかは別の次元ではないか。

これは、合板でも集成材、CLTどれでも同じなのだが、これらの素材は川下(建設者・建築発注者)に喜ばれるのはよくちわかる。使い勝手の良さのほか強度、断面積の自由度も高い。無垢材よりよほどよい。
が、川上の人々に何をもたらしているのか。高く買ってくれるならよいだろう。が、安く買いたたかれるのなら……。その点がいまだに納得できていないのだ。

そして、もう一つ気になる点。これは上記の記事の中の坂氏の言葉なのだが、
実は、木を使った他の建築家の建物は、ほとんどの場合が鉄骨の方がいいようなものを、ただ木に置き換えているだけ

そうなのだ。私も、木造を売り物にしている建築物の多くで、そう感じていた。無理に木を使おうと気をつかって建てた印象が強い。

これは、もっと木を使ってくれという川上側の要望だ。しかし、本当に木でなくてはいけないのか、という点が不明確なのである。

坂氏は、木造でなければ、という設計をしたそうだ。それはわずかな写真だけで判断しにくいが、デザイン的には曲線が多く、木材ならでは感を醸しだしている。

ついでに、こんな言葉も発している。

スイスの木造の技術が世界で一番発達していて、それがあったからこそできた建築」
「具体的には、いいエンジニアがいるし、優れた木材の加工製品がスイスでは誕生していたり、木材をコンピューターで3次元的に切る機械があったりとか、そういう意味でスイスは世界一進んでいますね
」。

この点でも、日本は遅れを取っている。同じ設計図を使っても、建てられたかどうか。機械はともかく、人材という点ではもう手遅れかもしれない。今から施工者は木材の性質を勉強するかね……?

2013/08/29

記事「木材利用ポイント」の表裏を考えた

ヤフーニュースに、木材利用ポイントについて書きました。基本のおさらいみたいなものだけど、知っているだろうか。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130829-00027680/

まあ、このブログ読者には今更でしょうが。

意外と、認知度が低いみたい。まあ、業界関係者が知っていたら、施主には説明するだろうが、申請できないハウスメーカーなどは隠すでしょう。その時、こちらから持ち出すと、顧客が逃げ出すのを恐れて、黙って60万円以上値引きしてくれるはず(⌒ー⌒)。

2013/08/28

オフセット・クレジットいまいずこ

カーボン・オフセットという理論が生み出した、二酸化炭素の排出削減量を、排出する他者に金銭を媒介に販売して相殺する仕組み。

国際的な取引以外に、国内向けにオフセット・クレジット(J-VER)が生まれ、この考え方に基づいてフォレストック認定ができたり……まあ、いろいろな展開が行われ、今も森林の公益的機能を金に置き換える仕組みとして頑張っている人は多い。

これが今や有名無実化しているらしい。なんたって、取引価格がゼロ円になっているというのだ。というのも、買い手がつかないから。やはり東日本大震災後に急減したという。

それでも、国内排出枠は作られ続けており、在庫は増えている。審査などにかかる費用が税金で賄われるからだろう。
中小企業対象の「国内クレジット制度」は、もうすぐ制度が終了するらしいが、排出枠の認証量が昨年末の2,3倍の150万トン以上まで積み上がった。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD220TE_T20C13A8000000/

なんとなく、想像していたとおりの展開になっている。だって、削減義務とか罰則なしの二酸化炭素削減を基にしている限り、買い取り先に限界があるからだ。つまりCSRと同じような扱いになる。
結局、企業のボランタリー精神に期待したり、あるいは「環境に優しい」企業としてのイメージ戦略になる。買取資金も、広報予算から支払うようになってしまうと感じていたからだ。

一方で、相次ぐ異常気象。大気中の二酸化炭素濃度が上昇した影響を指摘する声はむしろ強まっている。皮肉なもんだ。

そろそろ、二酸化炭素というわかりにくい物質を取引に持ち出すのはあきらめたらどうだろうか。はっきりと森林の環境への影響力を売上につなげる方法を考えるべきだ。

優れた森林を保有したり、保全を後押しする企業の社会的ステータスを上げるとか、もっと直截に株価に反映させる仕組みはないものかね。

2013/08/27

テレビ「大川家具の新デザイン」

NHKのBSを見ていると、「イッピン」という番組で、福岡の大川家具を紹介していた。

大川は木工で知られた町であり、国産家具の生産高日本一である。

実は、今私が向かっているテーブル(食卓を仕事用デスクに転用)も、大川産のタモ製。ミョーに楕円した形が気に入っている……。

番組では、木工の匠の技(たとえば指し物、ほぞ組など)が紹介されていく。

まあ、それなりに見ていて楽しい。なかには曲線の家具も登場。

http://www.j-cast.com/tv/2013/08/25182021.html

どうやって引き出しを動かすんだろ、と思わせる。

自在なデザインは楽しいが、これだけでは私は感心しない。驚いたのは、こんなテーブルが紹介された時だ。

Dscf2740


見よ。凸凹なのだ。それも、節をわざと浮き上がらせた作品だ。

節を削るのではなく、逆に強調しているのである。なかには、とくに硬い黒木の部分もある。

凸凹で使いにくくない?

しかし、評判は上々。「カワイイ」という声が飛び交う。

Dscf2742


テーブルばかりではなく、イスにも応用している。これは、手でなで回したくなるね。



私は、節のある材は価格が落ちることが気に食わなかった。もともと数寄屋づくりでは、節材を利用してきたのだ。それがいつしか無節を尊ぶようになってしまった。
しかし、今も磨き丸太の種類の中に出節丸太と呼ばれる、わざと節を強調した銘木があるではないか、と言ってきた。

しかし、出節自体は今や流行から外れてあまり売れない。過去の遺産みたいなものだ。今風に節を利用したデザイン、それも洋風にできないかと思っていた。

この家具の加工法こそ、それだ! と思った。節そのものを表に出すのではなく、周辺を削り浮き上がらせるたとで曲線美を描く。

もちろん技術はいるが、何も特別な方法を取っているわけでなく、周囲を2ミリほど削る。番組では天板一枚を3時間の加工で浮き上がらせていた。

これは、家具だし、広葉樹材だし……と逃げ口上言わないよう。このデザインのアイデアは、京都などの寺院で人が歩いたり触りすぎて節が浮き上がった材(ヒノキやスギだろう)がヒントちなったそうである。家具だけでなく、さまざまな木工に応用が効くのではないか。

残念ながらNHKなんで、この家具メーカーの名前は出なかったのだが、今や売上の7割が、この凸凹家具が占めているという。

ほかにもアイデアいっぱいの家具をつくる工房があるらしい。

大川に、取材に行きたいなあ。

2013/08/26

「全国森林計画(案)」へのパブコメ募集

以前、日本の林政にはグランドデザインがないと書くと、「全国森林計画」があると返されて、しばし黙った(言葉を失った)ことがある。

全国……森林計画……が、グランドデザインか~。。。。。

で、ちょうど次の「全国森林計画」(案)が出されて、パブリックコメントを募集していたから読んでみようと思っていた。コメントをつけるほど暇ではないし、興味もないのだが、本ブログで紹介しようと思っていたところ、気がついたら締め切りがすぎていた(泣)。先週までだったのだ。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001788&Mode=0

せっかくだから、パブコメは抜きでも読んでみてくれ。

まず、

Ⅰ 森林の整備及び保全の目標その他森林の整備及び保全に関する基本的な事項

1 森林の整備及び保全の基本的な考え方  

から抜粋。

森林の整備及び保全に当たっては、森林の有する多面的機能を総合的かつ高度
に発揮させるため、生物多様性の保全及び地球温暖化の防止に果たす役割並びに
近年の地球温暖化に伴い懸念される集中豪雨の増加等の自然環境の変化も考慮し
つつ、さらには放射性物質の影響等にも配慮し、適正な森林施業の実施や森林の
保全の確保により健全な森林資源の維持造成を推進する。また、これらを踏まえ
森林の状況を適確に把握するための森林資源のモニタリングの適切な実施や森林
GISの効果的な活用を図ることとする。

……わからん(;_;)。何を書いているのか……。内容以前に文章にコメントしたくなった。
1節で3行以上にするなよ。それに、とってつけたような「放射性物質の影響等」とはなんだ。

実は、この文章の後に「具体的には」と続くのだが、それが全然具体的じゃない(-_-)。

焦点を絞って、まず伐採に関わるところを読む。

主伐に当たっては、森林の有する公益的機能の発揮と森林生産力の維持増
進に配慮して行うこととし、伐採跡地が連続することがないよう、伐採跡地
間には、少なくとも周辺森林の成木の樹高程度の幅を確保することとする。

成木の樹高程度の幅……せいぜい30mか。これが大面積皆伐地に残る帯状の残存木の正体。(残念木と書きそうになってしまった。)

ア 皆伐
皆伐は、主伐のうち択伐以外のものとし、皆伐に当たっては、気候、地
形、土壌等の自然的条件及び公益的機能の確保の必要性を踏まえ、適切な伐
採区域の形状、一か所当たりの伐採面積の規模及び伐採区域のモザイク的配
置に配慮し、適確な更新を図ることとする。

結局、皆伐の面積制限はしていないわけだ。

ただ、附則に、こんな表があった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

伐採面積の規模を縮小した皆伐を推進すべき森林

水質の保全又は水量の次の条件のいずれかに該当する森林
安定的確保のため伐採の方法を定める必要がある森林(水源涵養機能)

(ア)地形について
a 標高の高い地域
b 傾斜が急峻な地域
c 谷密度の大きい地域
d 起伏量の大きい地域
e 渓床又は河床勾配の急な地域
f 掌状型集水区域

(イ)気象について
a 年平均又は季節的降水量の多い地域
b 短時間に強い雨の降る頻度が高い地域

(ウ)その他
大面積の伐採が行われがちな地域

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(ウ)は、なんだ? 「大面積皆伐が行われがちな地域」は、「規模を縮小した皆伐」にしろ、って。命令か? お願いか? それともアリバイ的に書いておいただけの希望か。

なぜ、大面積皆伐(この定義はともかくとして)は、原則禁止と書けないのだろう。全体に「配慮する」「考慮する」「図るものとする」「努めるものとする」といった語尾ばかり。加えて、どちらにでも取れるぬけ穴だらけの表現だから、方向性はいよいよ見えなくなる。

結局、日本の森をどうしたいのか、全然伝わってこないのである。

森林・林業再生プランは、少なくても前文を読んだとき、何がしたいかが読み取れたけどなあ。(前文どおりに実行したとは言えないけれど。)

模範とするドイツは、1990年前後にドラスチックな林政の変更を行っている。真似するなら、ここでしょ。

2013/08/25

Y!ニュース「木は未完成の商品だ! 木づかい時代に生じるズレ」

ヤフー!ニュースに「木は未完成の商品だ!」の記事を書きました。

未完成の商品……ヘンな言葉だと思います(笑)。

でも、そろそろ「木に対する幻想」持つのは止めません? 木材と聞けば興味を示す人は、少数派なんだよ。。。誰もが木を好きで、木の家に住みたいと思っているわけないんだよ。

木の特徴は、「木が好き」と自覚している人が多いことではなく、、「木が嫌い」という人が滅多にいないことだな。

2013/08/24

雨の夏祭

本日は、数週間ぶりの雨。そして自治会の夏祭。

よりによって、そんな日に「慈雨」が降るのだなあ(泣)。しかし、さすがは「最近、晴れ男」の私がいるだけあって、始まる直前に雨は止み、その後も小雨で納まった。場所も、野外の公園から会館に移し、会館前にブルーシートで雨よけスペースをつくって、無事終了。懸案の生もの食材もほぼ全部消費できた。

というわけで、本日はヘトヘトなのであった。何もせず、現場を眺めていただけなんだけどね。

ただ、ぼんやり受付に座ってうとうと居眠りしつつ意識を別世界に飛ばした(__)。ooOZZZZ。

この手のイベントは、少なくても参加者はみんな前向きに開きたいわけだから、リーダーシップはいらない。ただ担当者は、方向づけさえすればよい。

会社経営で、「お客様第一主義」を唱えるトップは多いが、これはたいてい社員が疲れて、時間とともになし崩しになるそうだ。社員にとって、「お客様」は、実は頑張るモチベーションにならない。
むしろ「社員第一主義」を唱えた方がいい。大事にされる社員は、勝手に頑張ってくれる。それが客に伝わり、客が喜ぶのを社員が目にする。その方が成果も大きい。

それを勘違いしてリーダーシップ、リーダーシップと叫んでいる政治家や経営者を目にすると、痛々しいなあ。

林業や森づくりも、「儲ける」とか「消費者の顔を思い浮かべる」というのは、実はモチベーションにならないのではないか。それより木が喜び、森が美しくなる手立てを考えた作業の方が、結果的にエンドユーザーに伝わるのではないか。(__)。ooOZZZZ

……以上、真夏の夜の夢でした(笑)。

2013/08/23

ゴルフ場の太陽光発電に見る複合経営

ゴルフ場雑誌を見ていると、太陽光発電事業のレポートが載っていた。

どうやら、かなりの速度でゴルフ場経営に太陽光発電が取り入れられているようだ。ざっと20~30のゴルフクラブで実施、もしくは建設中である。

大きなところでは、栃木県の鬼怒川カントリークラブの1500万kwh/年(来年秋予定)、また島津ゴルフクラブの900万kwh/年(来年春予定)や群馬のローズベイカントリークラブの420万kwh/年(発電中)などが目立つ。

ここで重要なのは、閉鎖ゴルフ場にソーラーパネルを並べるのではなく、営業中のゴルフ場が舞台だということだ。私は、淘汰された閉鎖コースを利用したメガソーラーを想定していたが(それもいくつもあるが)、むしろ現役のコースの中の遊休地や減ホール、さらにクラブハウスや駐車場の屋根……といった空間を利用しているのだ。

考えてみれば、何も閉鎖していなくてもゴルフ場は広く遊休地は結構抱えている。しかも閉鎖したところは経営破綻したケースも多く、権利関係が複雑で新規事業を立ち上げるには障害が多い。むしろ営業中のクラブなら、メンテナンスも任せられるし、コース内の設備も利用しやすいだろう。そしてクラブ側にとっては、新たな収入源を確保できる。

これは、なかなかの複合経営になるんではなかろうか。

ほかにもゴルフ場が産直品の物販に力を入れたり、堆肥をつくって販売したり、ときに林業さえやっている例を紹介したことがあるが、エネルギー事業もありだな。

今後、ゴルフ場業界はゴルファーの減少が続いて経営は厳しくなるだろう。そこでゴルフに固執するよりも、複合経営という道を選びつつある。

そう言えば、少し前に「ラジコン飛行機を飛ばす飛行場としてゴルフ場を使えないか」と私に相談?されたことがある。日本ではラジコンを飛ばすところがなくて困っているのだそうだ。私に言われても何の権限もないが(~_~;)、アイデアとして面白い。
ちなみにラジコン系のファン層は想像以上に分厚くて、世界に広がっている。そして日本は上位クラスに食い込んでいるのだ。

この手の複合経営ネタはいろいろあると思う。なんたって、広い空間を所有しているのだから。空間産業は有望だ。

空間産業として見れば、森林経営も、まさに空間利用型の産業になる。

少し前に管直人議員は、「国有林の稜線部を利用して風力発電を行い、そのために尾根に林道を通せば、林業にもプラス」という構想をぶち上げたことがあった。個別に見ると難しい部分もあるが、林業+エネルギー事業という複合経営による森林経営というアイデアは、悪くない。

先に特殊林産物を取り上げたが、これだって主力の木材生産の狭間で森林空間を利用して行う事業である。

副業で確実な収益を確保すれば、長期的な視点で森林を経営できるかもしれない。

2013/08/22

インド洋上にあった杉林

今年3月に「大西洋上にあった杉林」という記事を、本ブログに記したのを覚えているだろうか。

ポルトガル沖のアゾレス諸島では大規模なスギ林が造成されていて、林業を担っている……という内容である。

今回は、インド洋上の島にスギがあることを見つけた。レユニオン島だ。

レユニオン島は、マダガスカル島の東方約800キロの海上にある。フランスの海外県になっているが、標高3000m級の火山を擁した楕円形の島。長円は72キロあるという。

森林は決して豊かではなく、しかも伐りすぎたので、木材はほぼ輸入に頼っているという。しかし、それをなんとかしようと、地味に合った有用樹種を探して植林している。

最初の記録は明治21年。ゴワゼという林野官がスギを導入した。しかし、たいした面積を植えたわけではなく、群状、もしくは列状の試植だった。しかし、ユーカリやマツ、モクマオウ……なとに比べて成績がよかった。

戦後は、かなり大規模にスギの植林がなされたらしい。1980年代には「スギに憑かれた男」がいて、スギ植林に力を入れたそうである。

面積は、80年代に3100ヘクタールだというから、かなりのもんである。これを3500ヘクタールまで増やす予定だという。

すでに木材生産もやっていて、使い道は電柱、型枠(コンパネ?)、田舎風家具、羽目板……などいわゆる並材用途だが、そうした木材こそ自給したいわけだ。

フランスといえば、広葉樹造林で有名だが、あえて針葉樹のスギを植えていることも面白い。はたして現在、このスギ林がどのように扱われているか、興味あるところだ。

ちなみにレユニオン島のスギの写っている写真を探したら、こんなページがあった。

http://plaza.rakuten.co.jp/lareunion/diary/201212230000/

この島在住の人のブログらしい。

2013/08/21

役物こそ、木材商品の本質!

木材の商品について考えると、今や役物は、まったく過去の商品となった……と言われている。が、最近、思い直し始めた。木材商品の真打ちにして本丸こそ、役物ではないか

え、以前「役物は売れない」とか「役物、銘木とは素材にすぎない」と書かなかったか? 

知らないねえ。

……自分の書いたことを否定してみせるのは、人によっては苦痛を伴うらしいが、私は気にせずにやっちゃう。とくに無料のブログに書いたことなんぞ、忘れたふりして否定できるのだ(⌒ー⌒)。

実は、売れないと言われている磨き丸太や四方無地の柱などは、たしかに量的には縮んでいるが、需要は決して途切れていない。むしろ底堅く出ている

比較するのが、昭和30~40年代の住宅ブームに連動した役物ブームだから、現在は落ち込んでいるように見える。か、それが間違いなのだ。当時は建てられる住宅の3分の1には、床の間があったという。これは、戦前にもなかった高水準だ。

だから、人工絞り丸太とか、化粧張り集成材とか、役物もどきが氾濫した。

そんなバブルが弾けて、今は本当に和風・数寄屋づくりを愛している施主によって採用されている。

もともと役物は「意匠材」の意味であり、木材ばかりを指すわけではない。が、今や(林業界では)役物と言えば、磨き丸太とか無節・密な木目など美しさ・珍奇さなどを追求した木材を意味するようになった。つまりデザインとして木材を楽しむ利用法だ。

たしかに磨き丸太に、天井を支える構造材として期待することはあまりない。鴨居に耐震性を要求しても仕方ない。

そして、私がかねがね強調しているように、木材の最大の価値は強度などの機能ではなく、人間の官能に訴えるものなのである。視覚、触覚、嗅覚……また一部に聴覚もあるだろう。そしてストーリーという記憶もあるのではないか。

言い換えると、人の官能を刺激する素材であり、必要性より嗜好性である。欲しいと思ったら、益不益を越えて高値でも購入する。

その代表例が、役物ではないか。

ただし、役物イコール磨き丸太と考えなくてもよい。ようはデザインにより嗜好性を高めた木材商品だ。

そう考えると、木材の用途は、今こそ役物なのである。

もともと、役物の起源は茶の湯だと言われている。千利休などが、茶室をつくるのに雑木や曲がり木を使用したのだ。いわば欠陥材を感性で活かした。それは書院づくりのような大径木が使えず、当時は節だらけで、細くて、曲がりくねって、皮つき……を選んだ。反骨精神から建築に向いていないとされた木を茶室に持ち込んだ。

今こそ「売れない」とされている木を、高く売れる「役物」に変身させられる可能性がある。その鍵は、単にデザインに凝るのではなく、ブームを起こすマーケティング戦略と、販促戦術にある。

それは、ユニクロなり、AKBなりに学んでくれ。

2013/08/20

生駒山にキリンはいるか?

ヤフー!ニュースに執筆しました。

シカ、イノシシ、そしてクマ! いまや日本は野生動物の楽園?

この記事を書いた後に思い出した。

以前(多分20年くらい前)、生駒山でトラの子の目撃例があったのだ。

深夜にスカイラインの駐車場にいたという。大騒ぎで捜索したところ、檻とともにフェレットやワラビーカンガルーやら大型犬、ネコ……などが見つかった。どうやら飼育していたマニアが捨てて行ったらしい。トラは見つからなかったが、仮にいても子供なら生き延びられないだろう、ということで決着がついた。

もしかしたら、人知れず捨てられたキリンやゾウが生き延び、生駒山のそこかしこで繁殖しているかもしれないよ(^o^) ナイナイ

2013/08/19

3Dプリンターの素材

3Dプリンターが騒がれている。

ものづくりの現場をガラリと変えるかもしれないと、戦々恐々な人、あるいはチャンス到来と虎視眈々狙っている人もいるだろう。

私は,いま一つ原理がわかっていないのだが、ようするに3次元スキャンして、その形を再現できるらしい。どんな複雑な形……たとえば金型でも、これで簡単につくれるようになるという。またスキャン・データさえダウンロードすれば、自宅でものづくりてできるという。その意味では、メーカーの仕事は激減し、また宅配など流通業も影響を受ける。パソコンと3Dプリンターさえあれば、買物せずに自分でつくるのだ……。

ま、そんなに上手くいくもんかね( ̄ー ̄)。

実際のところ、3Dプリンターでつくるのはカメラの写真みたいなもので、印刷機ではない。1枚1枚違ったアングルの写真をプリントするように、モノをつくる。大量生産に同じものを刷るのは向いていず、スケールメリットも生まれないから、高くつくだろう。

ただ、ここでものづくり問題を論じるつもりはなく、気にしているのはプリンターがつくるモノの素材だ。自宅でモノがつくれると言っても、その素材は用意しなければならない。たいてい粉状、粒子状のものを接着?することで形をつくる。砂と接着剤を素材にすることもできるらしい。今はほとんど合成樹脂だそうだ。

つまり、プラスチックや金属など複雑な部品の寄せ集めであるモノも、3Dプリンターでつくると、全素材は同じものになってしまうのではないか。

もし、この手のものづくりが普及すると、重要なのは、素材になる。これまでものづくりは職人の腕、あるいは製造機械だと言っていた部分は吹っ飛んで、3Dプリンターで使える材料が重要になるのだ。

もしかして、マテリアル復権?

そう言えば、福岡の某金属メーカーが、竹を粉にして樹脂と混ぜてつくった新素材を開発した。これは熱耐性の数値が従来の石油系樹脂の倍になり、形状変化も起こらないそうだ。こんな材料を3Dプリンターに使ったら、超優秀な機械部品の製造も可能になるだろう。

木材も、この分野に参入したらどうだろう。それで何をつくるか、ではなく、素材にしなければならない。具体的には木粉と接着用の樹脂混合物だろう。製材とか、集成材、合板なんかドーデモよくなるかもなあ。3Dプリンターで木目まで再現した商品をつくればよい。

ただ木材の用途は一点ものが比較的多いから、そこを狙ったら3Dプリンター材料に向いているかもしれない。

2013/08/18

「八重の桜」のオープニング映像

NHK「八重の桜」も京都編に移り、悲壮な八重がいよいよ溌剌としてきたが、8月に入ってもう一つ変わったところがある。

それは、オープニング映像。もともと「八重の桜」のタイトルとともに流れる映像の中盤は、月変わりしており、そこではアート的な映像になる。初動だったり、墨絵だったり、染織物だったり……

そして8月は、なんと森の映像である。美しい森……とはいっても、やはりアーティステックな演出がされており、途中から森の中にブラウン管?のモニターが登場して、自然の中に異物! という感じが心をざわつかせる(笑)。

Photo


こんな感じ。樹林のところは撮り損ねた。

モニターには、同じ森が映し出しているようだ。

ちょっと調べると、撮影は東京都日ノ出町のホオバ沢林道というところで行ったそうだ。

それでも、じっと画面を眺めると、この森はあきらかにスギ林だ。あんまり林齢 は経っていないようだが……勘では20~30年くらいかな。ただし、スギ木立の下というか林間には、広葉樹が生い茂っている。スギより多くあるんではないか。下草も深いなあ。
なんとなく、近くに渓流がありそうな雰囲気。草も湿気の多いところに生えそうなものだ。

若い頃の間伐は行ったが、その後はあんまり手入れしていないでしょ(^o^)。

もっとも、針広混交林ぽくもある。

画面の動き方からは、森にカメラを持って分け入ったのではなく、林道沿いで撮影したのではないか。

20秒ほどの映像で読み取れるのはこれくらいかな。当たっているかどうかは知らないけどね。

2013/08/17

覚書・皆伐の定義

たまたま開いた林業書にドイツの森林作業法について解説しており、皆伐の項目があった。

覚書のつもりで記録しておく。

ちなみにこの本の出版は1993年になっているということは、筆者が調査したのは、その数年前と推測できる。まだドイツが近自然林業に転換し切っていない頃だろう。だから皆伐に関する項目もある。

そこに中部ヨーロッパの皆伐を面積別に分類していた。

50ヘクタール以下      巨大皆伐          風害、山火事など災害時の例外

5~50ヘクタール       大面積皆伐       例外

1~5ヘクタール        皆伐                 一般的 

1ヘクタール以下                小面積皆伐       一般的

各地の営林署長による皆伐の定義(平均)

最大面積                 国有林最大1,1ha     州有林 1,1ha  民有林 1,8ha

皆伐と認める面積     国有林0,5ha      州有林 1,1ha  民有林 0,4ha

これでは、日本の皆伐はどうなる。100ヘクタール、200ヘクタールとあるのだから巨大皆伐以上である。メガ皆伐とか、狂気の皆伐とでも呼ぼうか。
また数十ヘクタールが一般的だから、ドイツではみんな「例外」扱いである。逆に1ヘクタールなんて皆伐扱いしないところも多いのではないか。

日本の森林のグランドデザインをつくるのなら、真っ先に大面積皆伐(ドイツ式なら5ヘクタール以上で大面積だが、せめて保安林の20ヘクタール以上)の禁止を入れるべきだと思うが、まったく提言にさえ入らない。ああ。

……やっぱり林業って、自然破壊産業かなあ。

2013/08/16

ユニクロ・ブランドの位置づけ

昨日はホームセンターを舞台にしたから、今回はユニクロを題材に考えてみた。。。。

ユニクロ」は、説明するまでもないが゛ファスト・ファッションの雄だ。同じ業界でありライバルに当たる「しまむら」と違って、全商品を自社ブランドで製造販売している。それゆえ、ユニクロ・ファッションと呼ばれるような独特のテイストを持った衣料品が世間に広がっている。

正直、私はユニクロをそんなに好きではない。あまり買わない。ただ、ベーシックな品が多いだけに、使い回しができる。それに、やはり品質に比して価格は安い。

ファスト・ファッションは安くて大量に出回るような衣料だが、単に安いだけの品は日本ではあまり受け入れられないようだ。(イオン系列などには、同じような品で価格はユニクロより安い衣料もある。)その点、ユニクロは、縫製や布地の品質、さらにデザイン、機能性など、かなりのレベルに達している。
かつてのユニクロは、まさに安かろう悪かろう的商品も目についたのだが、今では一定以上の品質を維持しているように感じる。

品質と価格のパフォーマンスがよい、というのが私なりに分析したユニクロの位置づけだ。

同じことを「無印良品」でも感じる。無印良品は、元は西友のプライベート・ブランド、つまりメーカーではなく小売店のブランドだった。イオンのトップバリューと同じ。
ようするにメーカーのブランドコストを抑えて安くできるのがPBの特徴なのだが、いまや安さが売り物ではなくなっている。商品構成やデザインに独自性を出しているし、価格もさほど安くない。同等の機能を持つ商品なら百均ショップにもある。だが「無印良品」自体がMUJIブランドとして強みを持ってきた。

ユニクロも無印良品も、いまや安さだけが売り物ではない。質はそこそこ高く、デザインなどに統一性をもたせてブランド化し、でも基本は大量生産品だから価格も品質と比べたらお得感がある。だから売れているし、利益も上げている。

……流通アナリストのように何を論じているかというと、木材商品も、今後はこの路線を狙うべきではないか、と感じたからだ。

現在の林業は量ばかりを追求して、価格の下落を招いた。これではいくら国産材が出回り、木材自給率が上がっても、利益が出ない。喜ぶのは採算度外視で目先の目標数値ばかり追いかけている官僚と、量で利益を出す大手製材所くらいではないか。その陰で林業家も山村も泣いている。

そこで質の林業を、高付加価値の木材商品を、というと「役物なんて、イマドキ売れない」「高価格商品は、わずかしか売れない」という反論が(主に林野庁関係者から)寄せられる。
木材の高価格商品イコール役物なんて発想は時代遅れだが、たしかに利益率が高くてもたくさん売れないと、総利益は大きくならない。結局、儲からない。山元は泣くしかない。

そこで、狙うべきなのはコスト・パフォーマンスのよい品である。ベーシックな質を高めつつ、価格はそれに見合って高く感じさせない木材商品の開発だ。量は十分捌けて、利益率もそこそこよい品。

たとえば割り箸でも、中国産の1膳0,8円の元禄は安かろう悪かろう、だ。しかし、木目の良さを感じる国産杉天削を1膳20円で売るのは、品は良くても高すぎる。狙うべきなのは、国産で品質を感じさせつつ、せいぜい5円程度の割り箸だろう。これなら、量も出て利益率も悪くない。

どうやったら、喜ばれる品質と価格を達成できるか。

そのモデルが、ユニクロであり無印良品ではないか……と思った次第。回りくどいかなあ(笑)。

2013/08/15

ホームセンターの「銘木」

暑い日は、涼しさを求めてショッピングセンターへ……。

そこは俗に言うスーパーセンター、つまりスーパーマーケットとホームセンターが合体した巨大施設であった。ホームセンターに行ったら、木材コーナーを覗くのが性である。

じぇじぇ!

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こんなコーナーがあった。

ホームセンターで、銘木。それも磨き丸太

それも凸凹木肌の絞り丸太や、カビによる斑模様の錆丸太まである! ああ、節丸太も……。

いまや絶滅危惧種(~_~;)の役物がホームセンターで見られるなんて。

これ、やはり「じぇじぇじぇ!」なのであった。

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これは、単に細い杉丸太棒と言われればそのままだが、
海布丸太」と呼べば、垂木などの銘木になるし、
銭丸太」と呼べば、吉野林業の初期に生み出された間伐材商品だろう。

おそらく植林10年以下の間伐だから、今なら切り捨てになりかねないが、本来は商品化したのだった。

もちろん単に杖にしてもいいが、もっと斬新な使い道はないかねえ。健康器具として売り出すとか。あるいはプレカットして、丸太を組み合わせて棚になる商品とか。子供のジャングルジムとか。

さらにこんな小物も並んでいる。

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よく見ると、コブシの木の丸太とか、磨き丸太の端材

渋いぞ。面皮半割なんて……。

銘木と言っても、この手のものまで並べるのは、ホームセンターならでは、というか面目躍如かも。

いずれも吉野のメーカーの品だった。ホームセンターに出展を要請する、あるいはホームセンター側から買い付けたのかどちらか知らないが、勇気ある品揃えだ。

売れているのかどうか。ホームセンターで磨き丸太を買って、自分で床の間を作る人なんて、まずいないだろうから、何か別の用途を想定しなければ購入しないだろう。アイデア勝負であり、デザイン勝負。さて、何になるか。家具? インテリア? いっそ、磨き丸太を使った洋室やデッキを開発してくれい。。。。 

ある意味、DIYの本領発揮ではないか。

どうせなら、店側もどんな斬新な利用例があるか展示すれば、DIY愛好家の創作心を刺激するだろうに。

役物は売れないと言われて久しいが、それは違う。役物、銘木とは素材にすぎない。売れないのは床の間であり床柱なのだ。素材を商品にするのはビジネスの基本だ。

その点、ホームセンターでエンドユーザーに提供して使い道を考えてもらう戦略は、新しい可能性につながるかも。

2013/08/14

記事「特殊林産の普及」の提言

某雑誌で、「特殊林産の普及という記事を見つけた。

特殊林産物、つまり木材以外の森林および樹木生産物と考えたらいいだろうか。これは「経営の多角化、収益の増大を計る適切な副業」と紹介している。それは幕藩、つまり江戸時代から奨励普及されてきた。

一例として、会津藩では7木(カヤ、クルミ、ホオノキ、キリ、クリ、シバグリ、ウメ)を選んで保護策が取られたという。

それが社会経済情勢の変化で急速に落ち込み、いまや篤志家が引き継いでいるにすぎない……とある。

そして各林産物の現状を論じている。

まず木蝋。ハゼの実から取る油脂である。残念ながら石油からの合成蝋に取って代わられてしまった。

桐油は、アブラギリの種子から取るもの。代替えの油の研究が進み、減産している。

松脂。成分のロジンとテレピンは工業原料として非常に重要で需要も拡大しているのに、減産されて輸入品に頼るようになっている。

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シュロ皮
。シュロは温帯性ヤシ。その幹に独特の網目状の繊維皮が形成される。

強靱で漁具やロープ、マットなどにもってこいだが、やはり輸入品や合成繊維に押されている。

ちなみにシュロは、網目状の皮以外に、その葉そのもの、もしくは葉の繊維も、細工ものに利用される。

観葉的な価値もあって、昔は、一軒に1本植えていたものである。

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ウルシ
。伝統的な漆器など高級美術工芸に必要なのに、品質の悪い輸入品にやられてしまった。輸入品の成分は、日本のウルシとは違っていたりする。

ウルシノキの樹液は、写真のように傷をつけてにじみ出したものを掻き取る。

最初の傷から上へ、下へと一週間毎くらいに掻いていく。約3か月掻いたら、その木は切り倒す。

 

今後の可能性として上がるのは、シイタケ、クリ、クルミ、キリ(材)、タケ、タケノコ、タンニンアカシア、ナメコ、マッシュルームなどなど。

ほか、名前だけなら、ツバキ油竹皮、アベマキ皮……と統計資料に並ぶ。

が、普及という面では次のように論評している。

栽培、生産に当つて技術的改善を要することはいうまでもないが、最も需要なことは、それは産物の確実なる販路と内外需給の現況をよく見きわめ、さらに将来における動向を把握して、実行に際しては、生産並に出荷機構の共同化を計ることである。」

実に、納得してしまう。需給と販路を考えない産物は、衰退するのだよ。

問題は、この雑誌、今から50年前に発行されたものであるということだ。今と事情も対策も同じなのである……。

2013/08/13

野生の王国

本日は、寄生虫もとい帰省中の娘におつきあい。

と言っても、何も予定が入っていないというから、ドライブに連れ出した程度なのだが……。

時間的にも行き先は、生駒山周辺(笑)。

途中、生駒のアソコには乗馬クラブがあって馬見学ができること、ニホンザルを飼っている人がいること。さらに山の中にエミューが飼われているのを発見したとか、山頂に行くと白蛇が見られるとか、動物話に。もちろん、最近はイノシシが町中に出没するし、タヌキやイタチなどは珍しくもない。ヤギやヒツジも、もちろんいる。生駒山は、野生・飼育ともに動物の種類は豊富なのだ。

そこから娘の大学の山に野生のシカが出没する話になり、野生サルも出るらしいとか。

「どんどん日本の夏も暑くなってきたから、もう少ししたらゾウやキリンも出てくるなあ」

ワンテンポ遅れて、「そんなアホな」。

……ちなみに生駒山からは少し離れるが、近くの山中で本当にキリンやラクダやクジャクを飼っているところがあるんだよ。これ、本当。

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写真は、生駒山中にあるウォータージャンプ場。

見学していると、なかなか涼しげであった。

一応、娘の肖像権保護のため、顔は塗りつぶしました(笑)。

2013/08/12

ヤフーニュース「なぜ、森好きはスピリチュアルにはまるのか」の写真

ヤフー!ニュース個人に「なぜ、森好きはスピリチュアルにはまるのか」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130812-00027197/

を書きました。

写真に使ったのは、日比谷公園の首かけイチョウ。有名だが、少し説明しておく。

このイチョウは、もともと日比谷見付(現在の日比谷交差点)にあったそうだが、道路拡張の際に伐採されることになった。それを日比谷公園を設計した本多静六林学博士が、移植を申し出たもの。これだけの巨樹だから、移植したら枯れると言われたのを「私の首を賭けても移植を成功させる」と言ったため、「首かけイチョウ」の名がついた。1901年のことだ。

それから100年あまり、イチョウは枯れていないから本多氏は賭けに勝ったことになる。

とはいえ、ここまで由来がはっきりしていて、しかも植えられた場所が明るい公園のレストラン前。全然、謎に包まれた神秘さも、霊感漂うドラマチックな歴史的由来もない。

それでも、パワースポットになってしまったのである。

そういや、同じく本多氏が設計に関わった明治神宮の杜の中になる泉「清正井」も、パワースポット扱い。本多氏はパワースポットの設計者であったか!

2013/08/11

私のワクドキした森5~生駒山麓

暑い日が続くと、小学生の頃の夏休みはどのように過ごしたか思い返す。

あの頃は、とにかく外で遊ぶものだった。今は熱中症に気をつけて、と外に出ないように指導するらしいが。。。

そこで、ワクドキ森の最終回?として、やっぱり取り上げるのは、生駒山にしておこう。

私は子供の頃は、生駒山の大阪側で、大人になった今は奈良側の山麓に住んでいる。だから生駒山の裏も表も知っています……というのが、決まり文句なのだが、思えば生駒山は山頂をめざす山ではなく、山麓こそがワクワクドキドキする空間だった。

虫取りもしたし、秘密基地もつくった。「探検」もした。

山麓には、何かがあった。単に樹木の繁った森ではなく、人の気配を感じるものが、どこに行ってもあったように思う。

とくにワクワク、ドキドキの対象なのは、古墳群だ。生駒山の大阪側の山麓は非常に古墳が多い。なかでも山畑古墳群は、100近くの大小古墳が密集している。今では東大阪市立郷土博物館が建てられて、それなりの展示もされているし、古墳もいくつかは見られるように整備されている。

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山畑21号墳。

わりと大きくて、保存もよい。

もっとも今は、昔のようなオドロオドロしさがなくなったなあ。

しかし、私の子供の時代は、まったく放置状態だったのである。とりあえず発掘調査されたものは、そのまま石の羨道と玄室が口を空けている。入り放題。よく中に入って遊んだ。

もっとも、その中にはマットレスを持ち込んで住んでいる人もいて……(今ならホームレスと呼ぶのだろう。)狭い羨道を匍匐前進で進むと、広い玄室に出たこともある。しかも天井の一部に隙間があって、光が差し込んでいた。秘密基地に絶好! ところが、次に行くと、もう見つからないのである。。。

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玄室の奥に座って眺めると、

目の前に住宅が見えるのね……。

ひんやり涼しいが、ちょっと湿っている。

思えば、小学校の拡張・校舎建替工事で地面を掘り返すと、縄文土器がゴロゴロ出てきた。それを工事が終えた夕暮れに忍び込んで破片を拾い集めるのが楽しかった。たくさん集めたのに、引っ越しの際に父に捨てられたのが、今でも恨みに思っている。
今、手元にあれば、結構貴重なんだけどなあ。

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こんな土器が、学校のロビーに飾ってあった。

縄文の住まいや墓も出土したはずだ。

ほかにも弥生式土器も出たし、その後の古墳時代の土師器、須恵器も出た。この当たりは、奈良側でも出て、私の盗掘した土器コレクションもあるぜよ(⌒ー⌒)。

ともかく、8000年くらい前の縄文時代より、古墳を造った河内王朝? そして奈良時代から現代まで生駒山麓には人が住み続けてきた。

そんな古代の人々の息吹と痕跡を感じる森だから、ワクワクしたのだろう。

ワクドキした森としては、ほかにも温泉が湧き煙噴くロモンの火山の森とか、怪獣探したニューギニアの森と湖とか、焼畑やったボルネオの森とか、陸軍の地下基地が広がっている森とかいろいろあるけど、やっぱり子供の頃の思い出が一番だよなあ。

2013/08/10

私がワクドキした森4~小笠原・母島

いつまでたっても、ドキドキした森ばかりで、ワクワクした森が登場しないじゃないか、という声(そんなのあったか?)に応えて。

正真正銘、酷い目・怖い目にあったのではなく、ワクワクするような思いをした森はどこか。

考えた末に浮かんだのが、小笠原諸島母島の石門であった。

最初に訪れたのは、大学四回生のときか。探検部では前年のボルネオ遠征を踏まえて、まったく新しいフィールドに挑戦するために選んだのが小笠原諸島であった。

今と違う。一応、観光客は誘致していたけど、極めて素朴な土地であった。とくに母島は、絶海の孤島的イメージの濃い土地だ。商店は2軒か3軒しかなく、船も少ない。人口も300人くらいだったか。テレビはもちろん、ラジオの電波も届かない。むしろグアムの放送が入ったりした。ニュースは、一週間遅れか、船のファックス通信だけである。

なかでも石門地区は、道もほとんどない亜熱帯性ジャングルで、しかもカルスト地形日本では非常に珍しい地形である。たしか国立公園の特別保護区に指定されたんじゃなかったっけ。

相当珍しい固有種の動植物、昆虫もいっぱいいた。事実、我々は、特別天然記念物のアカガシラカラスバトを目撃している。

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頭が隠れてしまったが……。

ほかにもオガサワラノスリやメグロなどもよく見かけた。オカヤドカリもいたなあ。

そこに特別許可?をもらって、探検したのである。

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これはクワノキ。かつて母島のクワノキは、盛んに伐られて木材として出荷されたらしい。だから、今は絶滅危惧扱い。
この木は、コブがついているから伐採を免れたのか。


石門ジャングルは、昼なお暗く、あちこちにカルストの奇岩が林立し、不思議な植物が満ちている。まさに探検気分を味わえたのだ。しかも、この探検は自分で立案し、すべての交渉から事前調査まで自分で行ってきたという自信。これこそがワクワクドキドキを生み出していたのかもしれない。

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シマオオタニワタリという着生植物をいっぱいぶらさげた木の下に、洞窟はあった。

発見しました。巨大洞窟を。今は石門洞と名付けているが、単なるくぼみで「ブタ穴」と呼ばれていた。何でも、昔、野生のブタが住んでいたらしい。

この穴の底を調べると、わずかに三角形の穴が下に開いていることを確認する。そこで石をどけ、周囲を広げると、フラスコ状に地下空間が姿を現した。そこに降りて、どんどん潜っていくと、やがて地下に巨大宮殿が。針天井の間と名付けたツララ石がびっしり垂れ下がったホールがあったのだ。

洞内に不吉な気配……。見ると、床は骨だらけだった。これこそ、幻のオガサワラオオコウモリか? それとも……。

とまあ、洞窟探検は続き、今考えても結構大きな発見をしている。大量の骨の正体といい、地下水脈といい、まさにワクワクしぱっなしであった。

我々の発見後、いろいろ調査が入ったらしく、ここを調べて論文を書いた人もいたらしいが。こちらは森ではないので、省略する。

しかし、毎日がワクワク。危険もあったし、この森で野宿もしたのだけど、未知の発見続きにワクワクし放しであった。

ただし、現在は、石門の森林は台風にやられて、かつてのジャングルの雰囲気はないと聞く。しかも観光開発されてしまって、観光客が気軽に入るそうだ。

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ちょっと寂しいし、自然保護の観点からも大丈夫なのか心配だが、基本的に発見した後は、私の手を離れたものだから、関心はそんなに強くない。

やはりワクワクするのは、未知の世界でしょ!



ちなみに当時の写真を発掘すると、色あせているのが残念だ。でも、なぜかいっぱい写っているオネエチャンたちが気になる。行きの船で一緒になった女子医大生二人は、今どうしているだろうなあ。どこかで医者をやっているだろうか。民宿で会った真理ちゃんは、その後結婚したと聞いたけど……と、青春を振り返るのであった\(^o^)/。

2013/08/09

私がワクドキした森3~青木ヶ原樹海

夏向きの森の思い出話をと書き出したワクドキ森シリーズ。

なんだか海外の、それも豪雨にやられた話ばかりになっている。もうちょっと身近な、日本の森はないのか?

と考えて浮かんだのが富士山麓の青木ヶ原である。一般に樹海と呼ばれ、自殺の名所とか磁石も狂い、一度入ったら出られないとか。

私は、学生時代を中心に何十回と訪れている。おかげで、さまざまな体験もした。迷ったこともあるよ。迷ってみようと森に入って、本当に迷ったんだが。

が、実のところたいした森ではない。磁石はほとんどのところで効く。磁性を含んだ溶岩のあるところでも、岩の上に方位磁石を置かないと狂わない。登山道や農道、車道もアチコチに走っていて、道のない森に踏み込んでも、まっすぐ歩きさえすればどこかの道に出る。数百年前の噴火の際の溶岩の上に成立した森だから、まだ若く大木もない。木の背丈が低いので、あんまり暗い森にもならない。

ただ平坦だから見通しが効かない。溶岩大地には割れ目や噴気孔(洞窟)も多くて、ヘタに歩くと足を奪われる。また水場もない。大木がないぶん、ブッシュになっていて進みにくい……と、それなりの怖い要素はある。

そこで、樹海の中を、もっとも長く歩く(途中、登山道などを横切らない)ルートを選定して、横断を企てた。

これは探検部としての合宿である。いつもは「避暑」といって青木ヶ原の中にある洞窟に出かけていたが、その年は横断にしたのは、その夏ボルネオに出かけてジャングルを歩く計画だったから、その予行演習も兼ねていた。
ただし隊長を新人にした。入部間もない新人に歩くルートを選ばせたのである。まあ、訓練の一環だ。

でもって、よたよたと青木ヶ原に踏み込んだ。新人は地図とコンパスで予定していたコースを進めるか。バックシートドライバーのごとく、うるさい上級生が後ろから口を出すのだが。

実際に歩くと、本当に前方が見えない。凹凸もわからない。だから地形で判断することができない。まさにコンパスで方向を決めなくてはならなかった。
ときに、木々にはテープが巻いていたりする。これは、自殺者の死体回収に入った捜索隊の残したものだろう。ここで死体と出くわしたら、結構ハードな経験になるのだが。幸いにして?見つからなかった。(先輩の中には遭遇したケースもある。)

なかには習志野空挺師団の標識を見つけることはあった。ここで自衛隊も訓練しているのだなあ。

日が暮れ始めたので、野営地を選定した。訓練ゆえ、大きなテントは持ち込まず、個人用など小さなテントに分散する。食事もレトルトなど簡便なもので済ませた。

つい、新人相手に怪談などを話して盛り上がる(^o^)。

さて、寝ようと思ったら、遠吠えが響いた。犬がいるのだ。

実は、富士山麓は捨て犬が多い。狩猟犬もいる。飼い主とはぐれたのか捨てられたのかわからないが、やがて野生化し、ときに二世を生み、かなりの数のノイヌがいると聞いていた。そして集団で狩りをするのだそうだ。ウサギやシカなどが獲物だ。ときに牧場を襲うこともあるという。

野生化してオオカミのごとく凶暴になったのか。しかし、樹海の中で。狙うのは何か?……人間も餌としているのか?

気がつくと、キャンプ地の四方八方から犬の吠える声が聞こえた。何匹、いや何十匹いるんだ? ここを狙っているのか?

「囲まれた!」

一人のこの言葉で、いきなり恐怖にかられた。おい、みんな武装しろ。

ナイフを手元に。こん棒を用意するもの。ひゃあ。焚き火はできない。ライトでは長持ちしない。

まんじりともしないまま、深夜まで過ごした。ようやく鳴き声はおさまった。しかし、テントの中でも武器を枕元に置いて、朝を待ったのである。

やっぱり青木ヶ原は怖かった。

2013/08/08

私がワクドキした森2~ボルネオ・ムル

ベララベラ島の次にワクワクドキドキした森を考えると……

やはりボルネオが頭に浮かぶ。そもそも私が初めて歩いたジャングル(熱帯雨林)は、ボルネオのサバ州なのだ。

それは大学生の時だが、マレーシア連邦サバ州学術調査隊を結成して、デン半島に入った。目的は、野生のオランウータン観察である。そのために半島横断を掲げた。

この体験は強烈だったが、今回は外す。この調査隊は、サバ州の森林局に申請して許可をもらい、ゲームレンジャー(狩猟官と訳すが、意味的には森林保護官だろう。森林の監視などを行う)が二人同行した。この時は伐採キャンプに居候させてもらって、ジャングルも彼らの案内で歩いた。

むしろ、思い出として残るのは、ずっと後、1993年に訪れたボルネオである。それはサバ州ではなく、サラワク州

こちらは取材である。ただし、テーマはリゾート(^o^)。

サラワク州の奥地のムル国立公園に、豪華なリゾートホテルが建設されていた。まだ完成前のセミオープン時だったが、運営を手がけたのは日本のリーガロイヤルホテルである。ムルは、世界屈指の大洞窟があり、世界遺産にもなった。今では非常に有名な観光地になっている。

ここをどこよりも早く取材して記事にする……という魂胆で、訪れたのだ。これで旅費を稼いで、ほかの個人的興味を持つジャングル取材を行う予定である。そこで賛同するカメラマンと一緒に出かけた。

当時、すでにムルには小型機による空路が開かれていた。逆に海沿いの都市とつながった道はない。

飛行機を使うと簡単だ。しかし、それでは面白くない。そこで、川を辿る旅を企画した。ラジャン川を遡って、ムルに着くルートがあるらしい。

そこで河口のミリの町からマルディに向かい、そこでムル行きの船を探した。ムル・リゾートに行きたいというと、「これに乗って……したらいい」と言われて紹介された。小さな乗合ボートのような船だ。よく聞き取れなかったが、とりあえずゴーだ。

そこに乗り込む。最初は赤茶けた大河を上流へ向かう。やがて細くなり蛇行を繰り返す川へと入っていく。時間はかかるが、ご機嫌だった。景色がどんどん変わるから飽きない。川は熱帯雨林に毛細血管のように入り組んでいる。この血管をたどって熱帯雨林を眺めるのは、実に面白い。船に乗り合わせた人々とも楽しく過ごした。

が、突然下ろされるのである。

そこは木材伐採キャンプ? なんと、ムル・リゾートに行きたければ、ここから車だというのだ。え、川で直接たどり着けるのではないのか。(リゾートは川沿い)

どうやら川筋が違うらしい。伐採用の林道は、ここから飛行場とリゾートに延びているという。しょうがなく下りて、キャンプで交渉して車を出してもらうことになった。代金も決まる。四駆のトラックである。

ところが、この頃から空の様子がおかしくなった。豪雨なのだ。いやな予感がした……。

トラックに乗って我々は出発する。ジャングルを切り開いた林道を走る。が、豪雨で林道は泥の海になっていた。アップダウンのきつい道だ。

とうとうトラックはスリップを始めた。急な上り坂を登れなくなったのだ。四駆だぞ、頑張れ!

が、ずるずると下がる。みんな下りて押す。空回りする後輪からドロが吹き上がり、全身を襲う。

どうしてもダメだった。すると「ここから歩け」。

おいおい。雨の中だぞ。しかもドロの林道だぞ。迷ったらどうする。

いや、一本道だから大丈夫だという。しかも、ここまでで金も払えという。

その後、ゴタゴタ揉め続けた。カメラマンは泣きそうであった。一緒に旅してわかったのだが、彼は海外旅行が初めてだったのだ。最初の海外経験がボルネオのジャングルなのだ。いや、無理に引っ張ったわけじゃないけど。本人が行きたいと行ったのだよ。
でも、いきなりのトラブルはきつかろう。

カメラマンのキャンプ地にもどった方がいいという泣き言を私は却下して、歩くことにした。トラックは帰った。

ザックを背負って何時間で着くか……。途中、カメラマンがバテたので彼のザックを自分のザックの上に乗せて縛り、歩いた。アップダウンのずるずる道を雨に濡れつつ歩いた。

なんだか、晴々した気分。この頃はトラベルはトラブルとうそぶき、楽しむ余裕があったのかもしれない。(今はイヤだよ)

林道という人工物を歩くのだから、森の中とは言えないけれど、圧倒的なジャングルの広がりである。わりと高地だから、雨が霧となり、ずっしりと身体を包む。
四駆が通れないのだから、車が通り掛かることもあるまい。もちろんヒッチハイクもできない。日が暮れてきた。朝都会のホテルを出て、その日のうちにこんな目にあうとは思わなかった……。

が、歩けば前に進めるのである。ついに曲がりくねった道の奥に瀟洒な建物が見えてきた。これが、ムル・リゾートか!

たしか橋を渡ったと思う。

どろどろ、びしょびしょの姿でホテルのロビーに入った。

「ユーアーウェルカム!」

ホテルマンは笑顔とウェルカムドリンクとタオルで迎えてくれた。。。。

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この写真は、3年前に再訪したロイヤル・ムル・リゾート。
豪華なホテルとなり、世界中から観光客を集めている。


この頃は、写真をポジで撮るようになっていた。だからカラーだが、簡単にスキャンできずデジタル化が難しいんだなあ。

この経験もワクワクではなく、ドキドキか。。。

2013/08/07

私がワクドキした森1~ベララベラ島

はっと気がつくと、引きこもりになっていた。

いや、家からは一応出ていますがね。ピタリと取材に出る仕事はなくなり、1日の歩行数は3000歩どまり。そして、うだうだ考え事ばかりしている。森がどうした、林業がどうした、山村がどうなる。地球の存在から人生を振り返り、今後の生きざまに惑い、老後を心配し、愛とは何か人とは何か、ついでに世界平和についても考えようか……と内向的になってしまった。

気がつけば、夏だ。盛夏だ。猛暑だよ……。

小難しいことは少しお休みして、夏らしい思い出話を披露しよう。

そこで、先に記したテーマからの連想で「森でWAKUDOKI」した体験談を。

これまでの人生を振り返って(またかよ)、もっとも強烈な印象を持つ森はどこだろうか。

幼いときに遊んだ森から、先日訪れた森まで検索し、見事浮かび上がったのは、ベララベラ島だった。

ソロモン諸島ウェスタン州にある島である。おそらく大きさは小豆島くらいではないか。
私は20代の頃に、この島のランブランブという集落に私は滞在したことがある。

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ランブランブで居候していた小屋。

なかなか快適な家だった。そして村人には、本当によくしてもらった。

そこから北にカヌーで小一時間海をわたって、ロピ川の河口に到達する。そこから上流へと数時間奥地に踏み分け跡をたどって着いた森に、私は5日間過ごした。

もちろん、熱帯雨林である。それも現地の人も滅多に来ない奥地だ。

なぜ、ここで過ごそうと思ったのか。

実は、ベララベラ島には、旧日本兵が今も生きているという噂が伝わっていて、日本から捜索隊も幾度か送られていた。そして微妙な痕跡を発見している。もう20代の兵士が島に残留したのなら、当時で70代。生きていられるギリギリの年齢だろう。

もともと熱帯雨林の中で過ごすのは子供の頃から憧れで、ソロモンで体験してみたかったが、せっかくだから旧日本兵探しとドッキングしたわけだ。

たった一人でジャングル生活とは、どんなものか。

やはり壮絶だった。

まずテントを張った。小川から少し離れた高台にした。川の増水も大丈夫だろう。そこで次は、焚き火だ。ところが、ありとあらゆる木々や草まで湿っている。枯れ木・落ち葉までも燃えないという苦労からスタートした。それでも、なんとか火を起こし、炊事も行った。

さて、明日に備えて十分に寝よう。まさか旧日本兵が訪ねて来たりはしないだろう……。

深夜から、突然の土砂降りとなった。すさまじい雨だ。それでも、テントの防水は完璧、と思っていたら、なんと斜面を流れ落ちる雨水がテントの中に流れ込んだのだ。いきなり川が出現した。仰天して、ザックに濡らしてはいけないものを詰めて、膝の上に置き、テントの中で中腰になった。その足もとは水に浸かっているのである。

明かりは、ヘッドランプだけ。これをずっと点けていたら朝まで持たないから消す。真の闇の中で、テントを打つ雨音と足元の水の感触だけを感じて過ごす。中腰のため疲労で筋肉がギシギシと鳴るようなつらさ。着ている服はびっしょり。

雨も一過性のスコールかと思ったが、簡単には止まず、結局朝まで降り続いた。ようやくテントから出て白んだ曇り空を見たときは、「生きてた!」と思ったよ。

それでも、翌日からジャングル探索を始め、道なき道を分け進み、巨岩が転がるロピ川上流部の探検を行った。迷ったり転落して怪我をしたら確実に遭難だ。誰も助けに来ないだろう。旧日本兵以外は。

そして、なんとか5日間を過ごした。

帰途が大変である。体力は落ちている。帰り道はわかるだろうか……。そのうえ湿気で身の回りのものにカビが生えた。カメラレンズにも生えた。そして身体の一部にも生えたのである。幸い、現地人が迎えに来てくれて、無事撤収できたが。

が、その後私はランブランブで病に倒れて、病院のある島に渡るため、嵐の海をボートで出て漂流するのだが……。

やっぱり、あの時の森が、人生最大のドキドキ(ワクワクとは言い難い)だったかも、と今振り返って想うのである。

2


これが豪雨から一夜明けたテント。

後に、ニッパヤシの葉を集めてきて、テントの周りを覆って雨対策をする。

本当は高床式にしなければならないのだけど、さすがに無理だった。


Photo


焚き火に四苦八苦する様子。

当時の写真を探し出すと、モノクロだった。カラーは色褪せるし、印刷に回すことを考えたらモノクロがよいと判断したのだったなあ。

2013/08/06

森の言葉~地木結合論にもどれ

また覚書。

森林の扱い方の思想を追いかけていると、ステキな言葉が次々と登場する。

もっとも大胆で強烈なのは、やはりゲーテだろう。

自然は常に正しい。もし誤るとしたら、それは人間が間違えたからである」。
いわゆる森林ロマン主義の根幹的思想だ。

そして、ゲーテに影響受けたコッタは、

森づくりは、なかば科学、なかば芸術である
コッタ自身は林学者として、森林からいかに持続的に利益を生み出すかを考えたのだが、その根底にも自然への畏怖を感じていたかのようだ。そして森林有機体説を唱えていた。

コッタの義弟でもあるケーニヒは

最高の状態にある森林は、もっとも美しい
森林は国土のもっともよい装飾である

前者は、メーラーの「もっとも美しき森は、もっとも収益多き森である」に通じる。
また森林美学を提唱したザリッシュも「技術的合理性のある森は最高に美しい」ときた。

そして登場したのがガイヤー。

自然に帰れ」だよ。
自然の法則に従い、自然の生産力を利用することを基本としたのだ。

森林官だったパイルにいたっては

愛が森林を育てる」。。。(@_@)
愛がなければどんな豊富な林業知識も十分ではない

ヨーロッパの人ばかりではなく、日本の森林観を表す言葉も探そう。

「農業全書」を著した宮崎安貞の言葉。

尽地力説」。適地適木、適地適産が大切とする。

熊沢蕃山は「山と水の融合、一体化により荒廃を防ぎ、森林の恵を享受できる

野中兼山は「人間の営みは、自然が行うことを補完することだけである

そのほか多くの東洋哲学的な言葉があるが、決め手は

地木結合論」。
これは明治30年に日本最初の森林法が制定された際に、日本の古来の森林観をまとめた言葉だ。
気候と土壌、地勢などの自然条件に合致するようにさまざまな樹種の森林を育て、また伐ってこそ土地の生産力を最大に活かせるという意味を込めているらしい。

なんだ、現在もこれに従えば自ずから林業のあり方が浮かぶではないか。というか、今の林業のあり方、森の扱い方は、随分この原則から離れたものだ。

2013/08/05

森でWAKUDOKIするか?

昨年のスイスの某所で見せられた映像に「WAKUDOKI」というのがあった。

これは日本語なのだそうだ。???だったが、どうやらワクワクドキドキの略らしい。なんでもトヨタ自動車?のコマーシャルに登場して、WAKUDOKIこそが、スイスを席巻する日本語なのである(大袈裟)。

※追伸 調べたら、例の映像がちゃんとユーチューブにあった。

http://www.youtube.com/watch?v=Z3O1TCUsE6Y

さて、先日の大阪で開かれた『だれが日本の「森」を救うのか』セミナー。

第二部のトークイベントのテーマは、「林業でわくわくするか」だった。内容的には、あまり深く「わくわく」に触れられなかったような気がするが、実は改めてこだわってみたい。

上記の問いかけに関する私の答は簡単だ。「全然、今の林業にはわくわくしない」である。もちろんドキドキもしない。WAKUDOKIからほど遠いのだ。

何をもってワクワクすると定義づけるかはともかく、正直、日本林業の現状の話をしていても面白みがない。つまんない。何も不景気だから、ではない。

いかに集約するか伐採するか搬出するかコスト削減するか。あるいはどうしたら木材を高く売れるか。どこそこ製の林業機械の性能は。私に、今後の材価の動向を聞かれてもねえ……。

そんな話題ばかり。もちろん林業や木材産業に従事している人々からすれば、もっとも重要なことなのかもしれないが、私の感性的には、そこにワクワク要素・ドキドキ要素はない。正直、つまらない。そんな話をするのなら、経営評論家かコンサルタントになっとるよ。

昨今の林業的話題からは、ほとんど森づくりが消え失せて伐採中心になってしまった。木づかいという言葉だって、今ある木を利用することだけで、その木が育つ過程から今ある素材までに眼を向けることは少ない。

現代の日本林業の問題点として、よく指摘するのは、各分野がバラバラなことだ。伐採と市場、製材、建築、木工、そして消費者……。お互いの情報を共有せず、つながらない。
が、それは林業界だけでなく、林業を論じる人々まで分野ごとに分断されているのかもしれない。細かな分野のオタク化している。いや、オタクならまだその分野に興味を持っているのだろうけど、今は利益が出るかとか、政策に従っているかとかが行動原理かも……。

そこで、少しウイングを広げてみた。林業に絞らず、森林全般でワクワクするか。ドキドキするか。WAKUDOKIするのは何か!

もちろん、人それぞれ自らの感覚に響くところは違うだろう。しかし、世間には、森林が好きで、林業・木材産業に関わっていないのに森林ファン・林業ファンがいる。森林や林業関係のシンポジウムが開かれると駆けつける人が少なくない。
私もその一人だろう。以前は、たしかに森でWAKUDOKIしたのだから。

森の、何にWAKUDOKIするのか。

森の中を歩くこと。

遭難すること(~_~;)。

不意に美しい森の景観を出会い目を奪われること。

動物や昆虫、植物などのシュールな造形を観察すること。

何やら妖しの生命が満ちている気配を感じること。。。。

やはり未知なものと接触し、想像力をフル回転させる瞬間が楽しい。

たとえば森の中で、古い人の痕跡を見つけて永い時間の流れを感じる。

そして、森に人がどう関わっていたのか思いを馳せる。もう少し具体的に言えば、どんな森づくりをしてきたのか。あるいは今後するのか

ここで、改めてWAKUDOKIする(森の一部としての)林業とは何かを考える。

森づくりからスタートして、生物多様性とか、景観とか、気象とかの末に、育った森の最終行程としての収穫がある。さらに樹木が木材となって何らかの品になる。それが美しい工芸品だったら喜びになる。そんな森の時間と空間を超えた姿を感じたい。林業は、そんな森の一部だ。

自分にとって、もっとも楽しい森との関わり方を改めて思い起こせば、その中から再びWAKUDOKIするものが見つかるかもしれない。そしてWAKUDOKIする要素がわかれば、自ずからやるべきこと、あるいは正しいやり方が見えてくるような気がする。

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2013/08/04

洋紙の原料って?

ちょっと覚書。

紙、つまり洋紙の材料と聞かれれば、誰しも思い浮かべるのはパルプ。

パルプにもいろいろあるが、一般的には木材パルプ。樹木をすりつぶすようにして繊維を取り出したものだ。ただし、藁半紙があるように、藁、つまり草本系の材料だってある。竹も材料にできる。

そもそも洋紙の発明された頃の素材は、布繊維だった。つまり麻だの綿だの、布にするべき繊維を利用してできたのが紙だ。これは和紙(正確には、中国で作られた紙)も同じだ。そして麻も綿も、みんな草本性の植物繊維。

そして、木材でもリグニンを取り除いていないグラウンドパルプもある。

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写真は、製紙工場の紙を漉く工程。

ドロドロにしたパルプを、巨大な機械のラインで薄い紙にしていくわけだ。



このように見ると、和紙の材料とあんまり変わらない。何をもって和紙と洋紙を区別するとよいのか迷う。

ただ、洋紙の原料はパルプだけではない。とくにコピー洋紙のような上質紙の場合、単に繊維を漉いただけでは、印刷できてるようになる紙ではない。表面が凸凹だし、薄いだけに透けて裏の印刷物が見えると印字しても読みにくい。

そこで透けないように、物質が添加されている。現在多いのは、カオリン(白色粘土など)や炭酸カルシウムだそうだ。そのほか接着剤も添加する。だから燃やすと灰が残る。

実は、これらの無機物の添加剤は、上質紙の場合、全体の20~25%も占める。これは無視できるような量ではあるまい。

このように見ると、紙の材料を木材だとするのは片手落ちかもしれないなあ。

2013/08/03

ヤフーニュース・激変!2013年の「割り箸はもったいない?」

世間から忘れられないように、割り箸の記事をアップしました。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130803-00026967/

世の中、どんどん変わっている。

ちなみに、郡上でも割り箸の生産が始まる。そして割り箸生産者ネットワークの立ち上げが考えられている。これば、依然私も参加した「割り箸大会」「割り箸サミット」と名うった飲み会とは違って(~_~;)、本気で全国の割り箸生産をしている事業者が集まり提携しようという発想。さてさて。実現すると楽しいのだが。

2013/08/02

自治体のコンサルビジネス

郡上市を訪れたのは、郡上踊りが目的ではない。イヤ、ちょぴっとは目的にあったかもしれないが、本来の目的は昼間に行われた勉強会である。

北海道の下川町から行政関係のトップが郡上市に来訪し、町づくりのレクチャーが行われたのだ。迎える郡上市側も市長に議長等々、トップが並ぶ。

下川町は、「環境未来都市」とか「森林総合産業特区」など林業を中心とした町づくりを進めていることで有名。それを郡上市が学ぼう、ということで林建共同体が招いた。

私も、その特区などの内容を知りたかったが、北海道の下川町までは遠すぎるから簡単に行けない、しかし郡上市なら行ける(それに郡上おどりもあるし……)と考えたわけだ。

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会場は、満員。  

写真は、郡上市長の挨拶の様子だと想うが、
この写真の中で間違い探しをやってみませんか?(笑)

意外と準備しているときは、気がつかないものか。





実は、郡上市と下川町は古い関係があった。そもそも下川町は、郡上市(合併前の高鷲村・北濃村)からの移住者が明治34年に開拓に入って生まれた町なのだそうだ。その意味では、親子関係にある、と紹介されていた。言い換えれば子供に当たる下川町に親の郡上市が教わる関係。いわば「おうた子に教えられ」状態か。

でも、この関係だからこそ、教える側が、教えを求める側に訪問するというスタイルになったのだろう。

脱線するが、江戸末期の戊辰戦争には、郡上八幡の青山藩から佐幕派の45人が凌霜隊を結成して会津に加勢している。隊長は17歳と若く、各地で転戦しながら会津にたどり着き、最後は白虎隊とともに鶴ケ城西の出丸にこもって戦ったのだ。山本八重と会っているかもしれんなあ。彼らのことも、少しクローズアップしたら面白いのだが。




  

それはともかく、いまや自治体の生き残りをかけた改革が求められる中で、先進地の視察は大きな事業アイテムになっている。
改革? よし、視察に行こう! できれば温泉があって、上手いものが食えるところ。観光施設はある? とか考えながら議員や行政マンは全国に散っていくのである。そして宴会の思い出を持って帰る。視察したときは二日酔いだったから、あんまり覚えてない……。それに条件が違いすぎるよ。人口も違うし、地形も歴史も人間も。周りの経済環境も違っている。うちは真似できない。以上。

こんな視察ではいけない、というのが、今回のセミナーの陰のテーマ。(~_~;)

想うに、教える側の行政が訪問するというスタイルは、意外とよいかもしれない。いわば講師派遣だ。できれば職員を半年くらい張り付けて、現場指導するというのはどうだろう。「条件が違う」ことを知った上で、いかに改革事業を成功させるかアドバイスする。プランニングもしてしまう。つまりコンサルティングだ。よく民間のコンサル会社が何千万円もかけて行う企画づくりを事業成功自治体が行うのだ。同じ行政経験者だから、酸いも甘いもわかっているだけに、より実効性のあるコンサルティングが可能だろう。。

もちろん、迎える側はコンサル料を支払うべきである。つまり、これはビジネスになる。コンサル課を設けて、専門要員を置いて、全国に派遣することで、利益を得る。職員も我が自治体のほこりをかけて行う。失敗したら、故郷の評判を落とすことになる。

自治体運営に成功すれば、そのノウハウを売ることで自主財源を得ることができる。また別の自治体事情を知り、悪戦苦闘することで鍛えられると、出向から還ってからのわが町の改革の力量が上がるだろう。つまり、職員の能力を上げるという効果もあって二度オイシイ。いや、自治体交流の効果も計り知れない。これこそ本物の自治体交流だ。

このビジネスモデル、ぜひ郡上で実現させてほしい。

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2013/08/01

郡上踊り

郡上踊り

郡上だ、踊りだ!

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森と林業と田舎