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2013/09/08

昭和シェルが輸入バイオマスで発電事業

これまで繰り返しバイオマス発電について触れてきたし、「里山資本主義」で“サブシステム”として取り上げている点を取り上げた。

で、こんなニュース。昭和シェル石油が、川崎市に木質バイオマス発電所を建設する計画を発表した。投資額は160億円だという。石油会社だが、すでに太陽電池事業も行っているから、3番目の事業ということになるのだろうか。

来年5月に着工して、2015年12月に稼働させる計画で、発電能力は4万9000キロワットという。これは木質バイオマス発電所としては国内最大級である。一般家庭で約8万3000世帯の電力消費をまかなえるそうだ。

http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2013/0807.html

ここで注目なのが、そのバイオマス、つまり木質燃料の集め方。なんのことはない、輸入なのだ。北米や東南アジアから輸入する木質ペレットや油ヤシの殻を輸入して使うという。当然、固定価格買い取り制度FITを利用するが、国内未利用材の価格33円ではないはず。

最低金額として1キロワット時あたり13.65円で売電することができる。これで十分ペイすると計算したのだろう。バイオマスだ自然エネルギーだ、「里山資本主義だ」というと、いかにも国内で燃料も自給するかのように思う(そして、それではコストが高すぎてペイしないと考えられる)が、なんのことはない、輸入すれば経営が成り立つわけである。とうやら、輸入コストは化石燃料よりも安いらしい。

おそらく製紙会社などのバイオマス発電参入計画も、輸入バイオマスを使うことを折り込み済みなのだろう。たいてい海浜沿いに発電所は計画されているからね。燃料を低コストで調達できるために東南アジアなどでも建設が進んでいる。

別に悪いことじゃない。

ただ、発電燃料の多角化にはつながるが、グローバル経済と一線を画した里山的なサブシステムとは言えない。仮に石油が輸入しづらくなるような恐慌(戦争のため海上路遮断とか、超円安とか)時に切り換えられるシステムにはならないだろう。また長い輸送距離を考えると、「クリーンで環境に優しい」のかどうかも疑問だなあ。

 

 

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コメント

引用■成長戦略の一策■・・・旨い表現ですね。総工費はどれ位でしょうか。輸入燃料の価格は?!
海外で作ったペレットですかね。ならば、『外材輸入』と同列ですね。またまた物議を醸し出す元、かも。

調べました→引用■総事業費は約160億円。(田中さん記事にも記載ありました) 
廃材でつくった木材チップなどを北米から輸入して燃料とし、再生エネルギー固定価格買い取り制度を利用して他電力などに販売する。■(燃料費については調べられませんでした。)

『廃材でつくった木材チップ』と言っていますので、廃棄物利用で、相当に安い原料代でしょうね。国内産のバイオマス利用という観点は『全く無い』でしょうね。国内のバイオマス事業者はどのように考えますかね?!


経営的には的確な判断ですよ。林地残材で発電する、と言って計画進めているコンサルよりは。
石炭石油LPGなど既成の火力発電燃料だって輸入なんだから、文句付けようがないんじゃないですか。

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