木材利用ポイント?の海外の「評判」
ちょっと気になるニュースを見つけた。
ただし英語なので、正確にはよくわからん。
http://drevesina.fordaq.com/fordaq/news/Japan_wood_stimulus_programme_33832.html
タイトルの「Japan's "wood stimulus programme": threat or opportunity for EU timber exports?」をなんと訳すか。
とくにwood stimulus programmeは、直訳すると木材刺激プログラム……? 景気刺激の意味だとすると、木材利用推進政策ということになる。これは、木づかい運動か? と思えたが、政策とは言えないから、直近なら木材利用ポイントのことではないか。今年430億円を注ぎ込んでいるという表現もあるが、木材利用ポイントの予算と近い。(410億円)
(それとも公共工事への木材利用推進の件だろうか。こちらも国産材を優遇しているし。)
タイトルは、日本の「木材利用ポイント政策」は、EUの木材輸出にとって脅威かチャンスか?
という意味になる。
ざっと拾い読みすると、7月のWTOの閣僚会議で、日本の政策に対して懸念を発表した、という。つまり日本が国産材を優遇しているというのだ。そしてカナダやニュージーランド、アメリカ、マレーシアなど日本へ木材輸出している国も、同調したらしい。日本向け木材の輸出に影響が出るかもしれないからだ。
もちろん日本政府は否定している。貿易の障害にならないし、差別でもない、輸出業者からのサポートも歓迎する、とj弁明している。
ほかにも自由貿易協定やTPPのことも触れているが、イマイチよくわからん。
ただ、最近数か月の日本への針葉樹の木材輸出の増加を考えると、この政策が持続的な効果を持っていることを信じられない……と結ばれている。
こんな政策、たいした効果はないだろうってか。
木材利用ポイントは、国産材限定とせずに地域材としているが、さまざまな条件で実質外材を締め出している。その点については、
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130829-00027680/
を参照にしてほしいが、それでも海外から批判を受けた……と解釈していいのかな?
誰か、英語が堪能な方、よく読んで内容を教えてくださいませ。
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下手な訳ですが、このような内容ではないでしょうか。
間違いがあれば訂正して下さいませ。
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日本の「木材利用推進政策」はEUの木材輸出にとり脅威かチャンスか?
7月のWTO会議で、EUは日本の「木材利用推進政策」について憂慮を表明した。EUはこの政策は国産材の一方的な利用を促進するものであり、欧州の輸出業者にとっては競争的に不利なものとなるのではないかと懸念している。
カナダ、ニュージーランド、米国、マレーシアもEUに加わり、日本へのこれからの木材輸出に影響が出るという憂慮を表明した。
日本政府によれば、この「木材利用推進政策」は貿易障壁には該当しない。この政策は材積量が増加している国内の森林からの木材利用の促進が目的である。
カナダ木材貿易連合のBC木材によれば、農林水産省(MAFF)の政策が実施されれば、建築用木材の最低50%は国内産でなければならない。残り分は輸入でもいいが、認定を受け「成長中の森林」由来でなければならない。日本の農林水産省は、新築の家屋の建設や改築に使用する国産材の使用を支援するため日本円で430億円(ユーロで320億円)の予算を立てた。今年は、農林水産省は1軒当たり30万円の補助をして、この政策で10万軒の新築家屋の建設を予定している。
BBC木材は日本が国内の木材会社の資源でこの政策を支援できることを疑問視している。すなわち、政策はすぐに緩和されて過去に見られたように輸入により補われるものと期待している。
BC木材のアジア局長であるジム・イワノフは、自由貿易協定の様々な交渉の中での政治的な局面に注目している。日本は最近EUとカナダとの自由貿易合意を交渉中であり、米国の指導的な口添えでTPP(環太平洋戦略的経済パートナシップ)の一員になる事を目指している。イワノフは、進行中の交渉が終了するまで林業関係者を黙らせる方法が判断材料であると信じている。
自由貿易合意により、EUは日本への輸出が32.7%増加する事を期待している。針葉樹材の輸出は日本への総輸出量の1.2%を占めている。「木材利用促進政策」が永続的な効果を持つとは信じがたく、最近の数ヶ月にみられた日本への針葉樹材の輸出増加につながるだろう。
日本へのEUの針葉樹材の輸出量の表があります。
2013年1月から4月までのEUからの輸入量は、2012年同期に比べて
何と材積量で38%!、ユーロでは58%も増加しています!
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結論:こんないいお得意様が買ってくれないと、困るのは木材輸出国ですね。
国内の木材産業が活性化すると、そのあおりを受けるのが輸入業者ということに
なりますから。木材を外国からわざわざ輸入して買わなくても十分に「森林飽和」している
日本は幸せ? これを交渉力にして欲しい?
投稿: しゃべり杉爺 | 2013/09/02 23:55
ありがとうございます! やっぱりターゲットは木材利用ポイントでしょうね。海外は国益に関する点については、必ず目をつけてイチャモン付けてきますね。
細かなことを言えば、1軒当たり30万円は正しいですが、家具やらなんやらほかの木質工事を足して実質的には60万円をもらえます。
ただ、某情報によると、外材で家を立てているハウスメーカーがカナダにわざわざこの政策の問題点を注進して、外交圧力をかけるように動いたということですよ。
投稿: 田中淳夫 | 2013/09/03 00:18
EUにとっては、EU内の景気が悪くて木材需要が減退、加えて北極海航路の開設で極東への輸出がしやすくなった、といった事情があるのかも
第三者による紛争調停に持ち込まれた場合、木材利用ポイントによって誘導される国産材使用の増加量が、目的である国内蓄積の消費と均衡しているかどうかが客観的な争点になるのでしょうか
あと、遠景としては、木造住宅を50年ぐらいで建て替える日本の住宅市場は、石造りの家を何百年も使うヨーロッパからみれば、魅力的な市場なのかも
投稿: か | 2013/09/07 10:43
それだけ欧米では木材産業が大きくて、そこに打撃を与えそうな他国の政策には敏感に反応するのではないかな。
まあ、木材利用ポイントなんて何年続くか(今年限り?)わからないわけで、提訴されても数年引っ張るうちに打ち切りです(~_~;)。
投稿: 田中淳夫 | 2013/09/07 13:52