丸岡城天守閣に戦国の城を見る
福井に行ってきた。福井駅に着くと思い出すのは、えちぜん鉄道である。正確にいうと、えち鉄のアテンダントである。
以前来たときは、決して鉄道オタクでもアイドルオタクでもフィギアオタクでもないのに、えち鉄に用もなく乗ってアテンダントのストラップを買って愉しんだが、今回はどうしよう。
いや、目的はあるのだが、多少時間があるので寄り道するところはないかと考えたのである。
やはり、えち鉄で三国港まで往復しようかな、たっぷりアテンダント眺められるし……と思いかけたが、ふと閃いて訪れたのが、丸岡城であった。福井市からバスで30分あまり。時間的にはぴったりだ。
6メートルの石垣の上に12メートルほどの天守閣。2層3階建てだ。石垣もわりと積み方が荒い。
しかも四角くて、一般に描く「日本の城の天守閣」ではない。
外回りだけでなく、中も質素だ。殿様の城というよりは、なんか民家の雰囲気が漂う。
私は決して城オタクではないが、この丸岡城は興味がある。なぜなら、丸岡城は、築城は1576年。まだ戦国の世が終わっていない時期である。あるいは安土桃山時代の始まりか。その時代の天守閣が今も残っているのだ。
これは犬山城に次いで古い。いや、天守閣の建築洋式としては、もっとも古い。犬山城は増築した形跡がある。
以前は国宝だったが、福井大地震(昭和23年)で大破し、それを修復したので重要文化財に格下げされている。それでも、江戸時代に華美に建てられた姫路城などほかの城より興味深いではないか。
しかし、鉄砲用の穴や石落としの仕掛けなど、戦闘モードにつくられている。階段など、縄が垂らしてあって、それを持って昇り降りしなければならないほど急。
床板の下が透けて見えるほどだ。
まったく飾り気がなく、野武士がこもる砦を想像させる。
2階、3階と登る。広さは1階2階が変わらず。3階は20畳ほどもあるか。狭い(^^;)。でも、眺めはよかった。
3階までの通し柱もなく、箱を積み上げたような作りだ。
木材は太いものもあるが、全体に短い。使っているのは、スギが多いが、広葉樹材も目に留まった。全体にすり切れているし、暗くて樹種はわからない。
そして、これは地震で折れたのかもしれないが、修復の跡が目立つ。
日本の木造建築で古いものと言えば寺院ばかりだが、こんな城の方が、本当の「城」を感じさせてくれる。そのうえ当時の木材事情も見えてくるのではないかな。
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