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2013/10/16

木材の産地偽証は何が問題か

木材の産地について考えた。

木材商品には、必ずしも産地が開示されていないし、また表示されている産地も嘘が多い。吉野杉と名打っていても吉野産とは限らないのは常識。米スギとあってもアメリカ産とは限らなかったりする。
何も書いていなくても、ドコソコの山深い林業地に工房があると示されたら、てっきりその土地の木を使っているような思い込みがちだが、実は外国産木材を使っているようなことは普通にある。

わざわざ山村に移住した木工家が、材料は街の材木屋から仕入れていて、それはアフリカ産だったことも私は直接見聞きした。

そして業界関係者はえてして「それの何が悪い」と思っている。木材は食べるものじゃないし、銘木産地の名前を使うということは、その木材の品質が銘木としての価値があることだと主張する。名もなき地域のスギを吉野に運んだら何でも吉野杉になるわけではなくて、吉野杉と見紛うような品質の木をよりすぐって送っているのだと。

が、それこそ業界の悪しき慣習、ずれた感覚ではないか。

消費者は、木材に何を求めているか。単に機能だけなら鉄骨でも外材でも合板でもいいが、産地にこだわる消費者は、木の育った土地の夢を買っているのではないか。そして想像することで心の癒しを得ているのではないか。うちの家は吉野杉を使っているんだ、総ヒノキづくりなんだ、あるいは故郷の山で育った木なんだ、と。(高かったんだぞ、も入っているかもしれないが。)

その夢をぶち壊すのが産地偽証なのである。裏切り行為といってよいだろう。

知らなければよい? だまされておけばいい? 木材の品質が劣らないのなら、不都合はないのだから。……そんな発想を持つと、人々の林業不信を加速してしまう気がする。

同じことは、違法木材にも言えるだろう。違法に伐られた木で自分の家を建てたり、違法伐採で森林を破壊した家具を欲しくはない。違法でなくても、森を破壊したような木材は使いたくない。だから情報開示を求めるし、使うことで気持ちよくなる木の品であってほしい。逆に言えば、それを説明したストーリーがあると夢を買える。

消費者は価格が安ければ、違法か合法か、産地が正しいかなんてこだわらないと思っている業者もいるかもしれない。
自信があるなら、丸裸になった山の写真をくっつけて木材を売ってみたらいいよ。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

木材の産地偽装・・・問題ですね。今日は『告発めいて』居ますね。田中さんの告発(?)を受けて、偽装は止めて欲しいです。

告発というより、それこそ「業界では常識」だから、誰も深く考えていないのではないでしょうか(-.-)。
しかも山元レベル、素材生産レベル、そして木材業者レベルからやっているから、一か所改善しても難しいでしょうね。

何と!!??・・・木材の産地偽装は業界では常識・・・!!??常識と言われるほどのあり様の『木材業界』だとすると、
消費者としては→『いっそ、産地にこだわらない』、『用を足せば良いのよ!!木材なんて・・・』ですよ、常識的に言って・・・と、なりますね。

食品ほど産地にこだわらない消費者も多いでしょうが、長い目で見ると木材に対する愛着を減じてしまいますね。

私は、産地から樹種から齢級から細かく分類することが建材の大ロット化を阻んでいると考えていました。SPFのようなおおらかさで、国産材も扱えないのでしょうか。たしかに、無垢材であれば、材料が持つ物語は多いほうがよいとも思いますが、そのマーケットはとても小さい。
木工工房の話を持ち出すのなら、革製品にいたっては都市に立地できなくなります。愛着・差別化の議論と、林業の産業化レベルに必要な木材の需要量の確保となると、なかなか相いれない議論になりそうです。
質問ですが、オーストリアやスイスでも○○産材、ということは議論されるのでしょうか。森林認証材であれば、議論以前の問題ですが。

補足です。偽装がよくないことは全く同意です。ただ、産地を語って差別化するクオリティのマーケットがどれほどの木材の量をさばいているのかが疑問だ、という論点です。

たくさんの言われているのは「量の林業」で、私の触れているのは「質の林業」ですね。
ただ産地表示やトレーサビリティは、売れ行き以前の基本情報だと思いますよ。量を売る場合も、産地は表示しなければならない。それは消費者への義務として。

ヨーロッパでも、国産材に対する意識はあるようですね。ただ外国と言っても陸続きですから、どれほど強い意味があるか。。。

米スギって・・・。品種名ですよ。
スギと同科ではあるもののスギ属ではなく、クロベ(ネズコ)に近縁
であり、アメリカネズコとも呼ばれるものですよ。ウェスタンレッドシダー
という英名で流通してます。
アメリカ産のスギの総称だと思っていらっしゃるようですが・・・

せっかく森林ジャーナリストを名乗ってご飯を食べているのですから、
もっともっと知識を蓄えるところから始める事が大事です。

今までも、よく指摘された事があると思いますが、いい加減で適当な
思慮の浅い文章や著作が多いような気がします。

知識を蓄積して、真摯に真実を見詰めて行けば、自ず(おのず)と誰もが
納得出来るものが書けるはずです。
真実はひとつです。それにいろいろな解釈はあるものではありません。
こじ付けを止め、ありのままを書くことがジャーナリストの使命なのでは。

爆笑ですな。こんなレベルの低いコメントに対応するのは本意ではありませんが……。
そもそも「品種」という言葉の定義も知らないらしい。ウィキでもいいから調べてみたらいかが。ベイスギ、ベイマツ、ベイツガ……などは外材輸入業者が決めた名前であって、樹種名でさえない。
ついでにアメリカ産のスギってなんですか?
スギ科スギ属が消えたこともご存じないらしい(笑)。かつては日本固有のスギ属スギの1種とされていましたが、遺伝子解析で現在はヒノキ科に変わっています。

恥ずかしいですね。もっとお勉強してから出直しておいで。次は相手しないけど。

我が吉野にも四国ナンバーの木材トラックが来るが、偽装なのかな

四国の業者が吉野材を仕入れても擬装とは判断できませんが、どのような売り方をするかですね。
吉野材を四国産地に擬装する必要はないでしょうし……。

産地偽装は頻繁に行われています。元の会社から出荷したものは全て隠ぺいブランド銘がついて出荷されています。それが原木が産地で無いばかりか、市場から仕入れた製品が明らかにブランド銘がつかない製品さえ出荷伝票は全てブランド材の名目で請求されています。羽毛布団の偽装より悪質だと思います。製材業者が産地偽装をしているにですから。これでは本当のブランド材の質を落としている事なのですが品質の分からない業者に限り販売しているのです。簡単に言うとブランド材と一般材の見分けがつかない業者だけに卸しているのです。その事を会社の上層部に進言したところパワハラにあい会社にいられなくなりました

随分前の記事ですが……今も変わりなく行われているのでしょうね。

もともとは、市場へ出荷する業者(たいてい素材生産業者)が産地を偽るのですが、そこに製材業者の擬装が加わると完璧……じゃない(^^;)、もはや手の打ちようがない。

「ブランド材と一般材の見分けがつかない業者だけに卸」すというのも怖い。消費者ではなく、木材問屋とか工務店が見破れないレベルということか。

どんどん告発しないと、なくならないかと思うと……気が重いですね。

そういえば、科学的に見分ける方法って聞いたこと無いような気がします
この場合は、種の違いではなく産地の違いを見分けるので、DNAではなくて、成分(元素組成)比か、あるいは同位体比ですかね
この前行った同位体の研究会では、木材はなかったです
森林学会でもなかったとおもうなあ
今年は日本で国際的な同位体の集まりが何件かあるので、来月横浜で開かれるgoldschmidtとかどうですか?
http://goldschmidt.info/2016/
来週の地球惑星連合はちょっと毛色が違いますねえ

随分前のエントリーですね(^^;)。

産地を科学的に見分けるのは、ほとんど不可能でしょうね。樹木は一本一本違いますから。
吉野杉や木曽檜などは、木目や成分も通常のスギ、ヒノキと違うそうですが、それだって確実ではないでしょうね。
同位体を使っても、産地の検証は難しそう……。

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