樹木による土壌製造工場
すごいタイトル付けてしまった(^^;)が、昨日のエントリーに反響? あったので、あえて表土ジャーナリストとして考えた。
そもそも土壌とは、その多くが植物によって作られたものである。樹木や草の種類によって土壌に与える影響は、想像以上に大きな偏差がある。
実は、昨夜お会いしていた人は、その研究もしていて、400種るなんなんとする樹木が、土壌に与えた影響を調査したという。その結果は、少し聞いただけでも面白いのだが、それに関しては現在論文を作成中とのことなので、発表してからにしよう。
ま、発表されても私に理解できるか心配だが……。それに英文らしいしなあ。。。
ただ、簡単に言えば、樹木は根系を伸ばし、ときに枯れたり、ときに岩を破砕することで物理的にも土壌に関与している。同時にある種の成分を分泌することで土壌を変化させている。
それは広義のアレロパシー(他感作用)と言える。一般にアレロパシーと言えば他の植物に抑制的な効果を与えるが、なかには生長促進効果をもたらすものもあるという。
……そこで考えた。
促進、もしくは抑制効果の高い木を植えて、そこの土壌をそれぞれの効果によって利用することができるのではないか。
たとえば抑制効果の高い土壌を「雑草抑制材」として出荷する。促進効果をもたらす樹木の土を「生長促進材」として販売する……。
まさに林業は土壌生産業となるのだ!
考えてみれば、表面のA0層などは、腐葉土として販売できるし、その下の土も商品化することを考えたら、面白い。土壌生産は数年でOKだ。掘って出荷したら、そこにまた次の土を入れて、数年間アレロパシー成分をしみこませて、また出荷……。
林業とは、森林で生産されるすべてのものを商品化することである、という定義付けに則ればいいのである。
……こんな林業、つまんないの(笑)。
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『・・・・つまらない・・・』いえいえ、つまらなくないと思いますよ。
山葵の実生化の失敗談を『アグロビジネス創出フェア』にて、とある土壌製造供給メーカーにお話ししたところ『是非、栽培までを実験したい』と。
また、昨日、九十九里浜の『松枯れ地区の森林整備』に行きましたが、ここで思った事は、→虫とか菌とかに負けないように『根の周辺に炭をまく』という説を実行してみたいと思いました。
木にとっては土壌はとても大事のようです。表面環境(潮風とか)の点も日照もそして適度な水分も(過剰だと根ぐされ!)、そして何より適切な土壌環境が大事だと思いますので、『表土ジャーナリスト』の出番を待望してます。色々と『展開』して行って下さい。
投稿: ベンツ仙人 | 2013/10/28 07:11
土壌生産を面白いと感じてくれるのは、歓迎です(^o^)。
おそらく生物である樹木が好きな人と、土壌のようなマテリアル(物質)が好きな人に分かれるんでしょうね。
表土問題は、相当勉強しないと追いつきませんが、極めて重要であることは間違いなさそうです。
投稿: 田中淳夫 | 2013/10/28 08:54