広葉樹林施業の見本市
八戸森林組合のの施業地を案内していただいた。
広葉樹林施業をしているというから多少の期待と、多少の不安と……。
というのも、私は最近機会があれば広葉樹林施業を知りたいと思っていた。今後、重要になるのではないか、と思えたからだ。なぜなら、人口減少時代を迎えた日本では、いつまでも1000万ヘクタールもの針葉樹人工林を維持するのが難しくなるとともに、必要なくなると思っているからだ。
となると、伐採跡地にこれまでとおりのスギ・ヒノキなどを植えることも見直す時期が来る。大量伐採を続けている現在は、ある意味、林種転換のチャンスかもしれない。
しかし、「広葉樹林施業をしている」とか「広葉樹を植林している」と聞いて現地を訪れると、落胆することが多い……(^^;)。それは、造林結果が不成績だからではなく、そもそもやっているというレベルではないからだ。ほとんど、申し訳程度に植えただけとか、植えた後に放置しているとか。。。
広葉樹林施業が難しいということは、昔から聞かされているから、必ずしも成功するところばかりではないことは理解しているが、そもそもやる気が本気ではないのでは……。
が,、八戸で見せていただいたのは、実に多種多様な広葉樹林施業地だった。
いわばケヤキの一斉林づくり。25年経っていると聞いたかな。
細いが、まずまず育っている方でしょうか。曲がっているものもあるが、2メートル直材が取れれば、木工用には使えるのではないか。ただし、何年後か……。
アカマツ林の下に広葉樹。傘伐みたいにも見えるが、複層林化を目指している。
もともとマツ林は、光が入りやすいから、林間に広葉樹が育ちやすいそうだ。
まだ年月が経っていないから、今後どのように育つか楽しみ(不安)だ。
植えたのはなんだったか、ナラ類かもしれない。
これは、美しい天然林へと誘導されている。広葉樹林施業というより、混交化、天然林施業というべきかもしれない。
ほかにも幾種類もの施業地を見学させていただいた。なかには不思議な種類別列状植林地とか(^o^)。
これほど多様な広葉樹林施業をやっているところは珍しいのではないか。しかも古いところで25年以上経っていて、近年もしているのだから、非常に幅がある。
もちろん、すべてがうまく育っているわけではないし、そもそも広葉樹を育てて収穫できるのか、なんて根本的疑問もあるわけだが、そうした問題も含めて、試行するのはいいことだ。技術面や、理論面、利用面……いずれにしても、試さないことにはわからない。
また実験林としての価値もあるのではないか。どこかの研究機関が現地を追跡してほしいものだ。
北の国で、こんなバラエティのある造林施業をしていることに驚き。途中で止めてしまわないで、ぜひ挑戦を続けてほしい。
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