代表的林業地のかつての姿
本を読んでいて、この記述を見つけたときは、ある人にメールで送ろうかな、と思った。
が、ある意味世間に知ってもらうのも悪くないと思いなおした。事実なんだから。
本とは、『緑のコンビナート』(村尾行一著 清文社刊) 1981年発行
私は、村尾氏の本のほとんどを読んでいるが、この本は古いもので絶版になっている。内容はその後 改訂して『山村のルネサンス』になったと聞いているので、こちらを読んだからいいか、と思っていた。
が、古本市で見つけて購入。目を通すと、なかなか斬新だ。今から30年以上前に書かれたのに、現代に通じるところが多々ある。とくにバイオマスエネルギーの項目なんぞは、そのまま現在発表しても通じるだろう。
そして、肝心の項目だが、これが日本の林業の現実、わりと伝統もあり、優秀とされてきた林業地でも、こうだったという話。当事者からすればイタいというか、世間に知られたくないと思うかもしれないが……。
なお、これは筆者が執筆時よりもずっと前に調査したことを紹介しているのであるから、現代からすれば、おそらく40年以上前の事情である。もちろん、現代はかなり変わった(はずだが)。
まあ、お読みください。
2行目に、どこのことか書いてある。
また次ページ以降には、ここではスギとヒノキを区別せず、節の有無や木目も関係なく出荷していたことも記されている。
そして、それらの原木が吉野杉や尾鷲檜に化けていたそうだ。
また、これは事例であって、全国どこでもこんな状態だったという。
もっとも気になるのは、本文に出てくる改革を行う人物の名字である……(笑)。
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うぉ~~!!
出ましたね。
このお名前!!
龍神村でもかつて、村尾さんの
記述に物言いをつけた人がいるようですが、
私は、ここに書かれていること
たぶん当たっていると思いますよ。
でもまあ、当時そういう業者さん達でも
買ってくれてたおかげで
自分なんかは育てられたわけですし!!
その後、龍神村森林組合が
原木市場を作る原動力になった訳でございます!!
投稿: 勇者チョッパー | 2013/11/04 21:56
それで、このお名前の方とチョッパーさんの関係が気になるわけで(笑)。
もちろん、このお方の存在は昔から知っていましたよ。20年くらい前に訪れたけれど、会いそびれた記憶がある。
ただ熊野地方には、この名字わりと多いですね。たしか在野のシダの研究家にもいました。
投稿: 田中淳夫 | 2013/11/04 22:01
はっはっは!
この苗字、熊野(発祥は中辺路)には多いのですが
龍神村には数軒しかありません。
会うと話が長くて困りますよ~。
どなたも遠慮して、なが~い話聞いてますが
私くらいですかね
「もうええさか、結論だけ言うて!」
などと言えるのは。
投稿: 勇者チョッパー | 2013/11/04 22:14
みんなが遠慮するほどエライ人に怒鳴れる関係なんですね(^o^)。
投稿: 田中淳夫 | 2013/11/04 22:20
はははは。
そういう関係です!!
投稿: 勇者チョッパー | 2013/11/04 22:26
ところで、シダ研究家、今検索してみました。
その方のお名前、
話のなが~い、うちの親父からよく聞いた
林業家のお名前で、
息子さんは、私も存じ上げております。
投稿: 勇者チョッパー | 2013/11/04 22:42
真砂久哉氏です。
私は、畔田翠山を調べている過程で出会いました。翠山に関しても、語りたいことは山ほどあるのですが……。
投稿: 田中淳夫 | 2013/11/04 23:05
やっぱりその方ですね!
畔田翠山は、初めて聞きました…。
勉強します。
投稿: 勇者チョッパー | 2013/11/04 23:24
思わず、今流行りの『食品・メニュー偽装』と、比較してしまいました。
逆算の論理を取り入れるべきかなと、思いました。『○○サイズの、●●品質の木が欲しいから該当木を納品してね!』・・・ここから始まって『材価格、材出・加工・運賃などの見積もり』をし、納品・検収後に支払う・・・こういう商習慣の分野があっても良いかと思います。
私事で恐縮ですが、、、、亡き母が注文製作させた勉強机の話題→サイズは勿論、仕様・色味・風合いまで細かく指示をしてました。
納品までの間には何回も『検証』に出かけていましたが、私は同行した二回は覚えています。(職人とは大抵は世間話ばかり、、、でも、実はしっかりと観察していたようです。)
納品後、弟と私のとは『木目と色合いが二個間で指定と違う』とか言ってクレームを付け、結果値引きで納得したようです。弟はアメリカへ永住する際に机は処分しましたが、私の机は納屋の奥深くに鎮座?!しています。机が似合う環境が整ったら使おうと思ってはや35年!!(母の形見が私の形見になりそうです)
因みに母は大島紬の織子です。京都の問屋から指名を受けて機織りしてました。
機織り機も三回、特注製作してました。勿論オール木製。材木も部所ごとに細かく指定。(何処に何の木かなどは覚えてませんが。。)
投稿: ベンツ仙人 | 2013/11/05 09:42
畔田翠山は、幕末の本草学者。というより、私は日本の生態学の先駆者的位置づけで見ています。
http://homepage2.nifty.com/tankenka/sub3-17.html
ベンツ仙人さんのご母堂は、凄い人ですね。というか、職人には怖い人だ(^^;)。日本の林業界にも、そんなお目付役がたくさんいたら、野放図な商売をはびこらさせずに済んだのに……。その机、大切にしてください。
投稿: 田中淳夫 | 2013/11/06 00:26
私ごとの『机話し』にコメントを頂き恐縮です。結びの表現が、特に、嬉しいです。→まるで、
『テレビ東京「開運!何でも鑑定団」』(お宝鑑定団)での、『鑑定士評価コメント』の、それ!!
投稿: ベンツ仙人 | 2013/11/06 01:52
田中さん
大変ご無沙汰しております。
元ベンチャー企業経営者の小柴です。
ベンツ仙人さんと、ここで、色々とやり取りしているのを
拝見して、嬉しくて(?)書き込みをしてみました。
後ほど、メールにてご挨拶させて頂きますね。
投稿: 小柴義明 | 2013/11/06 10:59