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森と林業の本

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2013/12/12

木材利用ポイント11月までの実施状況

朝日新聞によると、林野庁は11月末時点における「木材利用ポイント」の実施状況を発表している。

それによると、ポイント申請を開始した7月からの累計申請件数は1万640件だという。8月末時点で、576件だったから、さすがにスパートがかかったようだ。

もともと申請を行うには工事完了が前提だった。どんなに工期を短くしても数カ月はかかる。また新築住宅などの場合は今年の4月以降の工事着手が条件だから、秋口頃から申請が増えてきたのだろう。単純に考えると、9月~11月の3ヶ月で約1万件の申請があったことになる。

この件数をポイントにすると、仮に全件数が満額の60万ポイント申請したとすると、63億8400万ポイント(円)である。全予算410億円の6分の1にもならない。

今後、宣伝が広がって来春3月までに申請がどこまで伸びるかわからないが、仮に(4ヶ月で)5倍になると、かろうじて予算消化になるだろうか。(予算から宣伝費など事務経費に数十億円は消費すると見込む。)

しかし、本当に5万件以上の申請が見込めるだろうか。今は国産材が高騰しているから、果たしてどこまで利用されるか未知数である。60万円分のポイントをもらっても、国産材を住宅に使うことで、それ以上に高くついたら元も子もない。敬遠されるのは間違いないだろう。

いや、そもそも工務店が使いたくても国産材の建材が手に入らないなんてことは……。

住宅着工件数は、今年度は駆け込み需要で伸びるとしても、100万件に届くかどうか怪しい。そのうち木造住宅は反数程度だろうが、そのパイの中で、6万件を取り込まないといけない計算だ。

そして来年度の予算案にも、木材利用ポイント事業を盛り込むことが決定したという。今度は約155億円を計上している。国も大盤振る舞いである。
消費税アップで、新規着工が減少するのは間違いないが、それがどう影響するかも、また未知数。国も「博打」に参加するのだろうか。

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