無料ブログはココログ

本の紹介

« インドネシア産腐葉土 | トップページ | 画文集「熱帯雨林生命の森」 »

2013/12/20

森林ボランティアの語源

森林ボランティア。今では、ごく普通にこの言葉が使われている。

意味を簡単にまとめれば、「自らのものではない森林の整備をほぼ無償で行う市民およびその団体」……といったところだろうか。
なかには有償ボランティアもあるし、森林と言っても人工林から雑木林、さらに竹林もある。ときには棚田などもあって、森林化した放棄農地はどうなんだろうか……とか、考え出すときりがない。

さて、この言葉、いつから登場したのだろう。名付け親はわかっているのだろうか。森林ボランティアの発祥とか歴史は誰か把握していないか?

言葉としては、森林作業を自分の利益にもならないのに奉仕(ボランティア)で行うという意味をつなげて縮めたのだろう。
私は語感的にはあんまり好きではないが、森の作業を趣味的にしたい人々がいることを端的に表現する言葉としては優れていると思う。

私の記憶では、1990年代中頃には使われていたはずだ。確認してみたら、1997年に内山節さんの「森づくり政策市民研究会」が林政審議会に出した提言書に使われている。それより前に造語されたことになる。

もしかしたら、お役所用語、役人がつくったのかもしれない。そういや、森林セラピーとか木育なども出発点はお役所である。

では、いつ、どこを起点に森林ボランティア活動は始まったのか。

その点では、私は1974年の草刈り十字軍ではないかと感じている。これは富山県の180ヘクタールほどの造林地の下刈りを学生たちボランティアで一夏の間にやり遂げたものだ。ただ、正確には賃金を払ったので、参加者にはアルバイト的な感覚もあったという。

それが今風に広がって各地に団体が誕生したのは、おそらく1990年前後だ。
ちょうど、その頃は自然保護運動が活発になって、森林に関しても知床伐採反対運動や、海外ならボルネオ・サラワクの熱帯雨林伐採反対の声が世界的に広がっていた。

ただ、伐採反対を叫ぶほとんどが森に入ったこともない都市住民であった。その中に反対を叫ぶだけで飽き足らない人々が、自ら森に入り始めて、そこで森を守るには草木を刈ったり伐ったりしないといけないことを知り、自ら行動を起こし始めた……とまあ、こんな流れではないかと思っているのだが、誰か経験者や当事者、あるいは反論などはないか?

もちろんそれ以前にも、全国植樹祭の開催に際してグリーンスカウト(現・緑の少年団)の結成が行われたり、戦前にも青年団的な奉仕活動があったと断片的に聞いている。ただ、そこまで遡ると、ちょっと意味がずれてしまう。とりあえず、戦後の森林ボランティア活動に焦点を当ててみたい。

さあて、誰か情報を持っていないかね。

« インドネシア産腐葉土 | トップページ | 画文集「熱帯雨林生命の森」 »

森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

田中様、経緯などはこちらにまとめておりま すので、参考としてご覧頂ければ、と思いま す。なお、本文に記載の通り、草刈り十字軍 が有名ですが、古くは岩手県田野畑村の思惟 の森の会が一番古いと理解しています。 http://www.morinavi.com/contents04/vol01_01.php

ありがとうございます。よくまとめられていますねえ。1960年代に岩手県で早稲田大学が行っていましたか。

学校林は戦前からあった(というより、学校制度が生まれたときに生まれた)ので、これも起源と言えば起源なんでしょうが、ちょっと自由意志とは言えませんね。

ただ「森林ボランティア」という言葉はいつ、誰がつくったのかわかりませんか。

私は82年から87年頃まで、東京の草刈十字軍の中におりました。85年くらいまでは、「我々は請負の仕事をするからボランティアではないのだ」という意識が強かったのですが、「無償労働がボランティアではないのですよ」とどなたかに教わって、少し意識が変わって来たように思います。

田中惣次さんにお願いして東京都檜原村で活動するようになった頃には、森林ボランティアという言葉があったかどうかはともかく、意識はありました。

で、94年に水俣に引っ越してからは、そういう言葉も使っているように思いますが、その頃の記録があまりないのではっきりはしません。でも、現在の私の森づくりは草刈十字軍の活動を基礎にしていることは間違いありません。

学校林などは奉仕活動ではあるけど、ボランティア(=自発性のある人)とはちょっと違うのではないでしょか。

草刈り十字軍の参加者でしたか。

草刈り十字軍も、今は草刈りだけでなく間伐も行うとか。名前を変えないといけません(^^;)。当時はボランティアという言葉自体があまり広がっていなかったように思います。
有償・無償の線引きや、自由意志か否か、など厳密にはしづらい部分がありますね。

少し資料を調べてみましたが、四全総で「国民参加の森林づくり」が提起されて、そこに「ボランティア」という言葉は出てきて、それを受けて国土緑化推進機構が発行した「国民参加の森林づくりの進め方」(1989年)の本文中に、「森林ボランティア」という表現がありましたので、行政サイドからの定義付けでは、と思います。もう少し調べてみますが、取り急ぎ参考まで。

年越しでありがとうございます。

四全総となると、1987年ですね。89年に、言葉としては登場していましたか。
ほぼ同じ時期に伐って刈る森林保護運動が広がり始めましたから、それを受けて行政が名付けたのかもしれませんね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/58789703

この記事へのトラックバック一覧です: 森林ボランティアの語源:

« インドネシア産腐葉土 | トップページ | 画文集「熱帯雨林生命の森」 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

森と林業と田舎