インドネシア産腐葉土
ちょっと、じぇじぇじぇ! の商品。
ホームセンターで見かけた腐葉土である。
腐葉土の元、木の葉の減産がインドネシアだったことに驚いたのだ。
しかも、大きく「インドネシア産100%」と謳っていて、それが売り文句であるみたいだ。
別に熱帯のインドネシアに落葉樹があってもおかしくはないが、集めるだけの量が確保できるのか。
この種類だけではなかった。
説明文を読むと、タイ、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムの四カ国の落葉をミックスした厳選腐葉土、とある。
バングラデシュというのは意外だが、いずれも熱帯なのである。
腐葉土まで輸入する時代になっていたのである。しかも熱帯地方とは……。
ちなみに私は、以前中国産落葉による腐葉土を作っている会社を取材したことがある。いかに落葉を求めて中国に行ったのか、現地で集めて輸入するまでの苦労を語る社長の話は面白かった。だから落葉が輸入されていることは知っている。
ただ、扱う木の葉は、日本と同じナラ類を中心とした温帯落葉樹のものである。秋になれば紅葉して落ちるから、集めることは人手さえあればたやすい。
しかし熱帯では、明確な落葉時期はない(雨緑林などは乾季に入ると葉を落とすが……)。
しかも熱帯ゆえに、通常はすぐ分解されて落葉層が長く維持されない。そして、すぐ草木に吸収されてしまう。意外なことに、熱帯雨林の土壌は薄くて痩せているのだ。その上の熱帯ジャングルの巨大な蓄積は、栄養分を自転車操業しているようなものだ。
そんな土地で、落葉を集めることができるとは……。
何か、落葉が蓄積される場所のメカニズムがあるのか、あるいは独自の集め方を考えたのか。これは追跡したくなる。
……それにしても、腐葉土というのは曲者だ。落葉はある意味、昆虫や線虫など微生物や菌類などの住処である。日本に安易に持ち込めば、妙な外来種が上陸する可能性がある。
日本でも落葉は充分にある。ただ集めることが難しいのだ。
もし、身近に落葉が十分にある山があればビジネスになるだろう。大きく儲からないが、田舎暮らしには結構な収入になるはずだ。それこそ「国産落葉100%」と完熟を売り物にできるのではないか。
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ゴム林とか油ヤシ林なら、落ち葉集めも簡単では? 想像の話ですが。
投稿: 沢畑 | 2013/12/19 21:32
ゴムの木の葉はわからないけど、アブラヤシの葉は落葉になりませんぜ。 何かよい場所があるんでしょうね。
投稿: 田中淳夫 | 2013/12/19 21:48
これ、本当に マズイかも。分解力のある新種のシロアリなんか持ち込まれたら、たまったものではない。
投稿: き | 2013/12/20 08:52
放射能がないと言うことですかね?
投稿: 群馬の正 | 2013/12/20 09:33
一応、現地で1次醗酵させるので、醗酵熱で消毒効果はあるようです。ただシロアリはともかく菌類まで死滅するかどうかは……。
なお落葉輸入は10年ほど前から行われていますから、放射能は関係ないですよ。
投稿: 田中淳夫 | 2013/12/20 09:42
油ヤシの葉は無理ですか。だったらバガス?
投稿: 沢畑 | 2013/12/22 00:51
アブラヤシの葉は、見るからに腐葉土にしづらいと思います(^^;)。チップにすれば別だけど。
バガスかあ。サトウキビの搾りかすは糖分が多くて醗酵しやすそうだけど……。落葉というかなあ。
チークはどうでしょう。熱帯地域でも一斉林がつくられているし、乾季に葉を落とすそうですよ。
投稿: 田中淳夫 | 2013/12/22 10:54
今この記事を拝見し興味津々です。
東北などは国内有数の森林資源がありますが、それよりも海外の落葉を使用する理由はやはりコストで有利ということでしょうか?
「中国産落葉による腐葉土」取材で見えてきた情報がありましたら共有お願いします。
投稿: koba | 2019/01/14 10:49
これは5年以上前の記事ですね。
コストというのは、ようは人件費です。そこそこの日当を払っても山で落葉を集めてくれる人を確保するのが大変みたいです。
実は中国産落葉の輸入コストは日本と変わらないとか。安いからではなく、日本では集まらないから外国産なのですよ。でも、中国からの輸入が禁止になったらしく、東南アジアにシフトしたんでしょうなあ。
投稿: 田中淳夫 | 2019/01/14 22:37
外国産、特に熱帯産インドネシア産の腐葉土はセンチュウの巣窟です。
投稿: | 2021/10/25 08:14
そうでしょうね。センチュウと言わず、菌類など微生物の巣窟。普通なら海を渡れないはずの微生物が、輸入によって世界中に広がりパンデミックを引き起こす可能性があります。
投稿: 田中淳夫 | 2021/10/25 08:48