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森と林業の本

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2013/12/25

木材利用ポイントにCLTの「予言」は……

気がつけば年末。私の頭の中にはクリスマスは消えていたが、ちょっと今年を振り返る。

こう見えても、このブログではあんまり目先の林政は取り上げないようにしていた。その理由は、はっきり言って面白くないからだ。

それでも多少は触れることもあったわけだが……。

その一つが、木材利用ポイント事業。幾度か取り上げたもの、そのうち外材も解禁になるんじゃないの? と記した。正直、可能性は半々、いや6:4くらいの気持ちで。
でも、まさか,それほど節操ないかなあ~と祈るような気持ちだった(^^;)。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/05/post-274a.html

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/09/post-b6f6.html

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/10/post-c0f1.html

すると、いつのまにやら対象地域材の樹種が追加されることになったらしい。

これまでは、スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ、アスナロの8種だったわけだが、そこにベイマツ(米国産)が加わった。

なぜベイマツなのか、米国産だけなのか、という点が説明されないが、ようするに外材が解禁になったわけだ。いっそ、スギやヒノキもマツも(日本産)と書けば、面白いのに……。

一方で、CLT(直交集成板)の件。

こちらも大きな動きが。農林水産省はCLTのJAS規格を制定した。話題になって数年、これまでのお役所仕事からすると異例のスピードだろう。あきらかに政府の成長戦略に絡んだ強い後押しのおかげだ。

おそらく年明けにはJAS規格が施行、登録認定機関による製造業者等の認定……と進んで、JASマーク付きのCLTが市場に出てくる。果たして、国産CLTは、いつ、どこが、どんな商品として生産を始めるのかわからないが、木造ビル建設に弾みがつくだろう。

私は、CLTに反対しているわけではない。むしろ建築的には面白くなると期待している。ただ、国産CLTが本当にシェアを採れるのか(蓋を開けたらすべて外材CLTだったりして)、そこそこ取れるとしても、その国産品の原材料の価格はどうなるのか、が心配なだけだ。
どう見ても合板原料以上の価格にはなるまい。いや、もっと安くなる可能性がある。結果的に林業界には寄与しない(どころか値下げ圧力が高まる)ように思える。そして、ユーザーには木材とコンクリートビルとの区別もつかないで終わる。

さらに、在来工法を駆逐して、建築現場から大工を必要としなくなる可能性が高い。クレーンで吊り上げてつなぐだけなら、せいぜい鳶職の仕事だけだ。また中小の製材所も淘汰されるだろう。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/06/post-4805.html

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20131206-00030416/

さて、こちらの私の「予言」は、当たるか外れるか。

ほかにも、木質バイオマス発電に関しても書き散らしたが、いよいよ来年度から稼働し始める発電所が各地にある。さて、上手く稼働するか。その原料も、本当に未利用材だけか。赤字にならないのは石炭混焼と外国産木材を導入したところだけではなるかも……という、それらに関する私の「予言」はどうなるか。

また、いろいろ物議を醸した森林経営計画も変わった。賛成反対のさまざまな声はあれど、民主党政権下の大きな林政改革の一つだったのだが、自民党政権が返り咲くと、条件が見直されて、何やら森林施業計画との違いがわからなくなっている。

さあ、来年はどう展開するのか。

※ タイトル、文中の「予言」は、「思いつき」に置き換えてお読みください。あるいは「いちゃもん」でも結構です。もし外れたときは、「杞憂」です。

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