書店事情~キンドル版『森林異変』
意外と知られていないことだが~実は私も知らなかったのだが(^^;)~拙著『森林異変』のkindleキンドル版が発売されている。
いやあ、読者からのメールで気がついたよ(~_~;)。
版元に問い合わせたら、『森林異変』だけ出したそうな。いや、以前に電子書籍化に関する許諾を出したらしい(私も許可したらしい)が、忘れていた。
ただ図版などが入っているものは著作権者との交渉が難しいので、まだ電子化をしていないという。『森林異変』はなかったかな。
じりじり日本にも電子書籍が増えている。一定程度、今後も伸びるのは間違いなかろう。
私としては痛し痒し。キンドル版を宣伝したら書籍版の売上が落ちないか……とか考えてしまう。あるいは新たな読者の開拓になるのか?
しかし、本屋の売上がジリジリ落ちているのは間違いない。(拙著だけでなく、全出版界の傾向。) そして町の本屋も潰れていくか、あるいはDVD屋に衣替えしている。一方でネット書店の売上は伸びている。
昨年末に、某出版社編集者と話したのだが、私の本はこのところ売れていないそうだ(泣)。。。
ただ、そのデータは書店のものなのである。ネット書店のデータは、(とくにAmazonは)公開されていないからわからない。
拙著は、多分ネット書店で売れる確率が高いと思う。森林林業なんて隙間テーマの読者は全国に薄く存在しているのであって、大都市集中ではないだろうから。そして地方都市では書店が減っているから、購入はネットを使う確率が高い。
だから拙著版元から聞く売れ行きと、他社が調べた私の本の売れ行きは一致しないのだろう。
一方で、仕事も雑誌記事は減って、ネット記事が増えている。そもそも雑誌が減っているし、売れ筋がタイトになって、遊びのページが減っている。結果として、森林系の記事を掲載する余裕も減っている……と感じる。
こちらも痛し痒し。(ちなみにYahoo!ニュースはほとんど金にならないけどね。)
今後は電子化、そしてネット書店を無視して著述業は続けられないだろう。そんな出版界の現状に気にかけつつ意識しつつ、今年もお仕事しなくてはならない。
……本当は売ることは版元に全部任せて、取材と執筆に専念したいんだけどなあ。。。
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いいじゃないですか!
田中さんの考え方が、少しでも多くの本も買えない方々に無料提供されて拡散する訳ですから!これからは、一人一人の考え方が商品となり、賛同者が増えれば増えれほど言い訳です。
インターネットは、従来の価値観を木っ端みじんにします。
脱原発というのも、その後どうするの、ということを考えるきっかけです。
森林ジャーナリストは、もはや田中さんの特許ではなくなりました(笑)
1億総森林ジャーナリストかな?
投稿: しゃべり杉爺 | 2014/01/16 11:18
1億総森林ジャーナリスト?
え~ん、「日本唯一の森林ジャーナリスト」の肩書が使えなくなるよお(泣)。
投稿: 田中淳夫 | 2014/01/17 23:49