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森と林業の本

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2014/01/25

里山再生実験を開始!

生駒山に所有する山林の手入れを始めた。

わずかな土地ながら、雑木が密生し、決して状態は良くないことから、ばっさり皆伐して里山再生実験にとりかかることは、昨年にも表明している。ただ狭い土地に結構な大木があり、これは私の手に負えないことから「誰か助けて」とSOSを出したところ(^^;)、さっそく手を上げてくださった方々がいる。そして、今日は第1回目の伐採となった。

来てくださったのは、日本森林ボランティア協会の久保、高尾、山本の3氏。久保さんは林業のプロで後の二人もセミプロ級の腕前&経験者。

私の計画では、数本の大木を母樹もしくは景観用に残して、あとは例外はあるが基本的に皆伐する。ただ落葉樹でその後育ちそうなものはいくらか残す、というものだ。たとえばサクラは幾本か残すとか、隣地の境にある木はほどほどに残す、また、どうにも伐れない木もあるだろう。とにかく林床を明るくすることが大テーマだ。

久保さんはもっとも難儀な道沿いの大木に特殊伐採(木登り伐採)で挑んだ。これほど分岐していて、道に太い枝を伸ばし、しかもそこに電話線が通されている……という悪条件。下手に枝を落として電話線を切断したら大問題だし、道をふさいでもまずい。重心はどこか見極めつつ、ロープをかけてチルホールで引っ張り……大変な作業となった。

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私は、特殊伐採を幾度か見学しているが、改めて事前に十分に重心を読んで、安全に気を配り、あらゆる事態を想定をしつつ丁寧な作業をしなくてはならんことを思い知る。

いやあ、特殊伐採、甘くはないわ。木登りできていいな、というレベルではない。

今日は3本の枝(と言っても、直径30センチ級だが)を落とすのが精一杯。なかには、かかり木したり、最後の一線が伐れなかったりと苦労したが、終わりよければすべて良し(^o^)。

さて、私を含む3人は、中小木を伐る。

私もチェンソーとナタでばんばん伐るが、やはり伐る度に、あっこれはナンテンだ。残そうかな…。あっいい匂い、ヤブニッケイか…。ソヨゴの赤い実が可愛いな…。高さ3メートルもあるアオキは立派だから伐りたくないな…。この痛い刺だらけの木はアリドオシか、久しぶりに見るな…。そんなことばかり考えてしまう。木を伐るのは快感であると同時に、やはり生命体を殺す行為ではあるのだから痛みも感じる。

それにどの木を伐るか残すか、迷う。何度も立ち止まって周りを見渡して、考える。

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この木は、随分前に折れたらしいが、その後再び萌芽が育って幹になっていた。しかも折れた部分も含めて再び芽を出していた。写っていない右下に伸びる幹は、再び立ち上がっているのだ。

そのたくましさにちょっと感動する。

 

木を伐って森を守る」という言葉がある。かつて私が多用したのだが(^o^)。

考えれば、一本の木を伐ったら命を奪うように感じるが、奪ったはずの木が再び芽を出して育ったり、その木がなくなることで別の草木が生えたりする。森林としては多様な生命を増やし勢いを取り戻すこともある。これは、一種のよみがえりだ。

森林にいると、多様な草木・昆虫・動物を目にして、何をどうするか迷って、失敗しても、まあまたよみがえるからやり直せるさ、と納得して(悟って)。
ようするに、AかBかと絶対的な選択ではなくなんでもありで、失敗してもやり直せばいいさ、とあっけらかんと考える。こういうのを「森林の思想」というのではないかい?

ああ、だから私は森林が好きなんだ\(^o^)/。

Photo


伐採前のブッシュ状態。

 

 

 

 

 

 

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伐採後。

春までに一応の伐採を終えて、森にどんな変化が現れるか(よみがえりを見せてくれるか)楽しみにしよう。

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コメント

何にしろ、お疲れ様です

その森林の思想に一票!

本当の「お疲れさま」は、ボランティアの皆様です。でも、また来てもらう(^o^)。

なあなあで、ファジーで、やり直しが効く森林の思想、広げましょう!

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