朝日新聞に馬搬コラム
昨日の朝日新聞の「ザ・コラム」欄に、遠野の馬搬が取り上げられていた。
なかなか大きな紙面で、下二段ぶちぬき。筆者は、編集委員の大久保真紀記者。
今年が午年であることに引っ掛けて、遠野で人と馬の協働する社会をめざして活動する若者3人がいる……という切り口で、遠野馬搬振興会のメンバー(岩間さん、伊勢崎さん、菊地さん)を紹介している。
馬搬は、これまでの紹介したとおり、馬による原木の搬出である。重機を使わず、道も入れずに木材が出せる環境に優しい方法であることを売り物にしている。
3人は冬は林業、春夏は農業を馬とともに行おうとしているのだ。農業も無農薬の自然栽培だ。
記事には、そんな夢みたいな生き方に示す周囲の厳しい目も紹介しつつ、「名馬に癖あり」「天馬空を行く」ということわざに触れて、癖のある「3頭の馬」に未来に期待を寄せている。
まあ、メンバーを知っている私としては、コメントをしにくい(~_~;)のだが、ちょっとだけ。
記事にもあるが、「金があると失うものがある」と、清貧の生活を描いている。
私もそんな痩せ我慢のセリフを日々吐いているが、実は馬搬の木をブランド化して販売する計画が進んでいて、馬が運び出した木材で家具をつくったり、馬搬による薪……などを高付加価値化しようとしている。
別に馬搬の木だからと言って、木材としての機能が高くなるわけではなく、環境に寄与していることのほか、馬の優しさとたくましさを併せ持ったイメージを最大限に活かそうという戦略だ。当然、それを買うのはお金に余裕のある人になるだろう。
思えば、薪ストーブを好む人もお金に余裕がある人が多い(あくまで都会で薪ストーブを持つ人、ですよ。舶来性のン十万円する薪ストーブを備えて、一晩燃やすだけで何百円も消えてしまう薪をふんだんに購入する人のこと。)。
馬のイメージも、乗馬クラブとか、競馬の馬主など、お金持ちが楽しむ暮らしだろう。
何も皮肉を言いたいのではなく、馬搬とか木製品とかのターゲットとなるのは富裕層だということだ。このことを忘れては成功しない。だから清貧と富裕の協働(~_~;)である。
それに3人とも、あえて清貧になろうというのではなく、金より面白いもの(馬搬や農業)を発見したぜ、ということだと思っている。
「金もうけを最優先にはしない」けど、金だってほしい(笑)。私も、この精神を馬搬から学びたいと思う。。。なんのこっちゃ。
« 投機と投資、資本と資産 | トップページ | 告白・里山を観察する理由 »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- トランプ米大統領と、緑の植民地主義(2025.01.21)
- 阪神大震災、改めて思い出す(2025.01.17)
- 雪化粧。そして、うぴ子(2025.01.12)
- ジビエ嫌いのジビエ・ビジネス(2025.01.11)
- 森の奥で根っこを張る(2025.01.05)
コメント