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2014/01/23

「老木の方が生長が早い」研究結果から

科学誌ネイチャーに掲載されたアメリカの研究チームが出した「老木の方が生長が早く、二酸化炭素も多く吸収している」研究結果は、各所に波紋を広げているようだ。科学誌の中でも慎重だとされるネイチャーに発表されたのだから、確度はそれなりに高いと思う。

http://www.afpbb.com/articles/-/3006698

なんたって、今の地球温暖化防止のための森林政策は、古い大木より、若く小さい樹木の方がたくさん二酸化炭素を吸収するという前提で、森林の若返り=二酸化炭素削減を推進しているのだから。

私も仰天。以前、年取った大木は、光合成による生長量(炭素吸収量)より呼吸による分解(排出)量の方が多いのなら、大木は徐々にやせ細る?と考えたことがある。

まさか、そんなバカなことはないだろうから、せいぜい生長しないだけと思っていたが、どうやら大木はそれなりに生長を続けて、さらに太っていたということになる。

この研究では「大気中のCO2の削減については、大きな木のほうが良い」と結論づけている。

研究チームは、6大陸403種の樹木67万3046本のデータを分析という。おそらく、この中に日本の木も入っているんだろうな。ただ最高齢の木は樹齢80年だというのは、ちょっと……。80年くらいでは老木と言わないでしょ。

一方で、「樹木の「大小」という言葉は、同じ樹木の種の中で相対的に表現した。例えば、セコイアオスギの場合では、幹の直径が3メートル未満は「大きい」とみなされなかったが、他の種では直径50センチを超えると「大きい」と判定される木もあった。」とある。直径3メートルの木が80年で育つとは思えないのだが……。

ちょっと、この記事は不明確。誰か、原論文を読んでみてください。。。

林業的には、現在は伐期を80年にすると長伐期扱いだが、植物学的にはもっと延ばす必要があるのかもしれない。

魚や家禽・家畜などの飼育では、養育期間と餌代などから最適期間を導いている。とくにニワトリなどはブロイラーと呼ばれるように、成長がピークの時期に出荷する。
仮に人工林を木材の養殖に見立てると、時間、コスト(植林・育林代)、収穫量(=利益)をグラフにして、もっとも最適な伐期を計算する必要がある。

たとえば樹齢100年150年くらいが、もっとも効率のよい木材養殖期間だとなったら……科学的知見を取り入れるのが苦手な林業界だが、少しは考慮してみてほしい。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

元文は「Rate of tree carbon accumulation increases continuously with tree size」
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature12914.html
本文も読めますね

ざっと読んだだけですが
古い林分の方が炭素蓄積が大きい事は分かっていたが、その中身を見てみた、という位置付けですね
方法としては、各国の研究者にデータを提供してもらってまとめて解析してみた結果です

個体の成長を絶対量で評価している(重量/年)ので、大きいほど葉量が多いことが効いてるんじゃないでしょうか

ちなみに古い林分で炭素蓄積(吸収ではない)が大きい事は林床の寄与が大きく、伐採によって林床の有機物が分解される事が二酸化炭素の大きな放出となっていることが自明の前提となっています

著者が30人位いますが、たぶんデータを提供した人が全員リストされていると思います
日本人らしき名前が無いので日本のデータは含まれていないのでは?
Fig2に、アジア:中国、マレーシア、台湾、タイ、って書いてありますね

ちょっと前からこういうの出てきましたね、日本ではまだマイナーでデータの囲い込みがひどいですが

「ネイチャー」のサマリーだけでもネットで読めるんですか。一応、有料の論文誌だと思っていたのに。論文本体も、誰か読んでくれないかな。

あとでゆっくり目を通しますが、データの解析だけで、さほど新しい研究ではなさそうですね。

要旨が無料で読めるのは全ての学術論文で基本ですが、これは本文も全部読めましたよ(読んでませんが)

基本有料ですが、戦略的に一部の論文を無料にして、客寄せしてるんだと思います(印刷・保存やPDF不可などを駆使しつつ)
ですのでいつまで無料か分かりませんから、読むならお早めに

あれ、本文も? もう一度確認しよう。でも、読む元気はないかな(^^;)。

ただ全体として、タイトルほどにセンセーショナルなことではなく、これまでの研究&常識をなぞった感じがしました。
むしろ読み手が考えなくてはいけないですね。これまで高齢木は伐るべきとしていた主張があやふやになる。

この論文の新しいところは、炭素「吸収」を目的とするなら、高齢木は伐るべきでない、という結論を出したところでしょう

これまでは、炭素「隔離」では高齢「林分」が効いてるという事は分かっており、その一因は林床の倒木・腐植といった分解時間の長い炭素であることは分かっていたわけです
この論文では、地上部について検討しているところが新しいんだと思いますよ

着葉量が大きいので、物質循環的には、リター生産、つまり腐植形成への寄与が大きい事と、個体サイズが大きいので遮蔽効果が高く入射による地温上昇と吹送による地表の二酸化炭素濃度の低下を防いでいるんじゃないでしょうか?
生態的には、遮光によって中低木の死亡率を上げて倒木を増やしているとか?

特に日本語に翻訳されて、短く報道される時は要注意と思っていたので、森林の専門的な事がおわかりの「か」さんが訳して頂けないかなぁと思っていました。
森林は特に各々多様ですし、日本の場合はどうなのかがわからないと判断出来ないと思っていますが、どういう方面の力が働いているのか、いないのか気になる所です。
が、それ(CO2)より、森林には大切な事があるよね!と思って、深追いするのをやめました。単独の樹木だけで判断出来ませんしね。データは、欲しいですけどw

木、そして森の大切さを二酸化炭素の吸収源として示そうとしたところに無理がありますね。あまりに不確定要素が多すぎる。
そして生体だけでなく、腐葉土など土壌内の炭素や微生物の活動まで考えないといけないから、ほとんと計算不可能になる。

老木もよく生長している。これでよしとしますか。

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