杉カップ
昨日紹介した「雪の中の焚火」を行ったのは、兵庫県三方郡新温泉町のokwoodこと、奥田泰三さんの工房である。
彼は、森林組合作業員から独立して木工を始めたそうだが、特徴は主にスギやヒノキを素材とすること。最近はオーダーの家具(折り畳み脚立やイスなど)も力を入れているそうだが、目を引いたのはろくろ細工物であった。
軽い。手触りが温かい。
熱が伝わらない(熱いものを注いでも持てるし、冷たいものを入れても結露しない)。
ビールの泡も消えにくいという。
何より、口を寄せると、プン、とスギの香りがする。
通常、この手の木工は広葉樹の硬い材を素材とする。スギのような針葉樹材の中でも軟らかいものは利用しないだろう。
だが、こうして実際に手にとると、スギならではの木目がなかなかの味を出している。しかも軽さ、軟らかさが広葉樹材のカップと違った魅力。
実は、我が家にはいくつか木のマグカップがあるのだが、それらとは別の使い心地だ。把手がないので、日本茶や日本酒にも向いているように思う。
実は、このカップはいただいた。買おうとしたのだが、これは受注してつくったうちの失敗作で手元に残したものの一つだとか。パッと見にはさして欠点は見つからないのだが……。
仮に購入しても1200円だという。一般に販売されているものと比べてかなり安いのではないか。
冷静に考えると、スギ製は軽い代わりに耐久性は多少劣るだろうし、あまり長く液体をカップ内に入れておいたり漬けておくと、木肌に染み込むだろう。が、それも使いようだ。
何より木目が強く浮き出たり心材の色合いが広葉樹材と違うから、新しいデザインが可能になるような気がする。
もし興味があれば、http://okwood.net/
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