教室の窓から~木造校舎の利用法
鹿角で訪れた森林セラピー基地を運営しているのは、NPO法人かづのふるさと学舎で、その拠点とするのが、旧中滝小学校(だったっけ?うろ覚え)。
その中にある「森のカフェこもれび」の窓から見た風景である。
ようは古い教室を利用しているのだが、よく見ると外はサッシながら内に木製の窓枠を残している。こうして教室の窓から雪景色を眺めるのは、なかなか心地よい。
私も、こうして教室の窓からの景色を見て、いろいろ空想の翼を広げていた時代があったことを思い出す。(~教室の窓から見る秋は、いつも不思議に光っていた、というメロディ♪が浮かんでくる(~_~;)。
私は、小学2年生まで2階建ての木造校舎で過ごし、その後は鉄筋コンクリートの校舎に移った。そして木装は取り壊されて、3階建て鉄筋校舎に建て替えられた。生徒数激増のためである。まあ、私くらいの学年が、木造校舎を経験した最後に近いだろう。
すでに世間では木造校舎を体験した年代の方が少なくなっているのではないかと思うが、それでも若い世代までが木造校舎に郷愁を感じるようである。
都会の学校は建て替えが進むため木造校舎もほとんど残っていないが、地方では学校そのものが廃校になるケースが多く、校舎も残りやすい。その中には木造もそこそこある。(もっとも、廃校直前に、無理やり「立派な校舎」に建て替えるケースもある。ごり押しでコンクリート建築にしたものの、数年後に生徒がいなくなり廃校……という道を歩むのである。)
それらの校舎の転用が課題になっている。公民館なり自然学校なり福祉施設なり、地元の用途に使うほか、個人に貸し出し、たとえば木工作家が校舎を工房にしていることもある。それもまたよかろう。
だが、せっかくなら昔の教室そのままの雰囲気を漂わせた一室をあえて残すのはどうだろう。
訪れた人は、その教室に入り、席について小学生時代を思い出すのである。なんなら校長室を再現して、「一度校長のイスに座りませんか」と呼びかける。
いやいや、やっぱり必要なのは保健室。ベッドがあって、消毒液の匂いも漂わせる。担当者は若い保健の女センセイだね。ここで休憩してもらうと癒される? 悩みや愚痴も聞いてもらう。危険な香りも……(~_~;)。
認知症患者向けUh、「思い出療法」があるらしい。昔の写真などを見てもらい、若いころ、幼いころの記憶を呼び覚ますと治療効果が出るそうである。
セラピーというと、すぐにストレス過多な人や鬱症状向けをイメージするが、高齢者福祉も含めてもよい。あるいは、一見元気な大人向けに人生振り返る「思い出」の断片を振りかけるのも悪くない。
森林セラピーのネタは森林にあらず、だ。
こちらは、鹿角花輪市街に残された旧花輪小学校。
公会堂にもなったそうだが、今は民俗資料館などになっている。
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