森に湿原をつくろう!
ここんところ雨続きだったので、出歩かずに運動不足。
ただし、山に分け入ると、昨日までの雨で濡れているだろうから汚れてしまう。そこで今日は遠くまで散歩に出かけた。そこそこ路のつくられた公園地である。
長さ280メートル、高さ50メートルと、日本でも有数の規模である。
山の景色はまだ静かだったが、樹木の葉芽、花芽ともに膨らんでいたから、そのうち一気に賑やかになるだろう。
さらに距離を伸ばして、湿原にも足を運んだ。
すると、こんな花が。
水芭蕉?
「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬……」と歌になっているから、初夏の花のように思ってしまうが、生駒山では春の花だった(笑)。
湿原も、これから賑やかになるだろう。
この湿原は、谷間の棚田を利用してつくったものだと思う。それが、結構周囲の森の景色にはまっている。森の中の湿地は絵になる。
……それで思いついた。
昨日のYahoo!ニュースでは、小規模皆伐で森林地域内に草原植生を作り出すアイデアを紹介したが、草原と森林の二つの生態系だけでは足りない。もう一つ、湿性植生も欲しい。川や池でもよいが、やはり豊かな生物が育まれるのは湿原だ。
湿原という水辺をつくれば、水源涵養を誇れるだけでなく、一気に動植物の多様性は増す。とくに水棲昆虫や植物が増える。ホタルを森林内に群舞させることも夢ではない。おそらく野生鳥獣も水場として求めるだろう。
皆伐で草原なら、放棄棚田に湿原をつくらないか。雑草雑木を伐り払い、少し水が溜まる窪みをつくって水を流れ込むようにすれば、あとは時間がつくってくれるだろう。これで里山の生態系はぐっと多様になる。
いや人工林だって試みる可能性はなきにしもあらず。結構、山林内に窪地は多いからだ。しかも多くのせせらぎもある。少しせき止めるだけで湿地ができる。
その周辺には、湿気に強いスギのほかコウヤマキとかヌマスギ(ラクウショウ)を植えるという手もある。カツラやブナなど広葉樹を植えて景観をよくするのもいいか。
FSCの森林認証には、林業地であろうと、一定面積の天然林を確保することが求められるが、その延長で湿原をつくってもいいのではないか。もともと水系のあるところになるから、おそらく木材生産にたいして影響しないはずだ。
……そんなことを考えながら、せっせと歩いていたのである。
気分すっきり。
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