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森と林業の本

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2014/03/18

ホワイトウッドも木材利用ポイントに!

3月13日に、木材利用ポイント申請数が2月は1万件を超えたと記した。

まさか、その翌日にこんな告知が(ひっそりと)行われるとは思わなんだ。。。

対象樹種にオウシュウトウヒが追加されたのだ。

http://mokuzai-points.jp/newsrelease/20140314.html

加えて対象工法にも追加があるが、これが複雑怪奇で、都道府県ごとに違っているのか何を意味しているのかわからない。こちらは保留。

なおオウシュウトウヒとは、ようするにホワイトウッドである。ブルータスならぬホワイトウッドよ、お前もか! と言ってみたくなる。

昨秋のベイマツ(アメリカ産)に続いて、いよいよ外材が本格的に解禁である。まあ、アメリカだとかオーストリアなど国を限っているのはあんまり意味はないだろう。森林認証などで産地は特定できるのかもしれないが、日本に入ってきたらわからん。

「平成26年4月1日から平成26年9月30日までに工事に着手したものがポイント付与の対象」だそうだが……。

考えてみれば、もともと木材利用ポイント制度は、国産材に限っているわけではなかった。2月27日版から引用すると、次のような条件がある。

【対象地域材の樹種の要件】
① 資源量(蓄積量)が国単位で増加している樹種であること
② 農山漁村地域の経済に対して大きな波及効果があることが明らかな
樹種であること

つまり、外材であっても、それらを説明する科学的データを出して、上記の条件を満たせばよいわけだ。アメリカ産ベイマツもオーストリア産オウシュウトウヒも、資源量が増加していて、事業の目的に照らし適切だと認められたのだろう。外材だって農山漁村の経済に貢献しているのだろう(笑)。それを都道府県が推薦したのだろう。

考えてみれば、日本は、WTOの原則に照らしても国産材だけを優遇することなどできない。自由貿易に反すると抗議があれば、林野庁も腰砕けになるのだろう。

が、私は、アメリカやオーストリアの抗議に折れたのではないと考える。
圧力をかけたのは、原産国よりも日本のハウスメーカーだと見るべきだ。ベイマツもホワイトウッドも、それを多用して住宅建設しているのはハウスメーカーである。軸組構法だけでなく、パネル構法も解禁されているし。おそらく、どこかのメーカーの一つ(いや二つ?三つ?)が外国にご注進して圧力をかけてもらったというのが真相に近いのではないか。

もちろん、中小ビルダーだって米材や欧州材を使っている。国産材だけで住宅を建てるビルダーなんて、圧倒的に少数派だ。国産材しか使わない業者なんて変わり者扱いされてしまう。つまり建築業界は、外材を解禁したら喜ぶ業者がはるかに多いのだ。

加えて消費税増税で住宅建設は縮小することが予想されるが、そこにてこ入れして住宅建設を少しでも増やすためには、外材でも何でもいいから特典を付与することだ。

つまり木材利用ポイント制度は、結果的に住宅建設業者を喜ばす制度であって、国内林業振興は後回しになったのである。当初の意志はともかく、もはや景気の下支えの一手法になったのだ。その意味では、林野庁の手は離れた。

……しかし、こんなことになるなら、さっさと打ち切ったらどうかね。もともと奇手に過ぎないのだから。こんなポイント制度で林業は振興できんよ。

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