板紙の世界
先のバイオマスセミナーを行った、大阪南港のATCエコプラザ。
ここには、様々な企業などの環境技術を紹介展示しているのだが、こんなものを見かけた。
この上にチラシなどを置いている。ある種のサイドボードと言ってもよいだろう。
見た目は、合板かパーティクルボードのよう。
が、ちょっと動かすと……。
で、この素材は明らかにダンボールである。
そう、ダンボール家具であった。
実は、昔、長く使っていたカラーボックスを始末するために分解したことがあった。ボックスは、表面は色のついた紙で覆われているが、おそらく内部は
パーティクルボードだと睨んでいた。小さく割って、捨てるつもりである。
が、分解して板部分を割ると、なんとダンボール製だった。芯まで紙だったので驚いたことがある。
それは大学生の頃に購入したものなので、なんとダンボール家具を 20年以上使っていたわけだ。そして、そのことに気づかなかった。
ダンボールと簡単に言うが、正確にはこの素材は板紙(いたがみ)というそうだ。分厚くそれなりの強度のある紙のことを指す。
ダンボール(段ボール原紙)は、その一部であり、家具に使うような板紙は、紙器用板紙といい、さらに白板紙(白ボール)や黄板紙(黄ボール)、チップボール、色板紙などがある。
また雑板紙という分類もある。
さらに細かな分類もあるようだが、なかなか紙の世界は奥深い。ただ、
重要なのは、再生紙を主に使うのは、こちらの分野ということだろう。なにやら古紙を使えば環境に優しいとされがちだが、コピー洋紙のような分野に無理して古紙を使う必要はない。それこそ漂白などに手間をかけて環境に悪いかもしれない。
つまり、古紙利用率の高い板紙は、森林から収穫する木材資源の最終的な行き場所だ。この後はあるのだろうか。燃やして熱利用するだけだと思う。
だから、板紙の世界も、もう少し注目しておきたい。
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