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森と林業の本

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2014/03/05

製材売れ筋のトレンド

沖縄、秋田と訪れた土地の人物を紹介したので、さらに遡って島根では……と考える。

隠岐に吉野杉を伝えた人とか面白い人も浮かぶのだが、むしろ先日の益田訪問で逢った人を思い出す。某大物芸能人のマネージャーをしながら、製材工場を経営しているという、異色の経歴の持ち主であった。

で、その製材工場で見せていただいた羽目板である。

Photo


見た通り、無節。色もいいし、なかなかの逸品だ。2メートル以上の長さがあるのに、まったく節が見当たらない。

触ってもツルツルとしていて、気持ちよい。

ところが、この板は、あまり売れないそうである。






一方、こちら。

Photo_2


同じ工場の羽目板。

こちらの方が断然売れるそうだ。

一目でわかる節が点々とある。しかも死節だ。

ただ、まだ抜け落ちていないのでいいとか。




もっとも、裏がある。

実は、価格は無節ものの半分以下。売れ行きの良さは、やはり値段の差もあるだろう。

しかし、それだけか。昔なら高くても無節は売れたという。いや、無節ものとの価格差は2倍で済まなかった。価格差は縮まった方だろう。
今は、多少の節はデザイン扱いになって、むしろ節がある方が自然、という声まである。

おそらく両者のコストパフォーマンスに変化があったのだ。節の有り無しに関わる手間とか資源量が、そのまま価格に反映されにくくなっている。

そう考えると、どちらを購入するのが得だろうか。

時流に乗るなら節ありかもしれないが、あえて無節の羽目板を購入した方がお得感があると考えることもできる。

そのほか、この工場では「焼きすぎ」じゃない、焼杉の板も作っていた。

2

なんだか懐かしいような昭和の素材で、もはや姿を消したかと思っていたら、今だからこそ結構売れるそうだ。レトロな雰囲気を演出するのか、あるいはこの素材感が新しくなったのか、一定の需要が生まれているそう。

この点からも、売れ筋の変化を感じる。


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