木材利用ポイントと木材価格
もうすぐ木材利用ポイントがスタートして1年。
昨秋の申請数は、あまりに低くてびっくりしたが、その後態勢を整えた?のだろうか。1年延長も決まったことだし、予算はまだまだあるはず。
事務局の集計を見ると、たしかに申請件数はうなぎ登りに増えている。昨年末には6500件を超え、とうとう今年2月件数は、1万件を超えた。(木造住宅の新築と内外装の木質化が9233件、木材製品やペレットストーブなどの購入は816件)
そりゃ徐々に告知も進んだろうし、なんとベイマツを解禁し、木質パネルもOKにしたのだから申請はずっと楽になったはず。何より4月からの消費税増税に向けて、建築の駆け込み需要が起きたのだから申請も増えただろう。
ところで予算は、今年度が410億円。来年度は155億円。
仮に1月1万件がすべて満額ポイント60万円分をゲットしたとしたら、60億円。1年間同じ調子が続いたら840億円である。おお、完全にオーバーだ(笑)。ま、半分くらいと考えるとちょうど予算規模に近づく。
が、消費税増税が始まれば、着工件数は確実に落ちるだろうから、その中で申請件数を伸ばすというのは……。増税分をポイントで払い戻すとアピールすれば飛びつくかな?
一方で、国産丸太の取引価格は、いよいよ下落し始めたようだ。
円安(外材の価格上昇)と消費増税前の駆け込み需要で住宅の建築に国産材を求める量が増えて、丸太の価格は昨夏から年末にかけ大幅上昇したのは周知のとおり。だが、増税が目前に迫り、製材業者の調達意欲が落ち始めたのだろう。
日本経済新聞11日の記事によると、全国森林組合連合会がまとめた国産材(丸太)の2月の平均価格は、杉の柱用が、前月比6%安くなった。ヒノキは2%下落。もっとも大分県や愛媛県の原木市場では2~3割も下げたという。
丸太需要のピークは過ぎたのだろうな。すでに住宅着工件数は2ヶ月連続で落ちているというし、製材品の価格もそろそろ頭打ち。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/pdf/mokuzai_kakaku_1402.pdf
さあて。こうした事情をどう読んで、どう展開するかが事業主の腕の見せ所である。
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