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2014/05/15

札幌の都市林・円山に登る

せっかく札幌に滞在するのだから、と訪れたところがある。

 
円山公園だ。
 
地元の人なら知っているだろうが、公園と言っても、そこには円山という山があり、国の天然記念物に指定された円山原始林がある。標高は225メートルと低いが、その一角だけ森林地帯なのだ。(公園内には隣接して北海道神宮や球場などもあるが。)
 
大都市内の原始林ということで気になっていたのである。(本当に手つかずだとは思えないけど。)
 
最初は、麓を歩いて森の様子を伺えばよいかな、と思っていたのだが、気がついたら登っていた(~_~;)。
 
20
 
 
こんなカツラやハリギリなどの大木が並んでいる。
 
山麓から、大木ぞろいで、深山の雰囲気を漂わせるのは心地よい。
 
なかなかの迫力だ。とくにカツラは私の好きな木だし、新緑が心地よい。もっともよい季節かもしれない。
 
 
3
 
リスも多くて、よく見かけた。
写真は、エゾシマリスだろう。ほか、エゾリスも見た。
 
人を見ても、あまり逃げない。なれているのだろうか。
 
それでも野生動物が見られると、ああ、いかにも原始林だ、という気にさせる。



 
4  
 
頂上に着いた。
 
なかなか見事に、新緑の真際まで都会が押し寄せてきている様子が見て取れる。
 
汗はかいたが、登山というには楽な道だから、市民も気軽に登っているようだ。
 
実は、幼稚園の遠足にぶつかった……。
 
それ以上に勘弁してもらいたかったのは、隣接球場で試合をやっているらしく、鳴り物入りの応援合戦の様子が丸聞こえだったことだ。
森の中を歩いている、それも原始林……という条件なのに、そこに響く太鼓と謳うような応援エールは気分を害するなあ。。。いかにも都市の中の森という気持ちには、なれるけれど。
 
 
それはともかく、私は、最近「都市林」について興味を持っている。ただ、都市林の定義も含めてなかなか難しい。
 
というのは、私が考える「都市林」とは、良好な森林環境を保有していて近隣の都市住民が散策などで林内に入りリラクゼーション的価値があると同時に、人の営みもある森林である。具体的には林業を行っていることが望ましい。
 
ヨーロッパでは、都市林で林業するのは珍しくないそうだが、それに似たものが日本にはないかと探しているのだ。
 
残念ながら林業を行う都市近郊の森というのは日本ではほとんど見られない。
 
ただ近年まで行っていたものとして、奈良の春日山原始林はそれに近いと思う。
円山と同じく原始林と呼んでいるが、明治時代から奈良公園の一角として、林業が行われてきた。そして利益を上げて公園の維持資金にもなってきたのである。(その仕組みを作ったのは土倉庄三郎なのだが。)
 
今は見る影もないが、春日山の裏手には、まだ人工林地帯も残っていたはずだ。
 
円山は明確な林業を行っていないから、私の都市林の定義から少し離れるが、大都会に隣接している点で興味があった。
 
それに奈良市の人口は30万人程度なのに比べて、札幌市は190万人である。
 
この森が、札幌市民にとってどんな位置づけなのか興味のあるところである。森と人の関係を考えるなら、都市と隣接した森が、住民とどんな関係を築いているか見るのは、直接的でわかりやすいのではないだろうか。
 
本当は、管理上伐採して景観づくりをしつつ、そうした木を定期的に出して利益を得ることで、林業の存在を市民にアピールしてほしいのだが……。
 
その方が、よほど環境教育などの木育に加えて、林業の価値を世間に伝えられると思うけどね。
 

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

おお、札幌ですか。
円山公園ほど有名ではありませんが、旭山公園に行かれたらどうでしょう。公園として整備された部分の周囲には、私には原生林と見えた森があります。100年ぐらい前は、牧場だったこともあるようですが。
十分、『遭難』できます。

いや、あの、遭難が目的ではないのですが……(~_~;)。

旭山公園も、地図上で見ています。
以前、野幌森林公園に行きました。こちらも「原生林」ぽく残る広大な森がありますね。さすが札幌、郊外に「都市林」はいくつも広がっているようです。

札幌中心部から南南東に約16km。「白旗山都市環境林(約1,100ha)」があります。
札幌市民の認知度はとても低いですが、市民が散策、山菜採り、ランニング等を楽しむ一方、管理上伐採して景観づくりを
しつつ、そうした木を定期的に出して利益?(赤字ですが)を得る「林業」も行われています。
クロカンコースが設置されているので、冬季は様々な大会が開催されています。歩くスキーやスノーシューで散策を楽しむ
市民(ごく少数ですが)も、、、
機会がありましたら、次回は是非お立ち寄りください。

少し調べました。いいですねえ。円山や野幌とともに札幌市を包むように森があるんだ。それに1000ヘクタールを越える都市林は、本州では難しい(^^;)でしょう。
何より、「林業」を行っているというのが魅力的。次のターゲットにしよう。いきなり訪れても林業現場まで見られるかどうかわからないけど。

しかし市民の認知度が低いのはもったいない。

北大の構内にも原生林がありますよ、行ったことないですけど
平地の原生林だと、帯広にもあったかと思います
千歳市等の防風林も伐り残しという意味で原生的だと思いますが、幅が狭いので森ではないですね

北大構内ですか……北大の苫小牧研究林(演習林)は、都市林として有名ですね。町の中心部に近くて、市民も入れる上に「林業」もやっている。研究のためですが。

苫小牧の人口はどのくらいか知りませんが、できる限り大都市(来訪人口も重要です)における都市林の可能性を探りたいのです。

苫小牧研究林は火山噴出物が厚く堆積しているので、貧栄養で全然木が育たず、ほとんど林業はしてないと思いますよ
それに山菜やキノコ採りでの一部の方なんか、「うちのおじいちゃんが夜になっても帰ってこないから探してくれ」なんて電話で学生から職員から総動員で捜索とかがたまにあって、大変らしいですよ
「研究のため釣り禁止」って看板あるのに釣りしにくる方とか、「市民」っていろいろですよね

それは……(苦笑)。

林業と言っても収益はほとんど上がらないでしょうが、施業は行っていると書いてありました。今は、行き詰まったのかな。

森の管理の要諦は、実は「市民」との協働と相剋かもしれん。

野幌は若いときに行ったことがあります。懐かしい。
当時は、北海道の広さをよく理解しておらず、一周しようとして、丸1日歩き続けたような記憶があります。行けども行けども森が続いていました。
林業をやっているようには見えませんでしたが、過去はどうだったのか。
もう一度行きたいです。

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