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森と林業の本

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2014/05/31

外資系投資銀行と森林組合。またはムーミンライフ

上記のタイトルを見て、どのような想像をしただろうか?

 
ははん、外資が日本の森を買おうとして、それをなんとか止めようと抵抗しようとしている森林組合の苦闘か。。。
いや、外資が日本の森を買おうとして、それに乗じて山林売り飛ばし儲けようとしている森林組合がある! とか。。。
 
どちらも間違い。焦点は後半のムーミンライフにあるのでした(笑)。
 
実はフィンランドから女子大生のメールが来た。最初は8カ月前だが、今度は帰国したとのこと。
 
東京の大学からフィンランドの大学に留学して、ムーミンライフを送って楽しかったよ……ということも書いてあるが、本筋は帰国後の就職活動で、外資系投資銀行か森林組合を対象にしようと思ってる、という相談なのでした。
 
 
就職口としてのこの組み合わせ、一部ではウケルだろうなあ、と思って読んだ(^^;)。
そんてもって、東京まで出かけて「悩みの就職相談室」を開いてきたのでした。
 
なに、女子大生相手なら腰も軽くなるのさv(^0^)。
 
聞けば、不思議な経歴の持ち主で、物心ついたときから暮らしていたのが中国・上海。大学進学で日本に帰って来たのだから、実は日本では数年しか過ごしていない。しかもフィンランドに1年間行ってきたし。その代わり、日本語に中国語、英語、フィンランド語……などが話せる国際派。
 
もともと上海のマンションのベランダにあったグリーンから閃いて、植物に興味を持ち生物系に進む気になったものの、なぜか大学は史学系に進学、女子大生ライフを楽しんでいた。さらにフィンランドではビジネス・マネージメントを学ぶというトンだ経歴の持ち主であった。
 
フィンランドは楽しかったらしい。まさに森林王国。さぞや現地の林業をよく観察してきたのだろう……と思いきや、とくにそんなこともなく、「日本の林業改革をするんだ!」と念じて森林組合か林野庁に勤められないかと考えた。あるいは給料のよい投資ファンドで稼いで森林を購入・投資する……。
 
この吹っ切れた選択肢が、私の琴線に触れたわけ(笑)。やはり大陸的発想なのかねえ。いや女子大生ならではか?
 
私は、一応、日本の林業状況と森林組合の実際、そして林野庁の実際……を語りました。そしておススメしないと(~_~;)。 
 
やはり外資系投資ファンドで頑張って、大きな金を動かせる立場になったら日本の森を買ってください、それがイチバンの日本の林業改革になるから……あああ、こんな話をしたら、私は某筋から「売国奴!」と罵られるかもしれん。
 
しかし、日本人がマトモに経営できない森林なら、外資の力を借りるのも手だろう。経営不振の会社を外資が購入して、再建を果たしてから再び売却するケースはいっぱいある。
同じように森林も外部の力(外資とは限らないけど)を借りることも考えた方がよい。ようは真面目に的確に森林経営する意欲があればよいのだ。日本の森林を破壊しているのは、ほとんど日本人なのだから。
 
もちろん、直接森林に関わらなくても、国産材を外国に輸出する仕事もあるし、住宅会社で国産材の家づくりを推進する仕事も日本の林業を助けることになる話もしましたよ。
大志を持ちつつ、いろいろな可能性を狭めるな! というのが私の就職アドバイス。遠回りのように見えても、一見まったく違った業界に見えても、自らの足元から大志へとつながる道は延びているのだ。。。(かっこよかっただろうか。) 
 
 
ま、同じことを娘にも言っているのだけどね。
そういや、彼女のお父さんと私は同じ年だった。う~む。
 
ちなみに、もっとも面白かったのは、彼女の恋バナ。とくにムーミン……じゃないフィンランドのオハナシ(笑)。自称・肉食系女子の彼女の突撃話はいいなあ。思わず手に汗握り応援(⌒ー⌒)。
 
 
 
ちょっと我に返って真面目になると、自分とはまったく別世界の人と話すことは大切である。そもそも森林や林業でも、業界関係者の集まりに参加すると、視線が内向きになってしまいかねない。もっと外側からの視線が必要だろう。
世の中の大多数の人は、森林や林業なんぞ意識になく、知識もない。森林に興味があるといいつつもトンチンカンな理解や、まったく理解していないことも多い。
 
そのことを常に意識しておきたい。そして素朴な疑問や真正面の思いをぶつけてくる。意外や、それが盲点を突くことも少なくない。
 
幸か不幸か、私の仕事は、意外と業界内からはあまり来ない。つきあいも多くない。
それは東京に住んでいない、(女子大生に呼ばれないと)めったに行かないことがわりと影響していると思う。東京は大都会ではあるが、逆に業界人も集まりやすいため、内輪の会議やセミナー、シンポが多い。それらに参加していると、「みんな森林に理解がある」と勘違いしがちだ。机上の論理も増える。
 
 
だから、女子大生と話をするのはよいことなんだよ\(^o^)/。女子トークも恋バナも聞かせてもらうとなかなか楽しい。そして投資銀行と森林組合を横一列に並べて考える感覚も大切なんだよ。
 
これから、じっくり就活してくれ(-_^)
 
 
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いただいたフィンランド土産。
フレーバーティかな。
 
やっぱり、ムーミンの国だ!
 
 
 
 
実は、ブログ用に彼女と並んで撮影した写真もあるのだけど、ここで公開するのは止めておく。
秘蔵写真だ(笑)。

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