日本の森林美学はどこに行く
先日取材した中で、思わず出たのが森林美学の話題。
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「林業・林産業」カテゴリの記事
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門脇仁: 広葉樹の国フランス: 「適地適木」から自然林業へ
知られざる森林大国、忘れられた林業先進国、フランス。広葉樹を主体とした特異な林業こそ、現代的である。日仏比較も行いつつ、その実像を追う。
田中 淳夫: 山林王
稀代の山林王・土倉庄三郎の一代記。自由民権運動を支え、全国のはげ山の緑化を進めた。また同志社や日本女子大学設立に尽力するなど近代日本の礎をつくった知られざる偉人を描く。
田中 淳夫: 盗伐 林業現場からの警鐘
21世紀になって盗伐が激増している。日本でも大規模で組織的に行われているのだ。そして司法は、まったく機能していない。地球的な環境破壊の実態を暴く。
田中 淳夫: 虚構の森
世にあふれる森林を巡る環境問題。そこで常識と思っていることは本当に信じていい? 地球上の森は減っているのか、緑のダムは存在するのか。る? 地球温暖化に生物多様性、SDGsに則しているのか? 異論から考えると別世界が見えてくる。
田中 淳夫: 獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち (イースト新書)
シカ、イノシシ、クマ、サル……獣害は、もはや抜き差しならない状態まで増加している。その被害額は1000億円以上?しかも大都市まで野生動物が出没するようになった。その原因と対策、そして今後を見据えていく。
田中 淳夫: 絶望の林業
補助金漬け、死傷者続出の林業現場、山を知らない山主と相次ぐ盗伐、不信感渦巻く業界間……日本の林業界で何が起きているのか?きれいごとでない林業の真実を暴く。
保持林業―木を伐りながら生き物を守る
保持林業とは新しい言葉だが、欧米を中心に世界で1億5000万ヘクタールの森で実践されている施業法だという。伐採後の生態系回復を早めるために行われるこの手法、もっと日本に知られてもよいのではないか。
田中 淳夫: 鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵
奈良のシカは赤信号に止まる? 鹿せんべいをもらうとお辞儀する?カラスがシカの血を吸っている? 彼らを観察したら、獣害問題の解決の糸口も見えてくるはず。
山川 徹: カルピスをつくった男 三島海雲
カルピス創業者三島海雲の評伝。彼は内モンゴルで何を見たのか。何を感じたのか。その夢を乳酸菌飲料に結実させた足跡を追う。土倉家の面々も登場する。
田中 淳夫: 森は怪しいワンダーランド
森には、精霊に怪獣に謎の民族、古代の巨石文化が眠っている!そう信じて分け入れば遭難したり、似非科学に遭遇したり。超レアな体験から森を語ればこんなに面白い? 読めば、きっと森に行きたくなる!
村尾 行一: 森林業: ドイツの森と日本林業
林学の碩学とも言える村尾行一の林業論の集大成か?
ドイツ林業を歴史的に追いつつ比べることで浮かび上がる日本林業の大問題と抜本的な処方箋
田中 淳夫: 樹木葬という選択: 緑の埋葬で森になる
広がりつつある樹木葬。今や世界的な潮流となる「緑の埋葬」となる、森をつくり、森を守る樹木葬について全国ルポを行った。
田中 淳夫: 森と日本人の1500年 (平凡社新書)
日本の森の景観は、いかに造られたのか。今ある緑は、どんな経緯を経て生まれたのか。日本人は、どのように関わってきたか…。今ある景観は、ほとんどが戦後生まれだったのだ。今後必要なのは「美しさ」である!
田中 淳夫: 森林異変-日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)
21世紀に入り、激動の変化を見せ始めた日本の林業。この変化を知らずして、日本林業を語るなかれ。果たして森にとって吉か凶か。そして「大林業」構想を提案する。
阿部 菜穂子: チェリー・イングラム――日本の桜を救ったイギリス人
もはや桜の故郷はイギリスだ! と感じさせる衝撃の書。ソメイヨシノ一色ではない多様な桜を守っているのは日本ではないのだ。そして日英交流史としても第一級のノンフィクションだろう。
田中 淳夫: ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実
ゴルフ場は自然破壊? それとも現代の里山? このテーマに再び取り組んで『ゴルフ場は自然がいっぱい』を大幅改訂して出版する電子書籍。
田中 淳夫: 森と近代日本を動かした男 ~山林王・土倉庄三郎の生涯
三井財閥に比肩する大富豪として、明治時代を動かし、森林の力によって近代国家を作り上げようと尽力した山林王・土倉庄三郎の生涯を追う。そこから明治時代の森林事情が浮かび上がるだろう。
田中 淳夫: 日本人が知っておきたい森林の新常識
森林ジャーナリズムの原点。森林や林業に関わる一般的な「常識」は本当に正しいのか、改めて問い直すと、新しい姿が広がるだろう。そして森と人の在り方が見えてくる。
日本の森を歩く会: カラー版 元気になる! 日本の森を歩こう (COLOR新書y)
森林散策ガイド本だが、第2部で7つの森を紹介。全体の4分の1くらいか。私が記すとルートガイドではなく、森の歴史と生態系をひもといた。
田中 淳夫: いま里山が必要な理由
名著『里山再生』(^o^)の内容を一新した改定増補版。単行本スタイルに変更し、美しくなった。里山を知るには、まずここから。
田中 淳夫: 森を歩く―森林セラピーへのいざない (角川SSC新書カラー版)
森林療法の成り立ちから始まり、森が人の心身を癒す仕組みを考察する。森の新たな可能性を紹介した決定版。 全国11カ所の森林セラピー基地のルポ付き。
田中 淳夫: 割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題 (ちくま新書)
割り箸を通して見えてくる日本と世界の森林。割り箸こそ、日本の林業の象徴だ!
田中 淳夫: 森林からのニッポン再生 (平凡社新書)
森林・林業・山村は一体だ! その真の姿を探り、新たな世界を描く
田中 淳夫: 日本の森はなぜ危機なのか―環境と経済の新林業レポート (平凡社新書)
かつての林業は木を売らなかった? 真実の日本林業の姿を紹介し、現状と未来を俯瞰した目からウロコの衝撃の書。
田中 淳夫: だれが日本の「森」を殺すのか
誰も知らなかった?日本の林業と林産業の世界を描いた渾身の1冊。
田中 淳夫: 田舎で起業! (平凡社新書)
田舎は起業ネタの宝庫だ! その成功と失敗の法則を探る、地域づくりのバイブル
田中 淳夫: 田舎で暮らす! (平凡社新書)
田舎暮らしは田舎づくり! そしてIターンを受け入れる側の極意を本音で語る
田中 淳夫: チモール―知られざる虐殺の島
知られなかった東チモールと日本の関わりと独立戦争
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国内でそれを実現出来ている所はありますか?速水林業さんの山みたいな事でしょうか?
投稿: H | 2014/05/16 23:16
美林づくりを行っている林家は点在しつつ、それなりにいます。速水林業さんも含めていいんじゃないですか。メーラーの言葉をいつも唱えているし(^o^)。
大きな林業地として見れば、吉野のような高級材の産地もそれに入れられるでしょう。
そして私が見たところ、そうした林家の森は、たいてい生物多様性は高いし、所有者も意欲的な人が多い。材価も、とりあえず高い(コストに引き合うかは別として)。
研究の場としては、同じ地域に比較地もほしいから、大きな林業地ではなく、個人の篤林家の森と周辺の森を対象に調査してほしいですね。適地はあるはず。
投稿: 田中淳夫 | 2014/05/17 00:09
私は兵庫県西部の旧上月町にて優良桧を生産しています。何をもって美林と言うのか、人工林は人間が環境を無視し経済目的で植林したものです、そこで人間は健全な林を維持する責任があると思います。スギ・ヒノキは成長阻害がなければ上空に向かいまっすぐ育ち、また風雨に耐えられる丈夫な個体に成長します。
人工林の個々の木が健全な姿であれば、安定感・強靭感等の安らぎを与え美林と言えるのではないでしょうか。当然高級材の基本である通直で芯が中心にある丸太が生産される林と言えます。
美林は生物多様性の林と言えるか?管理不足の林に比べればそう言えますが、天然林に対しては言えないでしょう。私は幼いころ嫌な体験をしたのか蛇が嫌いです、人工林内は蛇が少ないようです。
投稿: 義弘林業 | 2014/05/17 10:16
美林の定義はめんどくさくて、本家・森林美学とか恒続林では細かな条件を出しているようですが、私はもっと大雑把に捉えています。吉野の美林は一斉林だから入らないとか言わない(^o^)。
ただ「人工林は人間が環境を無視して」とは思いません。環境に適応した人工林もあるでしょう。また個々の木々が健全なだけでは、「景観」としての美しさは達成できるかどうか……(これは研究対象ですね)。木々の配置や草や低木の存在なども重要だと思います。
なお、よく管理された人工林は、天然林より生物多様性が高いことは、速水林業などで証明されています。私の経験上からも、天然林はあまり多様性は高くない。
投稿: 田中淳夫 | 2014/05/17 10:31
「よく管理された人工林は、天然林より生物多様性が高い」について、スギ・ヒノキにはカミキリ虫程度で、毛虫を見たことがありません。渓流釣りにおいて人工林の割合の高い流域ではアマゴ・イワナが釣れにくいと聞きましたが?
草や低木がなければ個々の木々が健全とは言えないでしょう。
投稿: 義弘林業 | 2014/05/17 11:07
だから「よく管理された人工林」は、草や低木も生えているし、昆虫も野生鳥獣も生息しています。水源涵養機能も、天然林より高いという実験データも出ています。
針広混交林など天然林そっくりの人工林もあれば、純林となったり林冠が閉塞して下生えのない天然林もある。
人工林は、管理の理念や技術によって、まったく変わるのです。
そして、そんな人工林をつくる技術の一つが森林美学として提唱されているわけです。
投稿: 田中淳夫 | 2014/05/17 11:20
人工林と天然林における生物多様性については、目に見える地上部分だけでなくその下の土壌や土壌微生物(菌類等)まで含めて議論すべきでしょうね。
投稿: 島崎三歩 | 2014/05/17 14:41
メーラーの言葉は割と好きだけど、まだヨーロッパでも変わらずに支持されてるんですかね?
投稿: H | 2014/05/17 19:23
ヨーロッパの森林美学は、ほぼ消えていますから、多分メーラー支持者もいないと思います。
ただ最近は復権の動きもあるし、また中欧で主流になっている近自然林業も、突き詰めれば森林美学と同じ発想ですね。
投稿: 田中淳夫 | 2014/05/17 20:56