名古屋ルポを昨日のまま終わらせたら、一部でブーイングが出そう……(~_~;)。
もちろん名古屋に行ったのは、先に紹介した環境フォーラムへの出席が目的で、そこで多くのリケジョにお会いできたことは楽しかったし、とくにマンホールに潜るリケジョも興味深かったのだが、実は一泊して訪れたのは、
木工家ウィーク in NAGOYA。6月6日から8日まで3日間(あれ?ウィークじゃないよ…)、名古屋各地で開かれた木工関係のイベントだ。(正確に言えば、1日だけのも2週間続くのもあるようだけど。)
そのうち私が訪れた文化のみち橦木館で開かれていたのは、『木工家がつくる「自分のための木の椅子』展と『一生ものの木の家具と器展』の二つ。
木の椅子展。
どれも座ってよく、座り心地を確かめながら、気に入ったものを選ぶアンケートもある。
木工家が売り物ではなく、「自分のため」の椅子というコンセプトだから、ようは自らのこだわりを示さねばならない。あえて難しい材料を選ぶ例もある。家具には向いていないスギ材による椅子もあれば、リョウブのような強度もなさそうな上にねじれやすく、しかも細い木を使った椅子もあった。
リョウブの椅子。森林文化アカデミーの敷地内にあったリョウブを使ったそうである。
細い。これで座っても大丈夫かと思わせるほどなのに、意外としっかりしている。
でも、座って椅子をギシギシ揺らせないね(~_~;)。
一方で、木の家具と器展では、椅子などの家具もあるものの、漆塗りの碗から用途の不明な作品も多数。作家製が高いものが多いかな。
何十種類もの木(国産、外国産あり)でつくられた小箱。
ちゃんと蓋を開けると、小物入れになっている。
実用品ではあるが、もはやコレクションアイテムのよう。
会場の照明のランプシェードも作品であった。
木の割れや節、虫食いなどもデザインに活かしている。
光が透けてみえるほど薄く削りだしている。
いずれも材料は、クヌギやコナラなど雑木らしい。
よろしいですな。実用から離れることで、材料もデザインも自由になり、新しい感性が発揮できる。そして、こうした作品の中から商品に転化していく可能性だってあるだろう。
名古屋の木工家展というが、出展者は全国にまたがっているらしい。私の聞いただけでも長野、岐阜、新潟など中部地方だけでなく北海道から九州までいた。観覧者もかなり遠くから足を運んでいる。彼らも木工ファンにとどまらず、やはり木工家の集いになっているのだろう。
ここで集まって、どんな交流が行われるのかは知らない。単に友好を深めるだけなのか、お互いの作品論を展開するのか、技術まで教え合うのか、さらに仕入れルートや販売ルートの相談もするのか……しかし、集まる機会を提供するという点だけでもよいな。
少なくても、物書きにそうした場はほとんどないはず。作品(雑誌?書籍?)を展示したって仕方ない(~_~;)。たまにペンクラブなどの組織もあるが、内実は空洞化していて怪しいことを聞いている。昔は親分みたいな人と、弟子のような新人の集う場があったらしいが。
私は、奈良在住であることもあって、まったくといってよいほどない。写真家やデザイナーなど異業種と一緒に仕事をすることはあっても、ライター仲間は個人的な知り合い以上につながる機会はない。出版記念会だって開かないし。
脱線したが、名古屋に木工関係者の集う場があるのは盲点でした。
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