金融ディリバティブと林業
今では古い話になってしまったが、2007年にアメリカでリーマン・ショックが起きたのは、サブプライムローンの破綻だった。
田中 淳夫: 虚構の森
世にあふれる森林を巡る環境問題。そこで常識と思っていることは本当に信じていい? 地球上の森は減っているのか、緑のダムは存在するのか。る? 地球温暖化に生物多様性、SDGsに則しているのか? 異論から考えると別世界が見えてくる。
田中 淳夫: 獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち (イースト新書)
シカ、イノシシ、クマ、サル……獣害は、もはや抜き差しならない状態まで増加している。その被害額は1000億円以上?しかも大都市まで野生動物が出没するようになった。その原因と対策、そして今後を見据えていく。
田中 淳夫: 絶望の林業
補助金漬け、死傷者続出の林業現場、山を知らない山主と相次ぐ盗伐、不信感渦巻く業界間……日本の林業界で何が起きているのか?きれいごとでない林業の真実を暴く。
熊崎実ほか編: 森林未来会議―森を活かす仕組みをつくる
現役林業家、研究者、行政万……など10人の著者が、日本林業の問題点を分析しつつ、未来に向けての処方箋を示す。海外事例も含め、希望を語っている。
有坪 民雄: 誰も農業を知らない: プロ農家だからわかる日本農業の未来
消費者はもちろん、学者も官僚も農家自身も、農業について全体像をつかんでいない。だからピンぼけ……。これは林業にピタリと当てはまる!
保持林業―木を伐りながら生き物を守る
保持林業とは新しい言葉だが、欧米を中心に世界で1億5000万ヘクタールの森で実践されている施業法だという。伐採後の生態系回復を早めるために行われるこの手法、もっと日本に知られてもよいのではないか。
田中 淳夫: 鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵
奈良のシカは赤信号に止まる? 鹿せんべいをもらうとお辞儀する?カラスがシカの血を吸っている? 彼らを観察したら、獣害問題の解決の糸口も見えてくるはず。
山川 徹: カルピスをつくった男 三島海雲
カルピス創業者三島海雲の評伝。彼は内モンゴルで何を見たのか。何を感じたのか。その夢を乳酸菌飲料に結実させた足跡を追う。土倉家の面々も登場する。
田中 淳夫: 森は怪しいワンダーランド
森には、精霊に怪獣に謎の民族、古代の巨石文化が眠っている!そう信じて分け入れば遭難したり、似非科学に遭遇したり。超レアな体験から森を語ればこんなに面白い? 読めば、きっと森に行きたくなる!
村尾 行一: 森林業: ドイツの森と日本林業
林学の碩学とも言える村尾行一の林業論の集大成か?
ドイツ林業を歴史的に追いつつ比べることで浮かび上がる日本林業の大問題と抜本的な処方箋
田中 淳夫: 樹木葬という選択: 緑の埋葬で森になる
広がりつつある樹木葬。今や世界的な潮流となる「緑の埋葬」となる、森をつくり、森を守る樹木葬について全国ルポを行った。
田中 淳夫: 森と日本人の1500年 (平凡社新書)
日本の森の景観は、いかに造られたのか。今ある緑は、どんな経緯を経て生まれたのか。日本人は、どのように関わってきたか…。今ある景観は、ほとんどが戦後生まれだったのだ。今後必要なのは「美しさ」である!
田中 淳夫: 森林異変-日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)
21世紀に入り、激動の変化を見せ始めた日本の林業。この変化を知らずして、日本林業を語るなかれ。果たして森にとって吉か凶か。そして「大林業」構想を提案する。
阿部 菜穂子: チェリー・イングラム――日本の桜を救ったイギリス人
もはや桜の故郷はイギリスだ! と感じさせる衝撃の書。ソメイヨシノ一色ではない多様な桜を守っているのは日本ではないのだ。そして日英交流史としても第一級のノンフィクションだろう。
田中 淳夫: ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実
ゴルフ場は自然破壊? それとも現代の里山? このテーマに再び取り組んで『ゴルフ場は自然がいっぱい』を大幅改訂して出版する電子書籍。
谷 彌兵衞: 近世吉野林業史
吉野林業の誕生から江戸時代までの発展の歴史を緻密に描く目からウロコの著
田中隆文: 「水を育む森」の混迷を解く
森は水源涵養機能がある……と古くから唱えられてきた。しかし、科学的に証明されたわけではない。人々の思想や政策の方が先んじている。その歴史的展開と、野外科学のジレンマに焦点を当てる。
ヨアヒム ラートカウ: 木材と文明
人類と木材、ひいては森との関係を壮大なスケールで描いた大著。ヨーロッパが中心だが、目からウロコの記述がいっぱいである。
清和 研二: 多種共存の森: 1000年続く森と林業の恵み
最新の生態学の知見から林業のあり方、今後の進むべき道を提言する。多様性豊かな森こそ、安定していて収穫も多いことを思い知る。
村尾行一: 間違いだらけの日本林業 ―未来への教訓―
村尾林学の決定版! 眼からウロコが落ちるだけでは済まない。これまでの林業観を否定をして受け入れるか、読まなかったことにするか……。
田中 淳夫: 森と近代日本を動かした男 ~山林王・土倉庄三郎の生涯
三井財閥に比肩する大富豪として、明治時代を動かし、森林の力によって近代国家を作り上げようと尽力した山林王・土倉庄三郎の生涯を追う。そこから明治時代の森林事情が浮かび上がるだろう。
太田 猛彦: 森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)
森林水文学の視点で、日本の森林事情の変化が国土にもたらした驚異的な影響を語る。もはや森林だけを論じている暇はない!
田中 淳夫: 日本人が知っておきたい森林の新常識
森林ジャーナリズムの原点。森林や林業に関わる一般的な「常識」は本当に正しいのか、改めて問い直すと、新しい姿が広がるだろう。そして森と人の在り方が見えてくる。
日本の森を歩く会: カラー版 元気になる! 日本の森を歩こう (COLOR新書y)
森林散策ガイド本だが、第2部で7つの森を紹介。全体の4分の1くらいか。私が記すとルートガイドではなく、森の歴史と生態系をひもといた。
田中 淳夫: いま里山が必要な理由
名著『里山再生』(^o^)の内容を一新した改定増補版。単行本スタイルに変更し、美しくなった。里山を知るには、まずここから。
田中 淳夫: 森を歩く―森林セラピーへのいざない (角川SSC新書カラー版)
森林療法の成り立ちから始まり、森が人の心身を癒す仕組みを考察する。森の新たな可能性を紹介した決定版。 全国11カ所の森林セラピー基地のルポ付き。
田中 淳夫: 割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題 (ちくま新書)
割り箸を通して見えてくる日本と世界の森林。割り箸こそ、日本の林業の象徴だ!
田中 淳夫: 森林からのニッポン再生 (平凡社新書)
森林・林業・山村は一体だ! その真の姿を探り、新たな世界を描く
田中 淳夫: 日本の森はなぜ危機なのか―環境と経済の新林業レポート (平凡社新書)
かつての林業は木を売らなかった? 真実の日本林業の姿を紹介し、現状と未来を俯瞰した目からウロコの衝撃の書。
田中 淳夫: だれが日本の「森」を殺すのか
誰も知らなかった?日本の林業と林産業の世界を描いた渾身の1冊。
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今では古い話になってしまったが、2007年にアメリカでリーマン・ショックが起きたのは、サブプライムローンの破綻だった。
Yahoo!ニュースに「林業女子へのセクハラ行為?にご注意」の記事を書きました。
先日、某NHKより電話取材を受けた。
今度林業を取り上げたいので予備知識を得るための取材だということなので、どの番組なのかは明かさない。どんな内容になるのか、いつ頃放映するのか゛そもそも番組が実現するのか……何も決まっていないのだから。
ただ、先方としては今後は林業が成長産業になるのではないか、そこまで行かなくても衰退産業と思われた林業の逆襲、というイメージで企画にしようとしたのだと思う。
だから、さまざまな分野の動向を尋ねられたのだが、私の返答はイマイチ厳しすぎたようだ(~_~;)。別にヘンにこき下ろしたわけではないが、「そう期待されても……」というのが私の正直な気持ち。
もちろん、いろいろな分野で新しい取組は始まっており、それらは一定の評価はできるのだが、成功している、前途有望、とは言いにくいのが実情だ。実際、壁が見えている。
たとえば木材自給率の回復が進んでいるが、これは国産材需要が必ずしも伸びたというよりは、外材が輸入量が減って、しかも木材の消費そのものの減少が比率で見る自給率を押し上げているという数字のカラクリがある。
ちょうど平成25年木材需給表(用材部門)が発表された。それによると、木材自給率は28,6%と0,7ポイント上昇したことになっている。また木材需要も供給も増えている。
しかし、これも消費税アップ前の駆け込み需要と円安の影響、それに木材利用ポイントによる底上げと見るべきだ。だいたい外材輸入も増えている。多分、今年度はぽずれも落ち込むだろう。それでも比率的には自給率は上がるかもしれないが。
そして国産材輸出にも期待を感じているようだが、すでに21世紀の初めに中国相手に痛い目にあって、今は韓国が堅調ながらもボリューム的には小さすぎる。
ちょうど北海道留萌市が韓国にトドマツを輸出したようだ。コンテナではなく船で約1850立方メートル(丸太9000本程度)とあるから、そこそこの規模だ。しかし、定期的に出荷するまでには至っていない。実際問題、韓国の木造住宅市場は狭いから、日本の林業に恩恵をもたらすほどではないだろう。
何より、海外市場ではロシア材はもちろん、米材、欧州材などと競合する。高値は望めないし、日本材の利点が見えない。
もちろん私も、いくつか新しい取組は紹介しましたよ。ただ、一発逆転を狙ってはダメだと思う。輸出しかりCLTしかりバイオマス発電しかり自伐に六次産業化しかり。コツコツ多様な分野で積み上げる努力と、それを担える人材育成なくしては持続しない。
……こんな地味な話をしたので、企画がボツになってしまうかもしれない(~_~;)。せっかく林業がマスコミに紹介されるチャンスだったのに? そうだねえ。でもNHK記者の某書のように実現不可能なことをそれらしく煽るのはねえ。いや根が真面目なもんで(^^ゞ
近頃、気が滅入ることが多くて、意気上がらない。
時代小説を読んでいたら、台湾からシカ革を日本に輸出している話が登場した。
林野庁が、今年度5月末時点の「きのこ原木の需給状況」を公表している。
今日は、奈良の某寺の奥の院に潜入した。
生駒の棚田地帯を走っていたら、池一面に咲く花を発見した。
先日訪れた金沢大学角間キャンパスにあった草木塔。
私は、こう見えても若く見えると言われる。
疲れが取れない。
Yahoo!ニュースに、「平成25年度森林・林業白書の隔靴掻痒感 」を書きました。
金沢から帰りました。
追記・調べてみると、すでに金沢市の指定保存建造物になっていた料亭・山錦楼だった。
参加者の濃いメンバーのことは、あらためて紹介したい(*^.^*)が、金沢大学に来てふと思い出したこと。
現在の金沢大学は、郊外の140ヘクタールの里山の中にある。移転前は、金沢城址にあった。
そのことを思い出したのは、私の学生時代、下宿に捨てられていた「りぼん」で読んだマンガ「花岡ちゃんの夏休み」がよみがえったからだ。マンガの作者は清原なつの。
その舞台は金沢大学だが、今でいうリケジョの主人公花岡ちゃんと、超天才蓑島さんの物語。
金沢城址にあった金沢大学と城下町が描かれていた。
その青春物語に同時期に大学生だった私は、ビビビと来たのであった。
ま、今回の講座と何の関係もないのだが(((^^;)。
あ、今、テレビでやってる映画「容疑者Xの献身」のヒロインは、花岡さんだった!
生駒山中のタナカ山林。
ふと手にとった本。
今年の日本森林学会の発表要旨を眺めていたら、一つの項目に眼が向いた。
京都迎賓館を訪れた。
海外からの賓客を迎える迎賓館が、京都御所の隣にあることを知っているだろうか。
生駒に住んで30有余年。近隣の山は遭難……もとい探検し飽きた。
名古屋ルポを昨日のまま終わらせたら、一部でブーイングが出そう……(~_~;)。
もう書くのは止めようかと思っていたが……まあ、メモ書き感覚で。知らない読者もいるだろうし。
今週明々後日の5日、名古屋で、講演を行います。
地理的表示保護法を知っているだろうか。正確には、まだ法案だが。
5月22日に衆議院で可決されたのだ。おそらく近く参議院も通過して、法律となるだろう。
地理的表示保護法は、高品質の地域産品を地名と結びつけて名称を保護しようというものだ。特許権や商標権と異なり、特定の個人・組織ではなく、地域が知的所有権保護の主体になるという考え方を取る。地域の関係者全体が保護される権利を持ち、個人や企業の独占を認めない。
簡単に言えば、ノーブランドの地域産品(基本的に農産品物)では、価格が安い方に流れるのは言うまでもないが、品質などに地域の特性があるものは、高くても売れる。そこで、地名を表示して他と差別化を図ろうという作戦だ。
「決められた産地で生産され、指定された品種、生産方法、生産期間等が適切に管理された農林水産物に対する表示」なのである。
最初は、EUがウルグアイ・ラウンドで持ち出し、1994年に国際的な合意を得て成立している。というのも、南米やオーストラリアなどの農産物では、価格競争で勝ち目がないから考え出したのだ。しかし、酪農製品や農産加工品などでブランドのあるものは強い。チーズもワインも高くても売れる。
EUは、地理的表示によるブランド化が、商標や特許などとは異なる独自の域内農業を守る有効な手段として考え出したのだ。ブランドに自信のあるヨーロッパ諸国ならではの発想だろう。そして海外にも保護を求めている。
そしてEUは日本とのEPA(自由貿易協定)交渉の場に持ち出している。これを通さないと、EPAは通らないだろう。
しかし、アメリカや南米、オーストラリアから反発されている。TPPの交渉にも引っかかっているらしい。
今回の法案は、保護対象の線引きなど具体的な基準には踏み込んではいない。政令やガイドラインづくりにゆだねたのだろう。だから通ったとも言える。今後、細部を決める際に揉めるのではないか。
残念ながら、ここに木材が入る気配はない。そもそも林業関係者に、地理的表示の保護という発想がある人物がいるのか。そして、今回の法案のことを知っているのは何人いるだろうか。
もしかして望んでいないのかもしれない。吉野杉、秋田杉、木曽檜なんて自慢できる地域はわずかだからだ。品質保全の自信もないのかも。。。何より量をさばくことばかり考えているようだから、ブランド化も邪魔なのかもね。
だが、長い目で見たら、輸出も視野に国産材のブランド化や、輸入木材の歯止め、違法木材対策としても重要な武器になる可能性がある。
……法律ができてから、「気がつかなかった」ということのないように。
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