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2014/06/23

シイタケ原木の需給状況

林野庁が、今年度5月末時点の「きのこ原木の需給状況」を公表している。

キノコと言っても、大部分がシイタケ用の原木だろう。つまりコナラが主体のはずだ。
それによると、供給希望量は17府県で151万本。対して供給可能量は12県と国有林で175万本。つまり23万本の供給余力が生じるまでになった。


http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/tokuyou/140617.html
 
これは東電原発事故によって、大産地であった福島県の原木が放射能の影響で、ほぼ使えなくなったことに対応して年に2回行われている調査だ。
前回の25年度9月末では、希望量が118万本、供給可能量が196万本だった。つまり78万本多かったのである。ちょうど1年前の5月末では、224万本と201万本で23万本足りなかった。
 
なんだか振幅が大きすぎて、どのように解釈してよいのか困る。
ただ細かく希望地と供給地を見ると、福島県が大きな希望地になっている。自前で原木を得られなくなったことが伝わってくる。
 
供給可能地は、大分県や宮崎県などのシイタケ産地が多い。
大分県はシイタケ栽培が盛んなのに、その原木は福島県から仕入れているものが多いことがあの事故の際に分かり驚いたのだが、さすがに地元生産に切り替えたということだろうか。
 
震災前は福島県産に頼っていたのは、価格が安いことと量を安定的に確保できる体制が作られていたためだろう。なんだか、外材と国産材の関係に似ている。
その点からすれば、地元産を増やしたことは喜ばしい。しかし、福島県からすれば、切歯扼腕の思いではないか。
 
私には、福島県の阿武隈山系は日本でも数少ない広葉樹林業が成り立っていた地域だったので、こうしてシイタケ原木という産物が失われたことに関しては、残念な気がする。おそらく広葉樹林業は当面成り立たなくなっただろうから。
 
斜め読みなので、詳しい事情はわからないが、コナラ資源の増減をこんなところから確認できるだろう。
 

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