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2014/06/19

林家も「家族経営協定」で後継者を

家族経営協定」というのを知っているだろうか。
これは農業の世界、とくに家族経営をしている農家で結ばれるものである。
 
おそらく農家でも知っている人は少ないのではないかと思うが、農水省によると「経営方針や役割分担、家族みんなが働きやすい就業環境などについて、家族間の十分な話し合いに基づき、取り決めるもの」だそうだ。具体的には、労働内容、就業時間、給与などの労働条件を記した企業の「雇用契約書」のようなものだ。
 
 
 
この協定をちゃんと言葉として定義づけたのは1995年だというから約20年前だが、実は50年以上前から仕事分担など協定の必要性は訴えられていたそうだ。
だが、家族間で明文化することへの抵抗や、とくに女性(妻、嫁、娘)が農作業しつつ家事を担当するのが当然とされた時代には、なかなか成立しなかった。
 
しかし昨年3月の調査によると、「家族経営協定」の締結農家は、全国で5万2527戸あるという。(全体の1%程度。これを多いと見るか少ないと見るか……。)少なくても意欲的農家ほど、ちゃんと家族で話し合って定めている。
なぜなら、次の担い手、次の世代が農業を継ぐ気になる際に大きな役割を果たすようになったからである。
 
現代では親子であろうと夫婦であろうと、農作業だけでなく家事や地域の仕事の分担などをはっきりさせないと、いざこざを引き起こす。とくに外の社会で会社勤めを経験した世代からすると、家業が旧態依然とした経営方針では、継ぐ気になれない。
 
実は、私は以前農業の取材をしていたこともあって、その時の農家の意識にはがっかりすることが再三あった。こりゃ、近代的経営なんてできないよな、と思ったわけだ。
だから「家族経営協定」は、今後の世代の大きな武器になるはずだ。
 
……こんなことを考えたのは、林業の家族経営なんて、農業以上に旧態依然しているんじゃないの? と思ったから。まあ、大半の林家は林業を「経営」していないのかもしれないが。
しかし、本気の自伐林家なら「家族経営協定」を結んでみたらどうだろうか。
 
 
「現代林業」7月号のお悩み相談コーナーに「帰ってくる息子の山林経営の方針に納得がいきません」という悩みが寄せられていた。相談者は、80歳で息子は定年前というから50代だろう。
息子の経営方針とは、ボランティアを呼んでイベントをするとか、企業にレクリエーション空間を提供するとか、地元産品で商品開発する……などらしい。詳しくはわからないが、極めて今風の発想だ。
 
だが、これが父には許せないらしい。地に足が付いていないと感じるらしい。これまでどおりの経営をしてほしいらしい。
笑うのは、回答者が、父の意見に同調していること。孫に託したら?なんて噴飯ものの意見を記している。孫もいい迷惑だ。
 
 
もちろん新しい試みが成功する確率はどの程度なのか、失敗したときの痛手はどれぐらいか。本当に利益を生むのか……など考えるべき点はあるが、そうした発想の柔軟性は必要だろう。そもそも木材生産でも利益が出せない(補助金が頼り)くせに、新規事業に文句つけるんだ。
 
せっかく後継者になろうとした意欲を頭ごなしに潰されたら継ぐ気になれないだろうなあ。
ここは家族経営協定を結んだら、と思ってしまった。たとえば父は何年後に引退すると定めて、その後に自由にやってみなさい、と宣言するとか。
境界線の確定とか、森林簿の作成、複式簿記の採用を条件にしたら、父の世代がいかにいい加減な経営をしていたのか明るみに出るかもしれん。
 
 
その点、土倉庄三郎はえらかったなあ。長男が巨額の無謀な事業に借り入れまでして投資することを知っても止めなかった(@_@)。息子に譲ってから経営には一切口をはさまなかったのだ。……まあ、それで土倉家は逼塞するんだけどね。。。(ーー;)

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