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森と林業の本

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2014/07/24

悲観主義者こそ成長する

高野山では、「3/11における心的外傷後の成長 スピリチュアルな側面にフォーカスして」(尾崎真奈美・相模女子大准教授)という講座を受講してきた。

 
タイトルだけではわからんでしょう。いや、難しいのですよ。わからんのです。
ただ「心的外傷(トラウマ)を受けた後に起きる精神的な成長」をPTGというわけです。何が成長したかというと、自己概念や対人関係や人生哲学……などの変化なわけです。
 
わからんでしょう。私もよくわかっておりません(^^;)。
 
ま、私がここで説明できることではなく、アムステルダムで開かれたヨーロッパポジティブ心理学会議に出席して、基調講演してきた内容を語っていただいたのでした。
 
一般にポジティブ感情が人を成長させると言われている。楽観的に物事を捉え、ものごとの輝かしい面を見る。そして前向きに、努力して、行動して、その結果が個人をより成長させ……というスパイラルが強調される。
 
ところが、東日本大震災後に311人の学生を対象にした調査によると、「震災後に悲観的な感情を抱いた人々の方が、その後の精神的成長は高かった」という結果が出たのである。
 
そして脳生理学や認知科学の世界では、ポジティブ感情とネガティブ感情は同一次元の対立概念ではなく、独立した直交関係にある……らしい。つまり、同時に抱けるものなのだ。
 
まあ、この当たりは心理学と宗教がクロスしそうな世界なのであるが、同時に文明論や哲学論になってしまう世界であった。そして9・11に対するアメリカ人の感情と、3・11に対する日本人の感情の差異や今後の展開にまで触れていく。
アメリカ的な「努力」「克服」「勝利」といった少年ジャンプ的思考ではなく、日本人の「弱い」「静かに耐える」「明け渡す」といった日本的精神の方が将来的に可能性があるのだ。。。。
 
わからんでしょう。私もわかっていない(^^;)。 
しかし半可通ながら、感動してしまった。論理や理解を超えた、すべてを受入れる感情が超越するという、ちょっとアブナそうな天使語に心打たれたのである。
 
 
 
たとえば、これを林業界に当てはめると、
「林業はこれから成長産業になる」「林業にはこんな可能性が秘められている」とポジティブに捉え「努力」する人よりも、
「林業は、もうダメだ」「林業がダメなのは私がダメだからだ」「私に責任がある」「とても克服できない」と悲観的に思っている人の方が、今後の成長が望めるのである。。。。(多分、誤解していると思う。)
 
ともあれ、悲観主義は必ずしも悪いわけではない。
そして超長期を要する林業界には、悲観的な思いを抱いてもよいのではないか。長期ゆえに、行き着くところに希望があるかもしれない。
 
……そういや、聖書にも「苦しみは……希望を生み出す」(超意訳)なんて、言葉あったなあ。
 
南無~(-人-)。

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コメント

ありがとうございました〜
すてきな要約コメント!

講演のご本人にご登場いただきました!

まだよくわかっていないと思います(^^;)。

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