CLT建築物の見学
昨日は、東京の勝どきで開かれた「2020年に向かう、新たな森づくりシンポジウム」に参加してきた。
施設は、なんと倉庫の中に建てられている。天井がつかえているようにも見えるが、隅にあるので全体像が見えない。
もちろん時間をかけて加工したらつくれるはずだが、急いだのかやっつけ仕事だったのか、開口部に面したところはみんな合板なのだ。
これでは、CLTの宣伝にならない。そもそも、部屋の内部にはなぜかLVL(単板積層材)の展示が。。。
わずかに? 見えるCLTも、色の悪いこと。だんだら模様だ。
これでは「あらわし」にはできないから、まともな住宅やオフィスなら内装材が必要だろう。それを木材でやるのかクロスなのか、新建材なのかはともかく、CLTの木肌はみっともない、と感じさせた。
これは外装部分も同じだ。CLTそのままを露出すると、デザイン的には情けない建築物になるだろう。
なんだ、この隙間は。間に挟んだのは、LVLだろうか。スカスカだが。
仮設家屋を思い出した。2年しか持たない……。
こんな建築物見せられて、CLTの宣伝になるのか。。CLTって、こんなものしか建てられないの?という宣伝になったかも。
見学会というのは理屈ではない。訪問者に実物を見せて、その見た目の感想が大切であることをわかっていない。どんなにCLTが有望な建材であると力説されても、目の前に良いものを見せられなかったら、心の奥底で馬鹿にする。推進意欲が湧かなくなる。
ほかにも言いたい点はたくさんあるが、お披露目の施設としては、あまりにもお粗末。
なぜか。このセミナー棟だけがエアコン効いて涼しかったからである(^o^)。
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化粧バージョンの3層積層板(Jパネル)なら見た目の感じもよくて、現しにいいような気がします。
投稿: 鈴木浩之 | 2014/08/01 08:25
Jパネルは、構造計算もできるようになっています。カタログにそれが載っていたりします。
投稿: 鈴木浩之 | 2014/08/01 08:28
実はJパネルは直交に3層集成していますから、ある意味CLTと同じなんです。CLTの場合は、たいてい5層か7層ですが。
ただJパネルは、価格が高いですね。となると、国産材でCLTをつくればJパネル以上の価格になるはずで、それをいかにクリアするつもりか疑問です。
投稿: 田中淳夫 | 2014/08/01 09:41
ヨーロッパのCLTはいかほど?400€(発値)と言われてますが、これに商社口銭、輸送コストを乗せても、国産材CLTよりははるかに安いはずです・・価格が高い分、補助金出すからどうでしょう?では普及しませんよね・・型枠工が不足しているなら大型公共建築物に使うのがCLTの目指すとこじゃないでしょうか?
3階建て程度じゃ魅力を感じませんが・・
投稿: とも | 2014/08/04 15:33
国産CLTの価格がいかほどになるかわかりませんが、おそらく輸入CLTよりかなり割高になるのは間違いありません。そして性能もおそらく上。素材がホワイトウッドやレッドウッドですから。使用実績もたっぷり。
国産ものに補助金つけたらWTO違反ではないでしょうか。
さて勝ち目があるでしょうか(勝ち目があると思っているのは誰でしょうか)?
投稿: 田中淳夫 | 2014/08/07 09:32