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2014/07/10

天然サワラが尽きた理由

台風8号が沖縄から九州を横断して太平洋岸を舐めるように東進……近畿も厳重注意だったのだが、実際のところはたいして雨も降らず風さえ吹かず。
なんか台風気分ではなかった。
 
と思ったら、近畿を通り越した長野県の南木曽町で土石流が発生して死者を出している。
 
※ちなみにテレビのアナウンサーが「みなみきそまち」と何度も発音していて、ああ、後で訂正入れるかなあ、と眺めていた。もちろん南木曽と書いて「なぎそ」である。

先日紹介した木曽檜も、実は南木曽産である。くださった人の兄弟が会社をやっているわけで、私も訪ねたことがある。
 
それで写真を探してみると、こんな木材市場のものが。
 
Photo


これは、天然サワラ。

 
 
 
今や木曽檜以上に貴重なのではなかろうか。
 
 



実は、天然サワラ資源は、もはや尽きているのだそうだ。もともと植林だってさして行っていないし、群生地も少ない。
その理由は、善光寺にある。最近、屋根の修理で天然サワラを大量に使ったのだ。
  
国の重要文化財になっている善光寺の三門の解体修理時に、大正10年の修理で檜皮葺となるまではサワラ板を用いた栩葺きであったことが判明した。そこで近年行った改修では、建立(1750年)当時の姿を再現するため、約260立米(170本)の天然サワラを集めた。もちろんそれは、国有林から切り出している。

2
 
これは、木曽赤沢のサワラ林(のはず)。

夏でも、虫が飛ばないほど精気を発していた。
 


某氏は伐り出しに反対したそうだが、どうしても天然サワラでなくては、と言って最後に残っていたような資源まで伐り出してしまった。そのため、ほぼストックは底をついたという。
今後もまとまった量が出てくるかどうかわからない。もはや天然サワラは保護林しか残っていないだろう。そもそも栩葺きの屋根材にするほどのサワラは、樹齢200年ぐらいは必要だそうだ。
 
最近、寺社や天守閣などの復元や修理(計画)が増えているように思う。京都の東本願寺や西本願寺の本堂改修、奈良の興福寺の金堂が再建中。さらに平城宮の復元も進んでいる。名古屋城に駿府城に江戸城の計画もある。が、それは最後に残った長大材の資源を根こそぎ奪うことになりかねない。


  
……南木曽からここまで連想してしまった。災害に遇われた方々にお見舞い申し上げます。

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コメント

では、寺社関係者を含めて、持続的利用、あるいは長伐期施行のシンポを開く、とか

彼らの意識が、それほど高ければなあ。。。

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