新潮社から「シンラ」が復刊された。
さっそく購入してしまった。
しかし、テーマが田舎暮らしとは……。
もっともよく見ると、発売は新潮社だが、発行・編集は株式会社天夢人になっている。また隔月刊らしい。
正確には、復刊というより新創刊に近いのかもしれない。
しかも「玉村豊男 責任編集」の文字も。どうも今号だけでなく玉村氏がシンラ編集長を続けるらしい。玉村氏は、エッセイストや画家、ワイナリー経営などで知られている。
……こんなこと書いても、わからない人にはわからないだろう(^^;)。
「シンラ(SINRA)」は、かつて新潮社から発行されていた月刊誌だ。1994年に創刊し、2000年に休刊した。森羅万象から取った誌名らしく、自然を扱う雑誌として結構カルトなファンがついていた。自然と言っても、ちょっと切り口が変わっていて、ニホンオオカミの残像をおいきかけたり、妖怪を探したり。
実は、私とは多少の縁がある。と言っても、執筆していたわけではない。当時の私は何冊か本は出版していたが、まだ森林ジャーナリストは名乗っていなかった。ビーパルとかフィールド&ストリームなどの雑誌を舞台に活動していた。また「田舎暮らしの本」の常連ライターでもあった。
関わりは、ニフティサーブのパソコン通信に遡る。その中に「冒険&フィールドライフフォーラム」というのがあり、私はスタッフだった。サブシス(こんな言い方も懐かしい)を勤めて20近い会議室を仕切っていた一人だった。
その中に「シンラ」の会議室もあったのである。(ほかには「アニマ」会議室もあり、わりと出版社と結びつきが強かった。シスオペが出版界に強かったからだと思う。)
ここではシンラの読者と編集者が直に話し合う場を持っていた。
しかし、パソコン通信がインターネットに押されて縮小する中で雑誌のシンラも休刊になり、会議室は閉じられた。
で、私がシンラの編集者を大阪に呼び、関西圏の読者とオフ会を開いたのである。
考えたら、交通費向こう持ちで呼びつけたのだから、度胸ある(^^;)。もっとも新潮社の度量もあって足を運んでくださった。そしてシンラ・グッズをたくさんもらった(⌒ー⌒)。さすがに今は残っていないなあ。メモ帳やらいろいろあったはずだが。
そのオフ会では、シンラの復刊の可能性も語った。たとえば価格はもっと上げてもよい。月刊でなくても季刊なら可能ではないか? イヌネコ特集は売れ行きがよかったらしいが、あんまりこの手のものはコアなファンは喜ばないよ……なんて話をした記憶がある。
まあ、14年の歳月を越えての今回の復刊だ。ちょっと当時とテイストは違うが、さてどのように展開するだろうか。
田舎暮らしは森羅万象に入るのか? ちなみに第2号は「森の命 クマとシカの世界」特集らしい。
『シンラ』の前には『マザー・ネイチャーズ』がありましたね。
1993年SUMMER 「イギリス式自然」の1冊だけ手元にあります。
投稿: 松浦茂 | 2014/07/30 18:52
あったあった。「マザーズ・ネイチャーズ」。私の手元にもありますよ。
投稿: 田中淳夫 | 2014/07/31 22:50