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2014/09/24

売るのは家具か空間か

昨日の続き。

 
国産家具の輸出をめざす前にすべきことは何か。簡単だ。国内でも売ることだ。
 
 
だが、どんな売り方をするか。
それは、少なくても量ではない。販売量を大きくしようとすれば、必ず価格に行き着く。それは安値競争に陥って自滅する。安く大量に生産するのは外国の方が得意だし、仮に売って見せても利益率が悪くてコストが増える。いっそ国産材を海外に運んで、向こうの国で作らせた方がまし。だが、それでは国産材で作る意味も薄れるだろう。
 
かといって、質をめざすのも考えものだ。徹底的にこだわって作家性の高い作品をつくり、高価格な家具になっても、購買層が小さくなるだけで、売れる量はわずか。いやその前に、職人の腕にしろ家具の品質にしろプランディングにしろ、すでに欧米が圧倒的な強みを持っていて、そこに参入しても簡単にシェアを取れるとは思えない。それに狭い層を狙うことになり、これまた利益は小さいだろう。 
 
このように考えると、国産家具の販売を伸ばすのは、極めて難しいことが自明の理だ。
 
……が、そんな無謀な国産家具に取り組んでいるのがコレ(笑)。
 
これは、 国産のスギやヒノキで作ることを前提にデザインされた家具のプロジェクトだそう。
なんと、クラウド・ファンディングをやっている。目標額は集まるかなあ。
志はよい。 ……だが、サイトにある趣旨をいくら読んでも、投資を集めて何がしたいのか、イマイチ理解できなかったのだが。もしかして、金より告知目的だろうか? 
 
 
 
ところで、ここで紹介されている家具はたしかに素敵だ。その理由を考えてみた。それは……家具のデザインもあるのだけど、どちらかというと、写真の撮り方が上手いように思う(^o^)。
国産家具が素敵に見える撮り方をしているのだ。
    
私も現場で経験したが、カメラマンの腕によって、風景や料理や人物さえも、まるで違う写真になる。 私が目にした光景と数段上に写真は仕立てる(^^;)。
 
それは偽りのビジュアルを作っているのではない。ちょっと配置を考えて、余計なものを排除して、光の当て具合を工夫して、小道具も置く。人物にはポーズを取らせる。それで全体が素敵な空間になる。これはセンスの問題だ。
 
それと同じことを家具販売でもできないか。
 
言い換えると、家具のデザインより空間のデザインをするということ。
 
 
そして、ここに別の切り口があるかと思う。
家具を家具と売っても、多分販売力の問題に刷り変わる。(そこには価格やブランドや営業努力も含むのだけど。)
 
 
むしろ、オーダーメイドで家具を置く空間を、プロのデザイナーがプロデュースしたら、モデルハウスのような空間が演出でき、そこに似合う家具を販売できるように思う。
 
そんな手間かけることは、よほどのお金持ちしか注文しない?  そうだろう。
 
しかし、美しい内装やデザインが金に変わる世界もある。それはビジネス空間だ。家具や内装にお金をかけても、その分を取り返せるほど商売が繁盛すれば文句は出ない。
オフィスもいいが、とくにファッション系の店舗。あるいは飲食系の店舗は、木のデザインを活かせるのではないか。
 
しかも店舗は、数年ごとにリニューアルする。その度に需要が発生する。
  
 
 
何も頭の中だけで提案しているのではない。実際にやっている人に会ったことがあるのだ。
ただし、組んだのは国産家具の作り手ではなく、マレーシアの家具職人たちだ。あちらも王国だけあって伝統的な木工技術が生きている。しかも非常に安くできる。それを日本の店舗の建設業界に売りまくっていた。
 
 
国産家具を使えば、マレーシア(やインドネシア)の家具とは違った空間プロデュースができるはず。
 
自ら空間プロデュース業に乗り出すか、あるいは店舗デザインを手がける事業体と組むか。そんなデザイナーに国産材を使った家具や小道具を活かしたデザインを作ってもらう。きっちり供給できたら可能性は広がるかもしれない。もしかして、輸出もできるかもしれない。
 
これは、モノを売るように見せて、センスを売るわけだから、それなりの人材が必要となる。
それが日本社会はできるだろうか。
 

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