大阪の上町台地は、大阪城から天王寺にかけて南北に延びる台地。
寺町でもあり、大阪でも歴史の色濃い地域だ。
今年400年を迎える大阪冬の陣で盛り上がっている。真田幸村人気も高まりそうだ。各所にノボリが立てられている。
そんな町をなぜか散歩していたら、「愛染堂勝鬘院」に出くわした。大阪の人なら詳しいだろうが、大阪一番の夏祭である愛染まつりで知られる寺院である。その歴史は飛鳥時代まで遡る屈指の古刹だ。
そこで、少し寄り道して参拝。すると、境内に愛染かつらがあった。
「愛染かつら」と聞くと、そもそもは小説で、映画化テレビドラマ化を幾度も繰り返した恋愛物語を思い出す。さては、ここが舞台だったのか。
カツラの木は巨木になるが、ここの木は途中で折れてしまっていて、そんなに太くはない。ただ、その幹にはノウゼンカズラが巻きついている。カツラを男子、カズラを女子に見立てて、それが寄り添うというか和合していることから、「恋愛成就・夫婦和合の霊木」として人気がある。
こんな具合に巻きついております。
なるほど、これは恋愛小説のシンボルになりそうだ。
そういやこの寺の名である勝鬘院の鬘の字は、かつら(ただし、カブリモノの髪のかつらだけど)のことである。なんだか、カツラ、カズラ、かつらと二重三重にひっかけてあるのであった。
異種の植物がこのように合体するケースはままあることだ。
実は、愛染堂の隣の大江神社にも寄ったら、もっとすごい木があった。
こ、これは何種類の木が生えているのか。クスにナンテンにカシに……
ここを舞台にしたら、純な恋愛ものにならず、どろどろの愛憎劇になりそうだ(^o^)。
……そう思って確認のつもりで「愛染かつら」について調べると、なんと!仰天の真実が!
川口松太郎の小説「愛染かつら」の舞台は、この愛染院ではなかった。長野県上田市の別所温泉にあるカツラの木なんだそうだ。当時名前は付いていなかったが、たまたま隣に愛染明王堂があり、それをくっつけて愛染カツラと命名したという……。しかも、こちらにはノウゼンカズラなんぞは巻きついていないよ(^^;)。
愛染堂の説明版は大嘘書いておる(⌒ー⌒)。
ところで信州上田と言えば、真田幸村の故郷でもある。
実は、愛染堂からほど近い安居神社は、真田幸村戦死の地だ。ここで力尽きて幸村は亡くなったのだ。
幸村像
何やらさまざまな形で、大阪の上町台地と信州の上田は結びついているのであった(笑)。
コメント