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2014/10/27

佐賀の「200年の森」づくり構想

昨日は、皆伐を始めた栃木県の林業新機軸を紹介したが、今日は佐賀県。
 
佐賀新聞によると、
 
佐賀県の藤津郡太良町では、町有林は1542ヘクタールあるうち、標高約500メートルにある41・3ヘクタールと9・8ヘクタールの二つのエリアを、「多良岳200年の森」として整備を始めたという。これは、現在は樹齢40~50年のスギ、ヒノキ林を、樹齢200年を超える森林を目指すものだ。管理は、町の森林組合が受け持つ。
 
これは、材価が下がり待った今、あえて高樹齢の森をつくって、良質な木を育てつつ間伐材の販売を行うほか、森林浴などを楽しめる観光スポットにもして、さまざまな活用を模索するのだそうだ。
 
現在は、1ヘクタール当たりヒノキが約900本、スギが約800本だが、6年に1度のペースで間伐、80年以上になると15年間隔で実施し、目標林形は200年後にヒノキ林分で100本、スギで約80本、胸高直径がヒノキ1メートル、スギが1,2メートルを見込んでいるらしい。高さ40メートルに育つ見込み。
 
残す木には白い塗料で印を付けたというから、いわゆる将来木施業なんだろうなあ。
問題は、これだけの長伐期の森づくりの技術やノウハウがないこと。もっとも、この計画を通して、高樹齢の森林の管理技術を確立するのも目的だとある。
 
なに、全国には高樹齢の森づくりをやっている林家もそれなりにいる。大いに教えを乞うて、それを地元に合うようにアレンジしたらいい。試行錯誤しつつも200年の森が誕生したら、その技術も自慢できるかもしれない。
自慢の技術は、町のほかの林家にも伝播するだろう。底上げにもなるわけだ。
 
 
面白いなあ。小さな町が、こんな壮大な未来図を描いたのだから。どこから200年という数字が出てきたのだろう。「100年の森」というのは、各地にそこそこあるのだが、実は100年ぐらいでは森として目立たない。しかし、200年だと見映えがよいだろう。寺院建築などで求められる長大木も、200年300年の木だ。
 
近頃の林業的話題は、みんな近視眼的で、目先の利益を求めるようなものばかりで、聞いていて楽しくない。こうした大風呂敷も広げてほしい。遠くの目標、高い理想、理念を掲げるのも、長期間必要な林業には必要だろう。大きな風呂敷には、きっと目の前でもキラリと光るものが包まれているものなのだ。
 
 
それに木材生産でありながら、観光ももくろんでいるところが何か力が抜けてよい(笑)。実は、こちらが本当の目論見なんじゃない?
 
実際、町議会の議事録に目を通すと、「200年の森」の場所を設定する理由の一つに、観光バスが入れる道と場所を用意することも上げられている。150年後に観光客が入れるように考えているわけだ。いくらなんでも「取らぬタヌキの皮」のような気がするが……。
 
岩島正昭町長の言葉には「森が町のシンボルとなり、訪れた人に癒やしの場を提供できるよう、観光事業との連携を図っていきたい」とあるし、
村井樹昭森林組合長は「林業をやってきた者にとって、この計画はロマン。ノウハウがなく手探りだが、次の世代へと森を継承できるよう、山を愛する心と知識を持った若手を育てていきたい」と語ったという。
 
やっぱり、林業、森づくりを語る場合には、こんなロマンと大ぼら(笑)的な発想がないと楽しくない。150年後、今いるメンバーは誰も生きていないだろう、と町長も口にしているし(^^;)。
  

議事録の中の議員の発言に面白いものがある。
  
 
あぎゃんた言わんでよかとばってん、その1本の中に、1本、2本の中に町長、副町長の札をして、この町長が200年の森をつくったんですよというふうな歴史も刻むように、そしてその町長の木が切られんように残すような状況で歴史、あんた笑うな、真面目な話をしよっとば、議長も結構、こういう時代にこういう人たちが残したというのは、そんくらいの1本、2本のあってもよかじゃなかかなあと思いますので、その辺ぜひ残していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
 
本当にやるかなあ。リーフレットと記念碑はつくるらしいよ。
 
 
この町、訪ねてみたくなった。今訪れて150年後の森を想像するのだ。ああ、すでに観光戦略は成功しているよv(^0^)。

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コメント

おおっ、と思いつつ、しまった!とも思いました。
実家でやろうかな。

ぜひ、挑戦してください。うちは300年森をつくる、と宣言して家憲に記す。ヴィビュアル的に立て札をつくるとかも有効です。「この木が300年後には、これほどの太さになるんですよ」と模型もつくって展示。それを記者発表して世間に知らしめる。
ここまで行えば、見学者が来ます。彼らから入場料を取って稼ぐのが、今もっとももうかる林業です(⌒ー⌒)。

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