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森と林業の本

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2014/10/17

木材を売るためのマヨネーズを!

最近、スーパーの食品売り場で目立つのが、簡単に調理できる調味料類である。
何種類かの素材があれば、この調味料があればすくできます! というのが売り物。

 
こんな棚もよく見かける。
 
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見覚えはないだろうか。このレトルトの調味セットを使えば、材料にまる○■△と*ΩΘを買うだけで○○という料理がすぐ完成します! というものだ。
 
料理名をよく見ると、「ブリの香り揚げ」「モヤシのニンニク醤油炒め」など、定番的な料理ではなく、ちょっとアレンジしたものが多い。なかには「ガリバタ鶏」とか「ミルフィーユ風カツレツ」……それ、どんな料理??? というものも。
 
結構である。こんなのを見ると、食べたくなる→買いたくなる……こともある。
 
そういえば、たとえばマヨネーズのテレビCMも、マヨネーズの宣伝というよりは野菜料理を紹介していることが多い。この野菜を、このように料理すると美味しいですよ、それにはマヨネーズを付けてね、というわけだ。
 
野菜の宣伝だって、素材である野菜だけを強調しても売れないから、料理法を伝える。ブロッコリーはこのように料理すると、ちょっとオシャレで楽しめます、というような。これ、グルメ番組ではしずる感というが、肉汁がほとばしったり、ジュージュー焼いたり、湯気の上がった様子を思い浮かべると食べたくなるのだ。

ここで教訓となるのは、素材は、素材のままでは売れない。その加工後の姿をしずる感たっぷりに見せることでユーザーの消費欲に火をつける。
 
……(以上、マーケティング評論家でした。)
 
 
さて素材と言えば、木材も、林業界では原木のことを素材と呼ぶ。一般には通じない言葉だと、私はいつも馬鹿にしているのだが、原木だって通じないかもしれない。ようするに伐採したまんまの樹木である。
実は、これこそまさに「素材」なのだ。そのままでは使い物にならない。枝付きの新鮮な木材が入荷しましたぜ、と店頭に並べても売れるわけがない。枝を払って、長さを整えた丸太でも無理。樹皮を剥いて、製材して、角材や板などにして初めて売り物になる……いや、それでも買うのは工務店か日曜大工のおじさん向きで、一般人には用なしだ。
 
そう、本当に売れるのは木材商品なのだ。大は住宅だが、家具や木の小物まで。割り箸や爪楊枝だって、その形になって初めて売れる。
つまり、木材もマヨネーズを付けないと食べられない……使い物にならないのだ。
 
野菜や肉だけをいくら宣伝してもダメだ。せいぜい価格競争におちいるだけ。また調味料も、並べているだけでは買い手が着かない。
しかし最近は、塩、コショウも別々ではなく、一緒になって商品化しているし、上記のようにレトルトになった調味材料まで発売されている。すると、「素材」である肉や肴、豆腐、ブリやモヤシも売れる。
 
 
だから木材を売りたければ、建築物や木工品のデザインが大切なのだ。
 
と結論づけると、またか、と思われるかもしれないが、実はどんな素敵な商品デザインを提案しても、ほとんど売れないだろう。
 
お手軽で、価格もそこそこ安くないといけない。
凝ったデザインのため、特注の6・25メートルの湾曲した柱とか薄さ0・5ミリの赤柾の板を1000枚必要……しかも組み立てる際には熟練の技を持たねばならない。なんて言ったら、誰も使わない。
やはり、一般的な規格の材を簡単に使って、いかに素敵なデザインの木工品を作れるか、ということも大切なんだろうなあ。
 
誰か、木材を売れるようにする調理料をつくってくれ。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

木を素材・原料として(手段)、薪窯陶芸用の燃料とみなし、
陶芸品を得る(目的)・・・木質(バイオマス)を陶器に作り変える、、、
そして、陶器を日常で使いながら『(由来の)森林を想起する』→こういう取り組みを始めているところでして、その意味に於いても
≪森と日本人の・・・≫から理論武装を得ようと思っている次第。

ガリバタはガーリックバター風味、ミルフィーユカツは薄切り肉を重ねて揚げるカツです。いずれも普通の材料ながら美味しくできるので、主婦層=この手の調味料の購買層には数年前から広く普及してると思います。

「薪で焼いた」陶器というのは、売り文句になればいいのですが。薪ならではの釉薬の違いが出たら面白いですね。
あるいは「森を守る」陶器という言葉を使うか。


いっそ、ガーリックとバターの臭いのする板とか、かんな屑を重ねて揚げた木質建材を売るとか……。

薪窯焼きの場合は『釉薬を使わなくても事を成す』と言われています。==1,300内外での『焼成』なので、粘土(の中の成分)が、
ある種の『結晶化』、するからだそうです。

『薪窯焼成の陶器で森を守る』・・・良いと思います。(頂きますっ!!)

なるほど、丹波焼などでは灰釉などで味わいが出ていますね。
灰なら薪だ(^o^)。……ニンニクやバターは釉薬にならないでしょう。

連投します。私ごとで恐縮ですが・・・・。

森林整備の初期段階として『林地との境界測量』をして頂きましたが、当該林地の整備前と整備後の『比較写真を提出』することになり、
測量点を『立ち位置』としての写真撮影をしました。『位置情報を映しこめるカメラ』を採用しました。
(GPS機能付きのSONY・αを新規調達!)

約60本の杭の位置から2ショットずつ、計120ショットでした。・・・上り下り有り、崖地あり、藪こぎしながらで約4haを処理してきまして、
もう、へとへとで、とても『読書』どころではない・・・・と、言い訳して、お休みなさい。(苦笑)

灰釉薬というのがあるようです。
鰻を焼いた備長炭の残り灰(鰻油含む)を使用する『企画』を立案中です。

何を書きたいかと思えば……ようするに「読んでない」(笑)。

灰釉は、薪で焼いた際に自然に舞い上がる灰が素焼きの陶器にくっついて溶けて釉薬のようになる自然釉ですね。
これを人工的につくることもできるそうですよ。

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