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2014/11/04

「ガイアの夜明け」で描かれた日本林業

今夜の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)で、日本の林業が取り上げられた。

 
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近頃、多いなあ。林業を持ち上げる番組。生半可にかじったものや、無理やり期待できるところだけをクローズアップしたり。これまでも折りに触れて紹介はしてきたが、もはや林業は日本の期待産業なのだろうか。
 
今回の番組は、その中でも質がよかった。やっぱり経済系は日経新聞社とつながるテレビ東京は強いのだろうか。
 
取り上げたのは、木材輸出(九州・志布志港)と、西粟倉・森の学校(岡山)と、東京の木で家を建てるTOKYO WOOD
実は、この辺りは常連で、たいていの番組で取り上げられている。言い換えると、成功例はほかにあまり見つからない?   
 
あんまり皮肉いうのは止めよう(^^;)。
 
でも、一応ツッコミ入れておくと、輸出が伸びているのは、ほとんどが価格の安い木。BC材だ。番組に出てきたような、棺桶や家具として高く売れる木材は少ない。つまり、売れても、そんなに山元への還元は少ないだろう。
 
それに、木材輸出は10年以上前から取り組まれて、苦闘の歴史がある。何度も煮え湯を飲まれさて来たのだ。それを乗り越えて今がある。いや今回だって、そのうち煮え湯をぶっかけられるかもしれない。それほどリスクの多いビジネスだ。そのリスクをヘッジする仕掛けは、今の輸出ビジネスにあるのだろうか。
 
また西粟倉村・森の学校も、私は随分前から追いかけてきたから苦闘の歴史を知っている(^^;)。失敗部分も聞いている。それでも、ここまで来たんだなあ……と感慨深かった。
よかったのは、番組内で注文に応じるだけの材が出されていないことを、ちゃんと説明していたことだ。その分を兵庫県から仕入れているのだ。
 
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その額が1000万円単位になるらしく、それだけの金額が地元に落ちずに流出していることも話していた。そして、計画どおりに間伐が進まない理由の一つに、山主が森林組合に任せてくれない(自分でも伐れない)ことを説明している。実は、ここに日本林業の問題の根幹があるのだけど、多少とも触れたことが救いだ。
 
東京の木で家を建てる動きも、実は歴史は長い。NPOでやっていたこともある。(今もやっているか。)
 
私は、東京の講演で「林業を東京から立て直せ」「東京の消費力が日本の林業を牽引できる」とぶったことがある。
「コンサルが得意とする大口みたいだ」とコンサル出身の人に言われた(^^;)けど。
 
でも、現場でコツコツやらないと現実は動かない。紹介していたTOKYO WOODは、構造材だけでなく内装や建具も東京の木材でできないかと考えているようだ。ああ、ようやくそんな動きも出だしたか、とこちらも感慨深い。構造材だけではダメなのだよ……と言い続けて早10年(笑)。そして、価格問題はクリアできるのだよ。施主も、工務店も。
 
3例に共通するのは、日本の林業を元気にしようと思ったら、量ではなく質だ、ということだよな。

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コメント

今日赤堀さんと話す機会があったのですが。同じようなことをおっしゃってました。
質のよい木をつくって、ユーザーにもその質を理解してもらえるように教育を一丸となって取り組みたいと感じました。

逆に言えば、日本の林業・木材が生き残るには質しかないと思いますよ。それも品質だけでなく、ストーリーとか情緒とか感性とかも含む質。
量で勝負するのは、極めて厳しい……別に書いた合板のように。

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