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2014/12/26

獣害増加の真相は……

このところ、少し獣害について調べているのだが、資料を漁っていると(私にとって)仰天事実が次々に登場してきた。
 
それは常識の嘘というべきか、獣害に対する認識の根本的な誤りにつながる。
 
それをここで紹介するのは、私の元ネタ情報を披露してしまうようなものなので躊躇する(~_~;)面もあるが、書かずに居られない……。
 
なお資料の多くは、農家向けの農作物被害に対するものであり、林業被害に関したものは少ないのだが、それは余計に林業家の耳に情報が入っていないことも意味するだろう。
 
 
まず、最大のものは、「狩猟者(ハンター)の激減が、獣害を増やした」という説。
 
たしかにハンターは減っている。1970年度に53万人いたのが、2010年度は19万人だ。激減と言ってよいだろう。
 
ところが、捕獲数はどうだろう。これは1990年と2011年の比較になるが、シカは4万2000頭から41万5500頭、イノシシは7万0200頭から39万500頭に増えているのだ。
 
1990年のハンター数は約30万人だが、捕獲数は5倍、10倍以上である。これは高齢になっていくハンターが頑張ったおかげとも言えるし、行政もそれなりに有害駆除の奨励金をつけるなどしたおかげだろう。
 
もちろんハンター数が多いにこしたことはないが、必ずしも捕獲数に比例しないことが証明されてしまったわけで、いくら狩りガール増やしても効果は出まい。
 
 
そして、餌はどこにあるのか、という点でも凄い数字が出ている……。
 
たとえば水田で稲刈りした後を放置すると、まず切り株からヒコバエが生える。再び稲が生長するわけだ。上手くすると、ヒコバエからも米が収穫できるという。また、切り株の間にも雑草が生える。10月に稲刈りしても、12月には青々としていることはよくある。
 
その量たるや……10アールでヒコバエ100キロ、雑草300キロ、さらに畦道に400キロ……こんな調査結果が出たのだ。
 
これがシカやイノシシの餌になるとしたら。。。。
 
ちなみにシカだけなく、イノシシも日常的に青草を食べているそうだ。あとサルも。3大獣害動物はみな、雑草を餌としている。
 
もちろん、ほかにも餌はたくさんある。が、ここでは林業に関係のあるものとして林道の法面に注目したい。林道整備をすると、たいてい法面が膨大に誕生する。そして、そこには法面保護と称して緑化用に牧草の種子を吹きつける。
 
この牧草は、冬でも青々と育つものが多く、しかも栄養価が高いように品種改良されていたりする。林道の延長距離から想定できる法面の面積に牧草が育てば、そりゃ、シカの大御馳走になるだろう。
 
ほかにも、里山整備など様々な要因が餌を増やし、野生動物の楽園をつくっているという事実が浮かび上がってきた。
人が自然を破壊して、野生動物を追いやったどころか、人は野生動物のために餌をせっせと栽培している……と言えるかもしれない。


  
林業における獣害被害も、一から見直すべきかもしれない。
いくら駆除しても数は減りにくいし、数を減らしても被害は減らない可能性がある。何も彼らは飢えて樹皮を剥がしているのではないのだ。
 
本当に山の野生動物数を減らしたければ、林道の法面をコンクリートで固めるといいかもね。。。。そして有害駆除の奨励金を10倍くらいに引き揚げて、もっともっとハンターに頑張ってもらうというのはどうだろう?
 

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

毎回面白く拝読(読み逃げしてました)
先日、貴殿の本に触発されて宮本常一の本を読んでましたら、山村から人が居なくなると書いてありました。戦前の話です。

私も各地の郷土史を見ていたら、江戸時代から新たに分村して集落つくったり、それが滅んだりを繰り返していることを知りました。その点では、集落が消えることは決して珍しくないようです。
……これは、コメント欄が違っていましたかね(~_~;)。

法面を『段切り』して平地を確保する、フォレストベンチ工法の選択というのも一手ではないかと。(見た目は、棚田?!)
段切りして出来る平地には東屋を設置して炭焼き小屋とか休憩所とか、とにかく「人が立ち寄るすることにする」・・・すると、
動物たちは警戒して近寄らないかも。
このフォレストベンチ工法は最近では『ダム斜面への設置』が取り立たされています。(会計検査院から国交省に対して相当に厳しい指摘あり)詳細は割愛しますが、この件は一般紙でも報道されています。

部分的にはそうした方法もありますが、林道の膨大な法面を変えるのは現実的ではないかと。そもそも人が立ち寄るほど、通らないからねえ。
 
私は、むしろ林道に集まるシカを一網打尽にするか、あるいは法面の草を食べない種にする、いや草に無色無臭の毒を吹きつけておく(@_@)のも手かと思います。……また世間が騒ぐでしょうが。

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