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2014/12/10

「シイタケ原木需給調査」の嘘

9月末に林野庁のシイタケ原木の需要(希望)と供給可能量の調査結果が発表されている。

 
 
これは、原発事故のため、シイタケ原木の大供給地だった福島県の生産が、事実上ストップしたことを受けてのものだ。
 
この件に関しては、以前も5月末の調査結果を受けて本ブログに記した。
 
シイタケ原木の需給状況
 
この時も、供給は足りているという数字が記されていて、「
供給希望量は17府県で151万本。供給可能量は12県と国有林で175万本。つまり23万本の供給余力」と私は書いた。
 
なんだか、数字が示す意味が理解できずに不思議だった気持ちが文面にも現れている。
そして今年9月の調査結果は、希望量118万本で可能量が137万本。19万本の余力という数字だ。ずっと足りているのか。
 
林野庁は、これは需要と供給のマッチングを促してきた成果だと自画自賛している。
 
 
ところが、農業ジャーナリストの窪田新之助氏によると、とんでもない林野庁の調査の裏側が浮かび上がった。
 
窪田氏は、各地の大規模シイタケ生産農家や種菌メーカーを取材したところ、原木供給が足りているという統計と実体がそぐわないことがわかった。なかには実際に調べた人もいて、2013年9月末の調査で80万本が供給可能とされていた高知県が、実際の供給可能量は10万本だと当事者は言っていたというのだ。80万本は潜在的な資源量なのである。
 
おそらくそのほかの県にも供給可能量と資源量を取り違えた数字を出しているところはあるだろうから、全体としては確実に供給は足りていないはずだ。
おそらく、その穴埋めに菌床シイタケへの切り替えが進んだのではないか。言い換えると、原木シイタケはますます減少していると想像できる。福島の穴は埋まっていないのである。
 
 
これは驚きを通り越して、完全に統計が間違っている、あるいは嘘・でっちあげだということを示している。
どんなに山に木があっても、出せなくては、そして価格などが折り合わなければないも同然ということは、シイタケ原木に限らず木材全般に言えることではないか。
 
たとえばコナラやクヌギの資源量なら、生駒山も莫大にある。いや、近畿一円、どこもコナラとクヌギ山ばかりだ。西日本全体で需要の十数倍あるのではないか。しかし、出せないのだ。道や集材方法がないからである。専門業者はいないし、無理に出そうとしたら、やたら高くつくだろう。それでは買い手がつかない。
 
そもそもシイタケ原木と言っても、コナラのほかクヌギもアベマキもシイタケ栽培には可能だろう。そして西日本にはクヌギが多い。しかし、東日本ではシイタケ原木と言えばコナラを好む。クヌギは樹皮が分厚くて種菌を打つのが大変で芽生えも悪いとか、乾燥しやすいともいう。プロのシイタケ農家にとって扱いやすいのはコナラなのだ。
 
さらに窪田氏は、希望量の調査も、大規模農家や大手メーカーが外れているらしく、正確な数字とは言えないという。
 
 
 
……そんないい加減な調査だったのか。。。林野庁は何をやっているのだ。もはや調査と言えないのではないか。こんな数字を出して、何を安心している(させようとしている)のか。
 
もしや、原発事故の損害補償を削減する手助けしようとしているのか。供給が足りていると言えば、生産できなかった補償金は払われなくなるからだ。
 
なんだかおぞましい気分になった。。。
 

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