今年2015年は、国連が定めた国際土壌年である。ついでに言えば、12月5日は世界土壌デーだ。
毎年、国連が何らかのテーマを定めるわけだが、2010年が国際生物多様性年、2011年が国際森林年。これらはそこそこ知られたのに、このところ影が薄い。(私の中だけかもしれないが。)
ちなみに昨年2014年は国際家族農業年だった。2013年は国際水協力年。
ようは、土壌の重要性にもっと気づこうというわけだ。たしかに土壌は世界的な環境問題の中心課題である。また、一般に森林の環境機能とされるもの(水源涵養とか気候緩和、炭素蓄積(地球温暖化)、また生物多様性……)等々の多くは、実は土壌が関係しているし、そもそも土壌の生成には森林が深く関わっている。
また現在、地球環境を考える際、世界的には土壌流亡が重大視されている。各国の経済成長、貧困撲滅、女性の地位向上などの社会経済的な課題を乗り越えていくためにも土壌の保全が欠かせないとされているのだ。
国際土壌年で掲げられているのは、次のような項目。
・人間の生活において土壌が担う重要な役割について、社会的な認識の向上をはかる。
・食料安全保障(Food Security)、気候変動への適応と緩和、生態系サービス、貧困撲滅および持続的な発展に土壌が寄与していることを啓蒙する。
・土壌資源の持続的管理および保護のための効果的な政策や行動を促進する。
実際、少し見直さないといけない「世間の常識」もある。
生物多様性も、実は土壌内の微生物の種数や量的なとてつもなく高い。また土壌とは少し違うが、さらに地下深くの岩盤に広がる「地下生物圏」も注目されている。生物多様性は地下世界に支えられているのかもしれない。
またモンサントの除草剤は、単に草取り作業の軽減を考えて開発されたものではない。むしろ開発動機は、除草によって土壌の流出が深刻化する中で、草を抜いて表土を流さないようにするためだったという。
除草剤は土壌を殺す、と盛んに言われるが(その正否は学者によって意見が分かれる)、少なくても当初は環境を守るためという意図があったことは脳味噌の隅に留めておきたい。
私も、以前、森林ジャーナリストより表土ジャーナリストにならないか、と声をかけられたこともある(^o^)。もっと土壌にも目を配っていきたいと思う。
土壌は直接関わる産業がない点で不利だが、上記サイトによると、それなりにイベントなども行われていくようだ。
それにしても、全国穴堀り大会!なんて開かれているんだねえ。。。
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