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2015/01/21

林業投資と森林組合の仕事

昨年の5月、就職先として外資系ファンドと森林組合を天秤にかけている女子大生のことを紹介したと思う。

 
その時は、外資系投資会社と日本の森林組合の落差に驚いたわけで、しかしそれを並列的に就職先として見る目が斬新だったから記事にしたのだ。
 
……実は彼女からまた連絡があった。某大手証券会社から内定を取ったそうだが、それを断って「森の中に入りたい」というのである。。。。
 
おいおい。世の中知らないのか舐めてんのか、社会はそんなに甘くない! と、どこぞの手垢にまみれた説教オヤジみたいなことは私は言わないのだが(~_~;)、改めて投資ファンドのことを考えてみた。
 
 
ちょうどアメリカでは、森林投資が急拡大している。TIMO(林業投資管理組織)とかT-REIT(林地不動産投資信託)が林地を所有して経営する形態が主流になっているのだ。そこでは、林業は優良な投資先と考えられている。それも非常に利益率の高いビジネスなのだ。
 
と言っても、購入した森林を丸裸にして木材を全部売ってしまう……といった短期利益ではない。むしろ木は伐らないで森林の資産価値をあげて転売する、といったビジネスモデルが主流らしい。いわば、これは育林ビジネスである。
日本のように、今そこにある育った木を収穫することばかり考えている林業ではなく、むしろ底値の林地を購入して、しっかり森づくりをして返すのである。だから自然保護団体と組んで買収することさえあるらしい。
 
 
そのことについて少々勉強しているのだが、なかなか面白い。とはいえ難しくて完全なビジネスモデルを理解できるまでにはいたっていないが……。
 
ただガツンと来た言葉がある。
 
育林はコストではなく、投資である。
 
日本では植林して下刈りして除間伐して……という育林作業は、利益の出ないコストだと思い込んでいるが、アメリカでは元本を太らせる投資なのだ。
 
そして森林の長期保有は、株式や社債、商業系の不動産など短期売買の金融資産と対をなす長期安定資産だとする。それらは負の相関があり、お互いがリスクヘッジし合うわけだ。だから分散投資する際のポートフォリオの一つとして重要なのだ。
 
しかもTIMOREITのやっている森林管理の仕事とは、なんのことはない、基本は森林組合と同じではないか。預かった(所有した)森林の手入れと、タイミングを見計らっての収穫(伐採)と販売(木材ほか林地から得られる商品)など。そして再び契約した所有者に山を返すというビジネスだ。
 
 
外資系ファンドと森林組合は同類だったのね(~_~;)。
 
もちろん、比較すべきは森林組合の中でも真っ当に組合員の林地管理としての林業に取り組んでいる組合は、だが。
 
日本でも、森林の利益を収穫する木材で計るのは抑えて、森林価値を上げるという目で見ることはできないのか。
 
これは日本の不動産会社の意識を改革しなければならないかもしれない。日本の会社は林地にほとんど資産価値を認めてないからね。だから転売しづらい。売却したら、逆に購入時より安くなっていたりする。
 
しかし、土地ではなく上物の森林に価値を見る目があったら、手入れした森林は価値が上がるはずなのだ。そして長期に資産運用する希望者には、森林はよい投資物件になるはずなのである。
 
よし、証券会社に勤める前に森林組合に勤めるのもアリだな。。。。

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