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森と林業の本

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2015/02/11

バーク堆肥の表示

 ホームセンターで見かけたバーク肥料の表示に目を奪われた。
 
001
 
いかがだろう? わかるかな……。
 
私が目を止めたのは、その説明文に幾度も繰り返し書かれている「繊維(リグニン)」という文字だ。 一瞬、何かの勘違いかと思った。
 
繊維はファイバーだろう。もう少し分解すればセルロースとヘミセルロースである。一方、リグニンとは、繊維質をつなぐ高分子化合物である。化学用語を使うならフェノール性化合物というべきか。ベンゼン核を持つ3次元構造の複雑な幾種類もの化合物である。構造式は複雑すぎて、今もはっきりしていないはずだ。
 
樹木の木質部を説明するのによく例えられるのは、コンクリートだ。鉄筋を砕石まじりのセメントで固めた状態である。つまり、長い繊維のセルロースと短い繊維のヘミセルロースが、リグニンによって固められているのが、コンクリートとよく似ているというわけ。
 
 
ま、小難しいことは置いておいて、ようするに繊維とリグニンはまったく別物のはず。私の理解は間違っていただろうか……。ま、バーク(樹皮)は、セルロースまで分解前の状態で、正確にはリグニンも含んでいるかもしれないが。
 
それにしても繊維あるいはリグニンが、地力を増加させるのか。そもそもバーク堆肥の役割は、土壌の物性をよくするためで栄養素ではなかったはずだが。 (不思議と、リンやカリ、窒素……という表示があるのだが、これはどこに含まれているのだろうか。化学肥料を添加しているという声もあるが。)
 
 
先日も、造園業界のいい加減さの話を聞いたばかり。
 
樹木の生育のことどころか、名前もあやふやな庭師が多いのだという。なぜ弱っているのか、どうしたら花が咲くのか、と聞かれても答えられない。だから、施主に話しかけられるのを嫌がるとか……。
 
ま、みんなが植物が好きで望んで造園の仕事についたわけでもなく、また堆肥の勉強して商売しているわけでもないということか。
 
 
誰もが自ら望む職に就けるわけではない。しかし、いいのか、これで。商品にいい加減な表示したって誰も気づかない?
 
私だって、土壌ジャーナリストになるために、ホームセンターで土や堆肥を見て勉強しようとしていたのに……。

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