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森と林業の本

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2015/02/05

春日大社に使われる檜皮

今夜は、川上村で土倉翁のことを話に行く。
またもや大雪予報が出ているが……。
 
さて、今晩話すのは、「土倉翁と教育」についてだが、その内容はまたの機会にして、ちょっと気になる情報を。
 

現在、春日大社では、20年に一度の式年造替(ぞうたい)が行われている。そこで檜皮が大量に必要で、私も奉納したことを昨年(11月17日)伝えた。そして、この檜皮は、どこから調達したのだろうと記した。

 
そのことについて記事が載っていた。
 
それによると、奈良公園の奥の花山(春日山原始林の奥、裏手と思い描いてください)なんだそう。ここに生える樹齢100年超えのヒノキから檜皮を剥いているというのだ。そこに紹介されていたのは、樹齢106年高さ25メートルのヒノキだった。
これまでに266本のヒノキから1346キロの檜皮を採ったそうである。
 
1_3 春日大社に寄進された檜皮
 
 
もちろん、この山の木だけでは、到底足りないだろうが、奈良県としても県内調達を目指しているわけだ。
 
 
さて、花山と言えば、土倉庄三郎が奈良公園改良計画に沿って植林した地域である。荒れた山に吉野の美林と同じものをつくって、見本林にするとともに奈良公園の運営資金をつくろうという計画だった。
主に芳山と花山に植林したが、とくに花山は庄三郎自ら指導した山なのである。 
 
 
それが100年以上前……。奈良公園改良計画は、だいたい1900年代に行われたから、当時植えられたスギやヒノキは、樹齢で110年前後だろう。とくにヒノキはスギに先んじて植えられたらしい。
 
ということは?  
 
今、檜皮を採ったヒノキは、土倉翁が植えた可能性がある、というか強い。もちろん植林は何年もかけて行うものであり、個々の木の素性とともかく、土倉翁の植林地と言ってもよいのではないか。
 
花山は、昭和40年代に伐採されたという。ただ私も全部の木を伐ったとは思えなかったので、多少は残っているのてはないか、それを探しにいけないか、とは考えていた。
それを檜皮採取という理由であっても存在していることが示されたのだ。
 
よし、そのうち見学に行こうかなあ。
 
 
来年は式年造替に加えて土倉翁百回忌である。両者を結びつけた企画も可能ではないか。
 

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コメント

国土地理院の空中写真閲覧サービスである程度分かるのでは?
http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do

土地勘が無いのでよくわかりませんが、昭和50年のこれとか皆伐跡でしょうか?
http://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=944581&isDetail=false

なるほど、皆伐らしき跡が写っていますね。
ただ皆伐と言っても、全山伐ったわけではなさそうです。今回の檜皮採取の場所がわかればいいのだけど。

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