毎日新聞のCLT記事
毎日新聞の3月4日(多分夕刊)に、CLTの記事が載っている。
ただ、衰退する日本林業の救世主になれるかどうかは未知数だ。森林問題の取材を20年以上続ける森林ジャーナリストの田中淳夫さん(56)は、建材としてのCLTは評価しつつ「林業再生に結びつくかどうかは別問題」とクギを刺す。理由の一つは、国産材として使用が想定されているスギは乾燥しにくく、製造上の扱いが比較的難しいこと。もう1点は経済性だ。
国は1立方メートル当たり15万円の現在の製品価格を半分程度に引き下げれば、鉄筋コンクリート造りと対抗できるとみる。だが田中さんは「そこから原木価格を割り出すと、山の所有者はむしろ損をする。メーカーはビジネスになるだろうが、仮にCLTが普及しても結局は輸入材ばかりとなるかもしれない」と指摘する。
(サイトの記事2ページ目)
……実は、毎日新聞の記者も、「CLTが日本林業に益するという点がわかりにくいんですよ」と言っていた。多分、林野庁を取材して、その点が隔靴掻痒だったのではないか。
記事には、技術面と経済面の問題点が紹介されたが、私はもう一つ指摘している。それは木の感性面だ。
CLTをいくら使って建築物を建てても、その表面はクロスなどを張られて木質部を目にしたり触れるわけではない。またむき出しのCLTの表面は、決して美しくない。
だからCLTの建築物が増えても、木肌を楽しめるわけてはなく、木に対する愛着は感じないだろう。木材の良さを伝えないで、林業の活性化にならないのではないか、ということだ。
ま、こんな木のイメージや感性面が国民感情に影響し、それが長い目で見て林業に影響するという発想は、記事にしづらいだろうな。
だから、いいんだよ。理解されなくても。うん、そこまで求めない。気にしないよ。気にしないってば。。。
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