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森と林業の本

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2015/03/25

タナカ山林の植生再生は

久しぶりに、タナカ山林の様子を紹介しよう。

 
昨年は春までにほぼ皆伐状態にして、その後どのように再生するかを観察する計画だった。
具体的には、照葉樹ばかりになっていた山林に落葉樹を増やし、美しい雑木林にしたいと願っていた。
 
そろそろ1年を迎えるわけだが……。
今日行ったのは、石垣から生えている木の伐採。これは昨秋から進めていたが、まだ残っているのだ。それをを処分してしまおうというわけ。
 
私も久しぶりのチェンソーだ。
石垣の上に登り、伐り方を考える。(石垣の上の所有者とは許可をもらっている。というか、その人の要望で伐るのだ。)
 
石垣の途中の石の間から伸びた木を伐るのは難しい。下からでは届かないし、上から伐るしかないのだが、私の足の置き場もしっかりしていないし、木も石垣と密着しているわけではなく、少し離れている。つまり、私は石垣の上ギリギリに立って、手を延ばすようにチェンソーを奮わないといけないわけだ。
 
枝振りも複雑に伸びているから、重心がどちらにあるかわかりにくい。
 
こりゃ、怖い。ビビリの私は、逃げ腰で、少しずつ受け口を入れて、様子を見ながら可能な角度から追い口を入れていく。
 
 
……ふう。結果的に4本の伐採を成功させた。どれも直径は20センチばかりまで太っている。あんまり一人で伐りたくない代物だ。まだ残っているが、ともかく一安心。
 
倒した木の枝を刻んである程度処分した。 
 
今日は疲れた。まだ残る中にはトンデモナイ大物もあるのだが、これはお手上げ。石垣の途中から直径30センチ以上の幹がニョキニョキと枝もいっぱい伸ばしているのだよ。高さも10メートル近い。倒してよい方向だって限られているし。誰か、この伐採に挑戦したい人はいないか。腕試しになります(笑)。
 
3_2 この写真は下から。
 
しかし、以前伐ったものを見ると、
 
3_9
結構、萌芽が出ているではないか。
 
このまま生長したら元の木阿弥だ。
だが、完全に枯れるまで伐ってよいのかも迷う。枯らしたら腐るだろうが、すると石垣に大きな穴を空けてしまう。それが石垣を崩すかもしれない。
 
 
それにしても、伐採地の多くから萌芽などが出ているが、どれも照葉樹である。
落葉樹らしき芽がない。このままだと、また照葉樹林として再生してしまうのではないか。
 
 
3_5 アオキ。各所に出てきた。
 
伐採しただけでは、植生を変えることは難しいのかもしれない。さあ、どうする。

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コメント

おそらくすばらしい石積みがあるのでしょう、という想像、あるいは妄想。
石積みの全体像を見てみたくなりました。

ここの石垣は、高さ2~3メートル程度ですが、なかには5メートルを越えるところもありますよ。自慢できる石垣ばかりではなく、荒れて酷いところもありますが。
見学に来てください。案内します(^o^)。

5m!城郭みたいですね。
砦か何かのあとでしょうか。
気になる、木になった場所ですねー。

いえ、石垣は、いずれも生駒山の棚田の石垣です。かなり垂直で、石垣づくりの技術の粋を感じます。
なかには石垣を登れるようにステップをつくっていたり、水利システムを内包させたスゴいのもあります。

でも、放置されて、石垣から木が生えたところも多いです(~_~;)。

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